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カタルーニャ州で野生イノシシのアフリカ豚熱感染確認が続く、豚肉価格は軟化傾向(EU)

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 スペイン農業漁業食料省(MAPA)は2026年2月26日、カタルーニャ州における野生イノシシからのアフリカ豚熱(ASF)発生を3件(33頭)確認したと公表した。25年11月28日に94年以来のASF発生が確認(注1)されて以降、これまでに34件、計195頭の野生イノシシの感染が確認されている。これらの感染例はすべて、最初の発生から半径20キロメートル以内に位置している。(図1)
 陽性が確認されたものとは別に1433頭の野生イノシシが捕獲・発見され、検査の結果陰性となっている。また、感染地域にある57 件の養豚場では監視と検査が継続的に実施されており、いずれの養豚場からもASFに関連する症状などは確認されていない。
 感染経路については、26年2月時点で判明していない。ただし、発生当初に一部報道があった同州内の研究機関からのウイルス流出の疑いについては、MAPAが2月9日に発表した調査レポートで否定された。
 なお、アフリカ豚熱は豚、イノシシの病気であり、人に感染することはない。
図1

EU域内の豚肉価格の動向

 最近のEUの豚肉価格は、軟化傾向で推移している。2026年2月16日の週のEU27カ国の豚枝肉卸売価格(Class E)は、1キログラム当たり1.50ユーロ(277円、1ユーロ=184.86円(注2))と前年同期比17.5%安となった。同価格を国別にみると、スペインの落ち込みが大きく、同33.0%安の1.31ユーロ(242円)となっている。
 2025年のEU27カ国の豚枝肉卸売価格は、スペインでのASF発生以前から、前年を下回る水準で推移していた。これを月別に見ると、同年10月から11月まで卸売価格は、前年同期比9.2%〜14.0%安の水準で推移していたが、12月からはASF発生の影響でより軟化している(図2)。
図2
 この価格下落の要因は、スペインでのASF発生による域内需給の緩和に加え、24年までの堅調な価格を背景とした複数加盟国での予想を上回る豚肉の増産(最新の統計によると、2025年(1〜11月)のEU豚肉生産量は、前年同期比3.1%増)や、中国からのEU産豚肉に対するアンチダンピング課税賦課(注3)なども影響しているとみられる。
 2月23日に開催されたEU加盟国の農業・漁業担当閣僚で構成される農漁業理事会では、ルーマニア、ハンガリー、ポーランドなど複数の加盟国から、最近の豚肉価格下落に対する支援策の検討が求められるなど、価格下落を懸念する声が高まっている。
 
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」2026年1月末TTS相場の1ユーロ=184.86円を使用。
(注3)詳細は、海外情報「EU産豚肉に対し中国がアンチダンピング関税賦課を開始(EU、中国)」を参照。
【調査情報部 令和8年3月4日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:調査情報部)
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