26年1〜3月の牛肉生産量は前年同期比5.1%増
ブラジル地理統計院(IBGE)によると、2026年1〜3月の牛と畜頭数は1028万9000頭(前年同期比3.3%増)、牛肉生産量は263万5000トン(同5.1%増)と、いずれも過去最大を記録した前年をやや上回る水準で推移している(図1)。
26年の肥育牛指標価格は4月中旬を境に下落傾向へ
サンパウロ大学農学部応用経済研究所(CEPEA)によると、2026年8月19日時点の肥育牛指標価格は、1キログラム当たり22.99レアル(715円:1レアル=31.08円
(注1)、前年同期比12.1%高)となった(図2)。
26年の年初から上昇傾向にあった肥育牛指標価格は、4月中旬に天井を打った。その後、5月下旬と7月下旬には、牛肉の輸出需要が供給を上回ったことから一時的に上昇する場面も見られたが、全体としては下落傾向で推移している。
CEPEAによると、価格下落の主な要因は、中国向け輸出需要の鈍化である。中国は、26年1月1日に輸入牛肉に対する新たなセーフガード措置の適用を開始した
(注2)。ブラジルに割り当てられた同年の枠内数量110万6000トンの65%が5月までに消化され、中国向けに牛肉を輸出する食肉加工業者は、と畜頭数を調整する動きに入ったとされている。また、ブラジル国内では、消費者の需要が牛肉から鶏肉、豚肉および卵などより安価な動物性たんぱく質へ移る傾向も見られ、こうした動向も肥育牛指標価格を押し下げる要因の一つとされている。
(注1)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2026年8月末のTTS相場および現地参考為替相場(Selling)。
(注2)詳細については、海外情報「中国の新たなセーフガード措置に対する豪州の反応(豪州)」(https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_004262.html)をご参照ください。
26年1〜7月の牛肉輸出量は前年同期比10.2%増
ブラジル開発商工サービス省貿易局(SECEX)によると、2026年1〜7月の牛肉輸出量は172万2643トン(前年同期比10.2%増)と、過去最大を記録した前年をかなりの程度上回る水準で推移している(表)。
一方、前述の通り、中国向け輸出は割当数量の上限に近づいている。26年1〜6月の同国向け輸出量は、各月とも前年同月を上回ったものの、7月には前年同月比47.8%減に転じており、これに伴い、牛肉輸出量全体も7月に減少に転じた(図3)。中国が導入したセーフガード措置の影響が表れ始めたものとみられる。
(調査情報部)