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欧州委員会、新型コロナウイルス感染拡大に対応する農業・食品部門を引き続き支援

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 欧州委員会は3月25日、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、食料の安定供給の重要性を改めて示すとともに、極めて厳しい状況に直面している農業および食品部門に対し、すでに措置している支援策の他にも必要があれば追加措置を実行する準備もあるとしてプレスリリースを行った。
 
 欧州委員会は同プレスリリースの中で、生産者らが多くの困難に直面する中、欧州大陸全体における食料安全保障と安定した食料供給体制の確保が、引き続き優先事項のひとつであるという認識を示した。
 また、欧州委員会のヤヌシュ・ボイチェホフスキ農業・農村開発担当委員は、「われわれが前例のない危機に直面している中、生産者らが絶え間なく努力を続けてくれていることに対し、これまで以上に感謝している」とした。そして、欧州連合(EU)各加盟国の農業担当閣僚らと開催した同日のテレビ会議を踏まえ、引き続き各加盟国間の連携を強化し、急激に変化する各国の状況や要望事項などの把握に努め、欧州委員会として必要があれば追加措置を実行する準備があるとした。
 EU委員会は農産物市場および食品貿易の動向(需給)を監視し、同委員会の市場観測サイト(注1)を定期的に更新している。
 
 欧州委員会はまた、新型コロナウイルスの発生以降、農業および食品部門に対して次の支援策をすでに措置しているとした。
 
共通農業政策(CAP:Common Agricultural Policy)の補助金申請期限延長
 2020年5月15日であったCAPの補助金申請期限は、1カ月延長され、6月15日に変更された。当該延長は先行してイタリアで措置され、その後、全加盟国に対しても適用された。
 
加盟国による補助の増額
 新たに採択された加盟国による暫定的な補助の枠組みにより、生産者1戸当たり最大10万ユーロ(1200万円:1ユーロ=120円)、食品企業は最大80万ユーロ(9600万円)の補助を受けることができる。同補助は、欧州委員会の事前承認なしに加盟国が実施できる、いわゆる「デミニミス」助成(注2)に追加して支出することが可能である。前年に同助成の上限額は2万5000ユーロ(300万円)に引き上げられており、これにより生産者1戸当たりの最大補助額は12万5000ユーロ(1500万円)となる。
 
優先レーンによる途切れない食品流通
 農産品を含む食品の優先的な流通のため、各加盟国との連携により「グリーンレーン(優先レーン)」を創設し、EU単一市場の機能を担保する。同レーンは、指定の主要国境検問所に設けられ、検査は15分以内に実施される。
 
 欧州委員会はその他、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために各加盟国で国境管理が行われている中、農業部門における必要な季節労働者などの移動が円滑に進むよう症状を示していない労働者に対する強制的な検疫を免除したり、医師による健康証明書を求めないよう手引きを定めるなど、対応を進めている。
 
(注1):欧州委員会は生乳、食肉、砂糖、作物、果樹・野菜、ワインに関する市場観測サイト(EU market observatories)を開設している。生乳、果樹・野菜のサイトについては、

「生乳クオータ制度廃止後の需給調整を目的に市場観測サイトを設置」(海外情報(平成26年4月23日発))
https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_001020.html

「欧州委員会、需給動向の情報提供を行う果樹・野菜市場観測サイトを開設(EU)」(海外情報(令和元年10月24日発))
https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_002533.html

をそれぞれ参照されたい。

(注2):EU加盟国が農業部門に対して補助をしようとするときは、事前に欧州委員会に通知して認可を受ける必要がある。一方、補助金の総額が充分小さく、域内市場での競争や貿易歪曲的でないとされる場合は、「デミニミス」助成として、この通知や認可の必要がない。各国の補助金総額の上限は、各国の農業生産額の1.0%とされていたが、2019年2月に1.25%(特定の条件では1.5%)に引き上げられた。
 
【参考:新型コロナウイルス関連情報】
・製糖関係団体、新型コロナウイルスの大流行を受けて欧州委員会に特別な措置を要請(EU)(海外情報(令和2年3月30日発))
 https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_002657.html

・欧州生鮮野菜生産協会、新型コロナウイルス発生下で供給力強化を推進(海外情報(令和2年3月27日発))
 https://www.alic.go.jp/chosa-y/joho02_000258.html

・欧州飼料産業団体、新型コロナウイルス発生に対応した飼料の安定供給に関する緊急措置を欧州委員会に要請
 https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_002655.html

・欧州委員会、新型コロナウイルスの感染拡大に対し、食品流通を含む国境管理措置に関するガイドラインを公表。欧州食品安全機関、食品を介した感染の証拠はないと報告(海外情報(令和2年3月19日発))
 https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_002646.html

・ドイツ政府機関、食品を介した新型コロナウイルス感染の証拠はないと報告(海外情報(令和2年3月10日発))
 https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_002666.html
 
【調査情報部 令和2年4月8日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-4397



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