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欧州委員会、追加支援措置を採択。新型コロナウイルスの影響下にある生産者のキャッシュフローの改善など

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 欧州委員会は4 月16 日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により困難な状況にある欧州連合(EU)の農業および食品部門を支援するため、二つの追加支援措置を採択したと発表した。生産者のキャッシュフローの改善と、関係当局および生産者の行政手続負担の軽減が期待されている。

<前払金の増額>

 欧州委員会は、生産者へ支払う補助金の前払分を増額するとした。具体的には、EU の共通農業政策(CAP)のうち農業者の収入保障として実施している直接支払いの前払金を現行の50%から70%に、条件不利地域対策などを講じている農村振興政策の前払金を同じく75%から85%に増額する。生産者は10 月中旬から前払金を受け始めることとなる。
 また、さらなる条件緩和として、加盟国は現地確認完了前であっても生産者へ前払いすることが可能となる。

<現地確認の軽減>

 欧州委員会は、補助金に係る現地確認の数を減らすこととした。本来であれば、加盟国は生産者らの補助金受給要件が満たされているかを確認する必要がある。しかしながら、現在の状況では、生産者と現地確認の検査官の間の物理的な接触を最小限に抑えることが重要となっていることから、現地確認に係る抽出率をCAP 予算のうち5%から3%へと減らす。
 なお、確認時期についても柔軟な対応を許可した他、これまでの農場訪問の代わりに、衛星画像を活用した農場の活用状況の確認や、位置情報が埋め込まれた写真による調査箇所の証明といった新技術の活用も推奨している。
【欧州委員会のプレスリリース】
https://ec.europa.eu/info/news/coronavirus-commission-adopts-additional-measures-support-agri-food-sector-2020-apr-16_en
(令和2 年4 月17 日閲覧)

【参考:新型コロナウイルス関連情報(EU)】
・EU 農業生産者団体、新型コロナウイルスによる市場急落に対し緊急支援策を要求(海外情報(令和2 年4 月16 日発))
https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_002676.html
・欧州委員会、学校給食用果物・野菜・牛乳供給事業に2 億5000 万ユーロを措置。新型コロナウイルスによる影響への対応も(EU)(海外情報(令和2 年4 月10 日発))
https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_002672.html
・欧州委員会、新型コロナウイルス感染拡大に対応する農業・食品部門への支援策を準備(海外情報(令和2 年4 月8 日発))
https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_002669.html
・製糖関係団体、新型コロナウイルスの大流行を受けて欧州委員会に特別な措置を要請(EU)(海外情報(令和2 年3 月30 日発))
https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_002657.html
・欧州生鮮野菜生産協会、新型コロナウイルス発生下で供給力強化を推進(海外情報(令和2 年3 月27 日発))
https://www.alic.go.jp/chosa-y/joho02_000258.html
・欧州委員会、新型コロナウイルスの感染拡大に対し、食品流通を含む国境管理措置に関するガイドラインを公表。欧州食品安全機関、食品を介した感染の証拠はないと報告(海外情報(令和2 年3 月19 日発))
https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_002646.html
・ドイツ政府機関、食品を介した新型コロナウイルス感染の証拠はないと報告(令和2 年3月10 日発))
https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_002666.html
【調査情報部 令和2年4月21日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-8527