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BREXITによるEUの生鮮食品部門に対するコスト増は5500万ユーロと推計(EU)

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最終更新日:2021年2月3日

 欧州生鮮青果物協会(FRESHFEL EUROPE)は1月20日、英国のEU離脱(BREXIT)によるEUの生鮮食品部門でのコスト増加分がこれまでに5500万ユーロ(70億4000万円、1ユーロ:128円)に達していると推計されることを公表した。

 英EU間の通商・協力については2020年12月24日に合意され、双方の原産品について全品目で関税が撤廃され、関税割当も設けないこととされた(注)。これにより、英国内でのEUの輸出業者の競争力が保たれ、英国市場に十分な生鮮食料品の供給が保証されることとなった。また、英国独自の貿易ルールが段階的に導入されるが、新たな国境措置や衛生植物検疫(SPS)措置の適用に一定の猶予期間が生じることで、EUの輸出業者の新制度への対応を助けることとなっている。現在のところ、英EU間の国境における物流の混乱などが生鮮食品の貿易に影響するという最悪のケースは免れている。しかし、同部門は、すでに新たな検査や煩雑な書類手続きなどによって、コストが増加しており、EUの輸出業者は、英国に輸出するための原産地証明や新たな実務に対応するのに苦労している。今後、SPS措置の導入などが予定されていることから、BREXITの完全な影響はまだ明らかになっていないとしている。
(注)「BREXIT移行期間終了後の英EUの通商・協力について双方が合意」【海外情報 令和2年12月28日】

 同協会によると、EUは、英国向けに生鮮食品(野菜・果物)を年間320万トン以上輸出しており、これは英国内の生鮮食品の需要の40%以上に相当する。

 同部門では、新たに通関コストなどが掛かるようになり、すでにトラック1台当たり約400ユーロ(5万1200円)のコスト増となっている。また、複数の品目を混載して輸出する場合には、書類の処理がさらに煩雑になるため、同500ユーロ(6万4000円)のコスト増となっている。英国への輸出コストの増加分は、全体では5500万ユーロ(704億円)に達していると推計され、同協会では、この分は最終的には英国の消費者に転嫁されることになるだろうとしている。

 今年4月には、英国へ輸出する野菜・果物のほとんどに植物検疫証明書が必要となる予定だが、電子取引への移行が遅れているEU加盟国では、紙の証明書発行のために最大48時間掛かるとしている。同協会は、「最近の貿易は安定している一方で、今後のSPS措置の導入が「時間的余裕のない」作業の遂行に影響を与えることが予想されている」としている。

 同協会は、「生鮮品の通関を迅速化するグリーンレーンの導入や植物検疫その他の証明書に関する電子取引の迅速な設置などによる貿易の円滑化に向けて英EU双方が動いていかなければならない。こうした中、EU加盟国も、証明書の発行プロセスの統一や、例えば各種基準の同一性証明の要件を停止するといった、輸出手続きの柔軟性を高めなければならない」としている。

【令和3年2月3日 小林 智也】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:小林 智也)
Tel:03-3583-8527



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