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熱波後初の2026年需給見通し、生乳・牛肉・豚肉は前回予測を維持も、トウモロコシは大幅減産(EU)

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 欧州委員会は10月20日、記録的な猛暑の発生後としては初となるEUの農畜産物短期需給見通しを公表した。これによれば、2026年の畜産物生産量は、生乳が前年比1.8%増、牛肉が同2.2%減、豚肉が同0.5%増、家きん肉が同3.3%増と予測され、前回7月公表の見通し(注)との比較では、上方修正された家きん肉を除き、ほぼ据え置きとなった。一方、トウモロコシなどの夏作物は、熱波による大きな減産が見込まれ、飼料需要を賄うためにトウモロコシや大豆かすの輸入増加が予測されている。
 
(注)前回の短期需給見通しは、海外情報「欧州委員会の2026年見通し、生乳は増産、豚肉は前年並み、牛肉は減産の予測(EU)」をご参照ください。

生乳 〜熱波により生産コストは増加するものの、生乳出荷量への影響は限定的との見方〜

 2026年の生乳出荷量は、前年比1.9%増の1億5180万トンと予測される。夏季の高温や干ばつにより、一部地域では生乳生産量が減少したものの、同年1〜6月の生乳出荷量が前年同期を約3%上回って推移していることや、乳製品市場が安定していることを踏まえ、年内の生乳出荷量の大幅な減少は見込み難いとして、前回見通し(1億5150万トン)からほぼ据え置きとなった。一方、飼料コストの上昇などを背景に、酪農経営の収益性の低下が懸念されている。
 生乳出荷量の増加分は、需要が堅調なチーズ、ホエイ、バターおよび脱脂粉乳に仕向けられるとみられる。そのため、26年の乳製品生産量は、チーズが同2.1%増の1161万7800トン、ホエイが同1.4%増の212万8400トン、バターが同7.5%増の266万1400トン、脱脂粉乳が同7.5%増の166万4000トンと、いずれも前年を上回ると予測されている。

食肉 〜牛肉および豚肉は前回予測を維持、家きん肉は上方修正〜

 猛暑や干ばつの影響により、牧草地の生産性低下に伴う飼料コストの増加に加え、冷房設備の導入や水管理といった暑熱対策が必要となったことで、畜産経営コストは上昇している。こうした中、食肉生産量は、牛肉、豚肉ともに前回予測からほぼ据え置きとなった。2026年の牛肉生産量は、前年比2.2%減の624万9700トン(枝肉重量ベース、以下同じ)、豚肉生産量は、同0.5%増の2212万4500トンとそれぞれ予測される。
 一方、26年の家きん肉生産量は、価格面の優位性などを背景とした域内での堅調な需要を反映し、前回予測(同1.4%増の1468万7000トン)から上方修正され、同3.3%増の1504万8000トンと予測される。

トウモロコシ、油糧種子 〜熱波による減産を受け、トウモロコシおよび大豆かすの輸入増を予測〜

 猛暑や干ばつの影響から、2026/27年度(7月〜翌6月、以下同じ)の穀物生産量は、前年度比9.6%減の2億6195万9000トンと予測される。中でもトウモロコシは最も大きな影響を受けており、生産量は同19.8%減の4830万3000トンと、大幅な減産が予測される。この結果、同年度のトウモロコシ輸入量は、飼料需要を賄うため、同29.6%増の2500万トンに達すると予測される(表)。なお、熱波による影響が特に大きかったのは夏作物であり、小麦などの冬作物への影響は比較的限定的であった。
 26/27年度の油糧種子生産量は、同0.3%減の3126万8000トンと予測されるものの、このうち大豆の生産量は、干ばつの影響を最も強く受け、同19.5%減の220万トンと見込まれる。このため、大豆かすの輸入量は、同1.5%増の2049万9000トンになるとみられる。
表 トウモロコシの需給見通し
【調査情報部 令和8年10月30日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9532