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海外需給【鶏肉/タイ】畜産の情報 2025年5月号

鶏肉生産量は3年連続で増加、鶏肉製品の日本向け輸出が好調

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24年の鶏肉生産量、前年比1.1%増
 タイ農業協同組合省農業経済局によると、2024年の鶏肉生産量は273万3942トン(前年比1.1%増)とわずかに増加した(図1)。同国が鶏肉製品の輸出世界一を目標に掲げる中(注1)、鶏肉生産量は3年連続で前年比増となっている。
 一方、25年の鶏肉生産状況について現地専門家は、米国や欧州などで高病原性鳥インフルエンザが継続的に発生し、原種鶏の輸入が計画通りに進まないため、一部の養鶏企業からは種鶏不足の声が出ているとし、今後の鶏肉生産動向に注視が必要としている。
 
(注1)『畜産の情報』2024年12月号「タイの鶏肉需給動向 〜世界的に需要が高まる鶏肉製品で輸出世界一を目指す〜」(https://www.alic.go.jp/joho-c/joho05_003513.html)をご参照ください。

 
25年3月の鶏肉卸売価格、前年同月比0.5%高
 2025年3月の鶏肉卸売価格は、前年同月比0.5%高の1キログラム当たり57.50バーツ(258円:1バーツ=4.48円(注2))とわずかに上回った(図2)。


 
 今後の鶏肉価格について現地専門家は、4月中旬のタイ旧正月(ソンクラーン)の長期休暇により、食鳥処理場および加工場の稼働が停止し、鶏肉生産量が一時的に減少する一方、タイ国内の鶏肉需要が増加することなどから、上昇傾向での推移を予測している。
 
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2025年3月末TTS相場。
 
24年の冷凍鶏肉輸出量、前年比2.3%減
 2024年の冷凍鶏肉の輸出量は、46万723トン(前年比2.3%減)とわずかに減少した(表1)。主要輸出先別に見ると、高水準となった前年の反動により中国向けはわずかに、韓国向けは大幅に、いずれも減少したが、マレーシア向けはわずかに増加し、前年の輸出量がわずかであったアラブ首長国連邦向けは大幅に増加した。また、日本向けは外食産業を中心に鶏肉需要が堅調に推移したことから、17万8589トン(同7.7%増)とかなりの程度増加し、輸出量全体の4割弱を占めた。


 
 
24年の鶏肉調製品の輸出量、前年比13.7%増
 2024年の鶏肉調製品輸出量は、67万7244トン(前年比13.7%増)とかなり大きく増加した(表2)。日本向けは、円安で推移する為替相場の影響はあったものの、年間を通して外食や中食・総菜向けなどの引き合いが強かったため、30万831トン(同5.2%増)とやや増加し、輸出量全体の4割強を占めた。
 

 
(調査情報部 平山 宗幸)