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農務省はコロナウイルス食料支援プログラムの対象農作物を追加(米国)

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 本年5月19日、米国農務省(USDA)は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の大流行の影響を受けた米国の農家や牧場主などを救済するためにコロナウイルス食料支援プログラム(CFAP)の詳細を公表した。その後、USDAは6月22日までパブリックコメントを行い、個人や団体から寄せられた1740件の意見やデータを検討した結果、7月9日および8月11日にCFAPの対象農作物の追加や支払い率の修正について公表した。5月19日に公表されたCFAPの詳細から変更があった事項は以下の通りである。なお、CFAPの直接支払いは、コロナウイルス支援・救済・経済安全保障法(Coronavirus Aid, Relief, and Economic Security(CARES) Act)と商品信用公社(CCC)憲章法に基づく、2つの財源から成り立っている制度である。
 また、単位の換算には、1米ドル=108円(2020年8月14日TTS相場)、1ポンド=0.453592キログラムを使用した。

家畜

 支払対象と畜牛のうち、肥育牛の体重が1400ポンド超から1200ポンド超に拡大されたほか、支払い対象となる家畜に2歳以上の全ての羊が追加された(表1:変更部分は網掛け)。

果物や野菜など

 果物や野菜などについては大幅に対象作物が追加され、さらに一部の対象作物については支払い額も調整が行われた(表2:変更部分は網掛け)。また、表2中の(3)CCCに基づく単位当たり支払い額については、当初、対象作物の重量当たりに応じて支払いを行っていたが、対象作物の面積当たりに応じた支払い方法に変更された。

 支払い対象の農産物に液卵および冷凍液卵が追加された。支払いは、2020年1月から3月の第1四半期における生産量に対して、CARES Actに基づく支払い額とCCCに基づく支払額をそれぞれ乗じた額の合計となる(表3)。なお、殻付き卵および乾燥卵はCOVID-19の影響で全米的に5%以上の価格下落が確認されなかったため、対象にはならなかった。

その他

 上記以外に、観賞用植物や切り花、水産物も支払い対象として追加された。

申請と支払い

 今回、多くの農作物が支援対象に追加された一方で、桃やルバーブ(ダイオウ属の野菜の一種)に関しては2020年1月15日から4月15日までの間に販売されたが5%以上の価格下落により損失が生じた農産物には該当しないとして、当該項目の対象から外れている。また、2020年4月15日までに農場から出荷されたものの販路を失い重大な品質劣化が生じた農産物である桃、ルバーブ、アスパラガスおよびきのこに関しては、データを精査した結果、支払額が減少している。
 当初は、資金を確保するため、申請が承認された生産者はまず支払い額の80%を受け取り、その後、 農場サービス局(FSA)が残りの20%を生産者へ自動的に支払う仕組みであった。 今後は、CFAPを申請する生産者は、申請が承認された段階で、支払い限度額範囲内で全額を一度に受け取ることになる。また、申請の締め切りが9月11日に延長された。

 8月11日の公表に合わせて、パーデュー長官は、「トランプ大統領は、米国の農家や牧場主がCOVID-19の大流行を乗り越え、米国と世界へ十分な食料や繊維を供給し続けられるよう支援している。そのために、トランプ大統領はCFAPにおいて160億ドルもの直接支払いを承認し、本日、われわれは支援が必要とされている農作物をさらにCFAPの支援対象として追加することができた。CFAPは、生産者がCOVID-19の影響を乗り越えるためにUSDAが用意した数多くの手段の内の1つに過ぎず、USDAはローンの支払い猶予や、作物保険や申請期限に柔軟性を加えるなど、生産者を支援するために多くの手段を活用している。」と述べている。

【参考:新型コロナウイルス関連情報(米国)】

【調査情報部 令和2年8月21日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-4397