25年1～5月の豚肉輸出量、前年同期比5.5％増

25年6月の豚と畜頭数、前年同月比3.7％増

　カナダ農務・農産食品省（AAFC）によると、2025年6月の豚と畜頭数は210万2000頭（前年同月比3.7％増）、同年1～6月の累計では、輸出需要が増加する中で1094万3000頭（前年同期比3.3％増）と、いずれもやや増加した（図1）。25年のカナダの豚肉生産量について米国農務省海外農務局（USDA/FAS）は、209万5000トン（前年比0.2％増）と前年並みを見込んでいる。

25年6月の肥育豚価格、前年同月比9.3％高

　AAFCによると、2025年6月の肥育豚価格は100キログラム当たり288カナダドル（1キログラム当たり316円：1カナダドル＝109.59円^（注1）、前年同月比9.3％高）、同年1～6月の平均価格は同264カナダドル（1キログラム当たり289円、前年同期比7.4％高）と、米国の肥育豚価格^（注2）が上昇している中で、いずれもかなりの程度上昇した（図2）。

_{（注1）三菱UFJリサーチ＆コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2025年7月末TTS相場。}

_{（注2）カナダの肥育豚価格は一般的に、米国の肥育豚価格に基づいて算定されるため、同価格の変動による影響を受ける。詳細は畜産の情報「カナダ豚肉産業にみる多様性と肥育豚価格の算定方式をめぐる議論（https://www.alic.go.jp/joho-c/joho05_000834.html）」をご参照ください。なお、米国では牛肉価格の高騰に伴う代替需要から豚肉価格が上昇しており、肥育豚価格を押し上げているとみられている。}

25年1～5月の豚肉輸出量は前年同期比5.5％増

　カナダ統計局によると、2025年5月の豚肉輸出量は9万7200トン（製品重量ベース、前年同月比14.6％増）とかなり大きく増加し、同年1～5月の累計では49万9900トン（前年同期比5.5％増）とやや増加した（表）。

　5月の輸出量を輸出先別に見ると、日本向けは2万9700トン（前年同月比69.8％増）、韓国向けは9500トン（同78.4％増）と、いずれも大幅に増加した。一方、中国は同年3月20日以降、カナダ産豚肉に対して25％の追加関税を課しており^（注3）、同国向けの輸出量は7500トン（同12.2％減）とかなり大きく減少した。

_{（注3）カナダ政府が2024年10月以降、中国製の電気自動車や鉄鋼、アルミニウム製品の輸入に追加関税を課したことを受けて採られた措置の一部となっている。}

（調査情報部　小林　大祐）