26年6月の豚肉生産量は前年同月比5.8%増
欧州委員会によると、2026年6月の豚肉生産量(EU27カ国)は179万6000トン(前年同月比5.8%増)となり、前年同月からやや増加した(図1、表1)。1頭当たりの枝肉重量が95.12キログラム(同0.6%減)とわずかに減少した一方、豚と畜頭数が1888万頭(同6.4%増)と前年同月をかなりの程度上回ったことが生産量の増加につながった。
また、同年上半期(1〜6月)の生産量も、と畜頭数の増加により1111万トン(前年同期比1.8%増)と増加した。
この背景として米国農務省(USDA)は、比較的安価な飼料価格と高水準の枝肉価格により25年の養豚経営の収支が好調であったため、スペイン、デンマーク、ドイツ、ポーランドなどで母豚飼養頭数が増加し、これがと畜頭数および生産量の増加につながったと分析している。
一方で、熱波による増体率の低下や、生体輸送の混乱による夏場の生産量への影響も懸念されている
(注1)。
(注1)詳しくは、海外情報「欧州の熱波および干ばつで穀物は減産、物流や飼料供給にも影響(EU)」(
https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_004422.html)をご参照ください。
26年8月の豚枝肉卸売価格は前年同月比2割安
欧州委員会によると、2026年8月の豚枝肉卸売価格(EU27カ国)は、1キログラム当たり1.60ユーロ(288円:1ユーロ=179.84円(注2)、前年同月比20.7%安)と、前年同月を大幅に下回った(図2)。
EU域内の生産量が増加していることに加え、スペインでのアフリカ豚熱(ASF)発生に伴う他国の輸入制限措置などの影響や、輸出市場における米国やブラジル産豚肉との競合による域内供給量の増加が価格低落の要因となっている。
一方、熱波による増体率の低下や、生体輸送の混乱により、一時的な供給不足が生じたことから、前月比では価格は上昇している。
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2026年9月末TTS相場。
26年7月の豚肉輸出量は前年同月比1.5%減
欧州委員会によると、2026年7月のEU域外への豚肉輸出量(EU27カ国)は、16万9271トン(前年同月比1.5%減)とわずかに減少した(表2)。国内価格の低迷とアンチダンピング課税の影響が続く中国や、スペインからの輸入を制限している日本向けの輸出は、引き続き前年同月比で大きく減少して推移している一方、韓国向けは好調を維持している。また、26年1〜7月の累計で見ると、韓国向けが大幅に増加していることに加え、豪州、米国、ベトナム、ウクライナ向けの輸出量が大きく増加している。
(調査情報部)