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欧州委員会、飼料用たんぱく質の輸入依存度低減に向けた行動計画を公表(EU)

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 欧州委員会は2026年7月7日、植物性たんぱく質の輸入依存度低減に向けた「たんぱく質行動計画」を発表した。本計画では、飼料原料として利用される油糧種子(本稿では大豆を除く、以下同じ)および大豆を含むマメ科植物のEU域内で生産される割合を、25年の25.8%から35年までに35%に引き上げることを目標に掲げている。なお、本計画は、欧州委員会が同日に発表したEUの畜産部門に対する今後の政策の方向性を示す「EUの畜産戦略」(注)を補完するものとして位置付けられている。
(注)畜産戦略の詳細は、海外情報「欧州委員会、「畜産戦略」を公表、畜産をEUに不可欠な産業と位置付ける(EU)」をご参照ください。
 
 EUでは、2024/25年度(7月〜翌6月)において、飼料向けの植物性たんぱく質が粗たんぱく質ベースで約7400万トン利用された。このうち、約4割を占める粗飼料と約2割を占める穀物はEU域内産で賄われた一方、約3割を占める油糧種子かすや大豆かすなど、たんぱく質含有率の高い飼料原料については、その74%を輸入に依存していいた(図)。
図 EUの飼料用たんぱく質の産地および輸出量(2024/25年度)

生産拡大に向けて次期共通農業政策(CAP)を活用

 欧州委員会はこうした状況を、食料安全保障やEU畜産部門のレジリエンス(強靭性)に関する課題と捉え、EU域内生産の拡大やバリューチェーンの強化などに取り組むとしている。
 生産拡大に向けた支援の柱となるのは、2028年以降の次期共通農業政策(CAP)である。この中では、マメ科植物を輪作体系に組み込むことへのインセンティブの付与や、供給と需要を結びつけるための必要なインフラ、貯蔵・加工施設への投資支援などが提案されている。また、EUの研究・イノベーションの支援プログラム「ホライゾン・ヨーロッパ」を活用し、品種改良や利用方法などに関する研究・開発も推進する。
 需要喚起の観点からは、消費者がEU産飼料を使用した製品を認識できるよう、任意のラベル表示などの仕組みを検討する。
 一方、域外からの飼料用タンパク質の輸入は引き続き不可欠であることから、本計画では輸入先国の多角化にも言及している。大豆かすに関しては現在、ブラジルやアルゼンチンからの輸入が大半を占めるが、今後はウクライナとの連携も推進するとしている。また、ビタミンやアミノ酸などの飼料添加物に関しては、中国への依存度が極めて高いとして、EU域内の生産拡大に向けた調査の実施や規制の簡素化などを検討する。

関係団体は計画の方向性を評価

 本計画について、欧州飼料製造業者連盟(FEFAC)は、「極めて詳細で具体的な行動リスト」と評価し、歓迎した。欧州最大の農業協同組合・農業生産者団体のCopa−Cogecaも「2035年までに35%という目標値は現実的で達成可能」と歓迎する一方で、同計画は、方向性の提示にとどまり具体的な措置が示されていないとし、今後の立法、財政措置の重要性を指摘している。
【調査情報部 令和8年8月6日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9532