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米国はメキシコからの生体牛の輸入を再開(米国)

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 米国は2026年8月24日、メキシコからの生体牛の輸入を再開した。メキシコからの生体牛の輸入は、24年以降のメキシコにおけるラセンウジバエ(NWS:New World Screwworm)の確認および確認地域拡大のため、断続的に停止していた。米国においてようやく牛群再構築の兆しが見られ始めたが、引き続き牛肉の供給はひっ迫しており、牛肉価格は高値で推移している。メキシコは米国向けの肥育もと牛の主要な供給国であることから、今後フィードロットへの導入が徐々に進むと考えられる。

これまでの米国におけるNWSをめぐるメキシコからの生体牛の輸入状況

 2024年11月22日、メキシコ南部チアパス州でNWSが確認されたことを受け、米国はメキシコからの生体牛(注1)の輸入を停止した。その後、同年12月に米国農務省(USDA)とメキシコ農業農村開発省(SADER)が輸入再開手順を定めた手順書を整備し、生体牛を輸出する際に輸出前検査や駆虫薬(イベルメクチン)投与などの防疫措置が講じられることとなった。これを受けてUSDAは25年2月、メキシコ内のチワワ州サンヘロニモおよびソノラ州アグア・プリエタの指定施設を経由した生体牛の輸入を再開した。しかし、メキシコ国内でのNWSの確認地域が拡大したため、同年5月11日に生体牛の米国への輸入は再び停止された(注2)。
(注1)牛以外にもバイソンを含む反芻動物の輸入が停止された。詳細は「【海外情報】米国農務省、メキシコからの生体牛輸入再開に関する手順書に署名(米国)(令和6年12月26日発)」もご参照ください。
(注2)詳細は「【海外情報】米国はメキシコからの生体牛の輸入を再度停止(米国)(令和7年5月21日発)」もご参照ください。


 その後、25年6月末に段階的な輸入再開方針がUSDAから公表され、7月7日から生体牛の輸入が再開されることになったが、7月8日にメキシコ内のベラクルス州でのNWS確認が公表されたため、同月9日に再度輸入が停止された。米国は、食肉処理用、肥育用および繁殖用として、カナダおよびメキシコから生体牛を輸入してきたが、上記の経緯から25年8月以降メキシコからの輸入は停止している(図1、表)。
 その後もメキシコ内でのNWSの北上が続いており、26年6月にはテキサス州の子牛から検出されるなど、米国でも発生が確認されている(注3)。
(注3)詳細は「米国のテキサス州において、ラセンウジバエの発生を確認(米国)(令和8年6月25日発)」もご参照ください。
 
図1メキシコ及びカナダからの生体牛の月ごとの輸入頭数の推移
表 メキシコ及びカナダからの生体牛の年ごとの輸入頭数の推移

2026年8月以降のメキシコからの生体牛の輸入について

 USDA動植物検疫局(APHIS)は2026年7月、段階的にメキシコからの生体牛の輸入について再開すると発表し、8月24日から米国アリゾナ州のダグラス入国港を経由した輸入が再開した。米国への輸入が可能な生体牛は、メキシコ国内での検査に加え、入国港のメキシコ側で再度USDA/APHISが検査しNWSの感染が確認されない牛のみとなっている。また、輸入頭数の上限が定められており、輸入再開後第1週目は1日当たり700頭、2週目は900頭、その後は段階的に1300頭まで増やす予定となっている。
 今後、生体牛の輸入は米国ニューメキシコ州のサンタテレサ及びコロンバスの入国港にも順次拡大する予定とされているが、USDA/APHISの発表では、国境を接するメキシコ側のソノラ州およびチワワ州におけるNWSの確認地域や防疫措置の実施状況に応じて柔軟に対応することとしている(図2)。
図2生体牛が輸入可能な入国港(2026年9月10日時点)

米国産牛肉生産への影響と業界の反応

 米国は、メキシコから多くの肥育もと牛を輸入してきた(図3)。また、メキシコ側のソノラ州およびチワワ州は主要な子牛の生産地域であることからも、今後メキシコから輸入される生体牛は、肥育用が中心になると考えられる。このため、米国南部地域における牛肉生産量の増加への寄与は、輸入した生体牛の肥育期間を考慮すると数カ月から1年程度要するとみられる。
図3生体牛の用途ごとの輸入頭数の推移
 なお、今回のメキシコからの生体牛の輸入再開に対して、全米肉牛生産者・牛肉協会(NCBA)は、生体牛の輸入再開が段階的に安全に進むことを支持する声明を発表している一方で、米国牧場主・肉用牛生産者行動法律基金協会(R−Calf)は、輸入再開の計画を時期尚早とし、NWSが拡大するリスクを懸念する声明を公表している。
【調査情報部 令和8年9月25日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9532