畜産 畜産分野の各種業務の情報、情報誌「畜産の情報」の記事、統計資料など

ホーム > 畜産 > 海外情報 > 2026年 > 中国農業農村部、養豚と穀物の生産動向について見解を公表(中国)

中国農業農村部、養豚と穀物の生産動向について見解を公表(中国)

印刷ページ
 中国農業農村部は2026年7月24日、国務院新聞弁公室主催のメディア向け定例会である「上半期の農業農村経済状況の紹介会」において、現下の養豚と穀物の生産動向について、記者からの質問に答える形で見解を示した。なお、今回の定例会では、肉牛と酪農に関わる質問はなかった(注1)
 
 (注1)前年の上半期の紹介会については「中国農業農村部、養豚と肉牛、酪農の動向について見解を公表(中国)」(令和7年7月31日発)をご参照ください。

1 養豚の市場動向および対策の効果

 養豚の市場動向についての記者からの質問に対して、農業農村部発展計画司(「司」は日本農林水産省の「局」に相当)の司長は、以下のように回答した。
 なお、質問の背景には、豚肉価格が低位で推移していることを受け、同部により5月に行われた最適な水準の繁殖雌豚頭数の削減措置の効果に対する関心の高さがある。
 
 養豚生産は国民の食生活と密接に関わり、農家の収入や生計にも直結している。この安定的かつ秩序ある生産を維持するためには、良好なピッグサイクルを維持する必要がある。本年当初から、農業農村部は関係部門とともに、供給調整や消費促進、備蓄拡大など総合的な措置を講じ、豚の生産能力を調整してきた。6月末以降の需給は改善しつつあり、価格が回復傾向にあることから養豚農家の収益の悪化は緩和されている。第2四半期(4〜6月)における繁殖用雌豚頭数は、前年同期比263万頭減、前年末比181万頭減の3780万頭に調整された。出荷頭数は減少傾向となっているが、依然として供給量は潤沢にあり、需要は弱いという構造に変化はないため、豚の生産能力の総合的な調整に注力し、多角的なルートを通じて詳細な警報の発信を強化し、より適切な需給調整を図っていく。豚肉価格は再び上昇するよう、業界関係者とともに努力し、価格の急激な変動を避けていきたい。
 

2 穀物の播種・栽培の状況および今後の措置

 穀物の播種、栽培状況についての記者からの質問に対して、「穀物生産は毎年さまざまな課題に直面しており、毎年状況は異なる。経験してみないとわからないと言える」と述べた後、同部副部長は、次のように回答した。
 
 秋季穀物(注2)は年間穀物生産量の約75%を占め、全体の状況は順調に進んでいる。作付面積はほぼ確定しており、前年からの増加が見込まれている。苗の生育状況もよく、水と肥料の一体化、化学肥料や薬剤の複合散布技術(注3)などの実施により、生育状況は良好となっている。
 秋季穀物の収穫まで、残り2カ月以上あるため、100日間の圃場管理の徹底と災害対策、単収の向上の推進が必要としている。具体的には以下の通りである。 
(1)栽培中後期の圃場管理の徹底
  生産の重点となる省において、専門家や技術者の巡回と指導を行い、作物別・栽培時期別に圃場管理の技術を強化すること。
 (2)単収の向上
  大規模な面積を有し単収向上を推進する全国1000の県と20の市が、各地域で単収向上の現地検討会を組織するとともに、農業技術者による現地指導、戸別訪問指導、生産組織との連携活動を継続すること。
 (3)防災と減災に注力
  気象・防災関係機関との連携強化、警戒情報の迅速な発信、資材備蓄および技術支援体制の整備により災害被害を軽減すること。トウモロコシの南方さび病(注4)等や病害虫を対象に、統一的な防除などにより被害抑制を図ること。
 
 (注2)秋季穀物とは、その年の春や夏に播種され、秋に収穫される穀物作物を指す。主な対象品目は、中稲、晩稲、トウモロコシ、こうりゃん、あわ、かんしょ及び大豆である。
 (注3)中国語で「一噴多促」。2024年に全国農業技術普及センターが発出した「2024年全国秋季穀物“一噴多促“技術の意見」において、トウモロコシや大豆の収量増加と災害対策のために、肥料や殺虫剤などを混合して散布することを推進している。
 (注4)糸状菌のPuccinia polysoraによる病害で、温暖な地域では夏から秋にかけて発生し、トウモロコシに大きな被害を与える。
【調査情報部 令和8年7月31日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9532