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中国農業展望報告(2026−2035)を発表(豚肉編)(中国)

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 中国農業農村部は2026年4月20日、今後10年間の農畜産業を展望する「中国農業展望報告(2026−2035)」を発表した。今回は25年の総括と35年までの農畜水産物の生産量や消費量の見通しが報告された。
 本稿では同報告のうち、豚肉について紹介する。

1.2025年の豚肉需給動向

 2025年の生産量は、5938万トン(前年比4.0%増)と前年をやや上回った。年間と畜頭数は7億2000万頭(同2.4%増)で、四半期ごとの実績も増加傾向となった。25年末の繁殖雌豚頭数は、3961万頭(同2.9%減)と前年からわずかに減少したものの、生産能力の向上(注1)から、と畜頭数は高水準で推移した(表)。

 
表
 輸入量は、98万トン(同8.5%減)と前年をかなりの程度下回った。同年は豚肉消費量の減少と国内外の豚肉価格差縮小に加え、EU産豚肉のアンチダンピング関税の実施(注2)などの影響を受け、輸入量は減少した。主な輸入先はスペイン(輸入量に占める割合は29.3%)、ブラジル(同15.7%)、チリ(同7.6%)、オランダ(同7.4%)などで、これらで輸入先の6割を占めている。
 消費量は、6020万トン(同3.7%増)と前年からやや増加し、1人当たりの消費量は42.9キログラム(同4.1%増)となった。豚肉価格の下落が消費者の購買意欲の上昇につながったことに加え、近年の景気の低迷から政府によるサービス消費への支援措置などにより、外食や観光産業が回復しつつあることや、電子商取引(EC)やライブコマースなどの新たな販売形態が消費を後押ししたことを要因としている。
 価格面では、25年の豚肉平均価格は前年比8.6%安の1キログラム当たり25.29元(602円:11元=23.82円(注3))となった。同価格の推移を月別に見ると、1月の豚肉価格は1キログラムあたり27.89元(664円、前年同月比14.4%高)と前年からかなり大きく上昇したが、その後5カ月連続で下落した後、12月には同22.59元(538円、同19.2%安)と同年の最安値となった。
 養豚経営の収益性の指標とされる豚トウモロコシ比(注4)を見ると、25年の平均値は6.29と前年から0.85ポイント低下した。年平均値は利益が出るとされる6.0を上回っているものの、月別で見ると、1月に7.9であったものが8月には6.0に下落し、その後、12月は5.22まで低下した。養豚経営は、12月末には1頭あたり約150元(3573円)の赤字となり、年間平均利益は1頭あたり約30元(715円)となった。

(注1)詳しくは海外情報「豚肉価格が低迷する中、中国主要メディアがその要因を分析(中国)」(令和8年5月11日発)をご参照ください。
(注2)海外情報「EU産豚肉に対し中国がアンチダンピング関税賦課を開始(EU、中国)
」(令和8年1月19日発)をご参照ください。
(注3)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2026年5月末TTS相場。
(注4)生体出荷価格を飼料用トウモロコシの卸売価格で除したもの。6.0を上回ると利益がでると言われている。

 

2.2026年の豚肉需給動向予測

 2026年の豚肉生産は、25年8月以降、繁殖雌豚頭数が減少したことで、5870万トン(前年比1.1%減)と前年をわずかに下回ることが見込まれる。また、国内生産能力拡大の継続、国産豚肉価格の低迷、EU産豚肉および副産物のアンチダンピング関税の実施から、豚肉輸入量は90万トン(同8.2%減)と、引き続き26年も減少すると見込まれる。
 消費量は5943万トン(同1.3%減)とわずかに減少し、そのうち、直接消費量は4585万トン(同1.7%減)、加工消費量は1094万トン(同2.0%増)としている。スナック食品や調理済食品といった、加工肉類製品の選択肢の多様化が進み、加工用冷凍豚肉の需要拡大の動きがあるためとしている。
 価格面では、26年の上半期は低水準で推移し、下半期は供給緩和で価格がわずかに回復すると予測している。

3.2035年までの豚肉需給動向予測

 生産量は、生産効率向上と消費低迷により、市場の需給バランスが調整され、生産量は減少するとみられる。これにより、2035年の豚肉生産量は5511万トン(基準期間比<23〜25年の平均値との増減率>5.2%減)と見込まれている。
 消費量は、国民生活水準の向上や健康意識の高まりを背景とした肉類消費の多様化の影響により、減少して推移するとみられる。この結果、35年の消費量は5535万トン(同6.5%減)、1人当たりの年間消費量は39.9キログラム(同5.3%減)と見込まれる。
 輸入量は、国内の豚肉生産と消費の乖離が縮小するため、徐々に減少し、35年には50万トン(同58.3%減)になると見込まれる。
 価格面では、大手養豚企業の垂直統合と計画的な出荷体制により市場の価格変動に左右されにくくなり、供給の平準化が進むことで、ピッグサイクルの変動幅は縮小する可能性が高いとし、これにより、長期的には価格の変動幅は縮小するとしている。
【調査情報部 令和8年6月25日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9532