ブレグジット後、両者間の貿易ではそれぞれが設定したSPSの要件
(注)を満たすことが求められ、事務手続きによるコスト増や検査による物流の所要時間の増加などが課題となっていた。
(注)英国が実施しているSPS要件については、海外情報「EUとの国境措置を4月30日から強化(英国)」をご参照ください。
今回の合意では、新たなSPS協定により食品・衛生・植物検疫安全の基準などの関連するEUと英国の規制の整合性を保証し、英国は必要に応じてEUの関連規制をただちに適用する措置を講じるとされている。
英国政府によると、共通のSPS圏設置により、
(1) 輸出衛生証明書、植物衛生証明書、有機産品に関する検査証明書の廃止および販売基準証明要件の廃止
(2) 農産品・食品に対する定期的な国境検査の廃止(現状、英国産のEU向け食肉や乳製品は書類検査が必須であり、抽出率最大30%の現品検査も実施されている)
(3) 英国産の生ソーセージ、ハンバーガー用パテ、たねいもや一部の貝類のEU向け禁輸措置の解除
(4) 英国本島と北アイルランド間の移送の簡素化
などが図られ、輸出コストの削減になるとされている。