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インドネシアにおける最近の砂糖需給動向

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最終更新日:2010年7月1日

インドネシアにおける最近の砂糖需給動向

2010年7月

調査情報部

はじめに

 インドネシアは東南アジア最大の砂糖輸入国であり、過去10年間においては、人口増加と経済発展に伴う消費量の増加に生産が追いつかず、輸入量は増加傾向にある。
 
 輸入の大半は、世界第2位の砂糖輸出国であり、アジア諸国向けの輸出が多いタイからのものであり、同国の輸入動向は日本を含むアジア域内の需給バランスに影響を与えるとみられる。一方、インドネシア政府は、さとうきび作付面積の拡大や製糖工場の設備更新により国内生産を増やし、2014年までに砂糖自給の達成を目指している。仮にこれが実現されれば、アジア域内の需給バランスに変化が生じるとみられ、その動向が注目される。
 
 本レポートでは、LMCのレポートなどをもとに、インドネシアにおける最近の砂糖需給動向について報告する。
 
 
 

近年は消費量増加に伴い輸入量増加

 インドネシアでは、人口増加や経済発展に伴う食品・飲料分野の需要増により砂糖消費量が増加を続ける一方、生産が追い付かず、輸入量は増加傾向で推移している。
 
 2000/01インドネシア砂糖年度(4月〜翌3月)から2003/04年度の間、砂糖生産量は200万トン前後で停滞したが、この原因として、さとうきび価格の下落により栽培管理がおろそかになったこと、さとうきび生産への投資意欲の減退により新植のペースが低下したこと、また、国内価格の低迷により収益性の高いほかの作物への転換が進んだことが挙げられる。
 
 生産回復のため、政府は高収量品種導入の推進、さとうきび生産農家を対象とした低利融資制度の創設、高水準な砂糖最低価格の設定を行った。これらの対応により、2004/05年度に砂糖生産量は220万トンにまで回復し、その後も増加を続けた。しかしながら、消費量は生産量を上回るペースで増加し、2001/02年度以降でみると、2009/10年度までに消費量が46.2%増加したのに対し、生産量は31.6%増にとどまった。
 
 2009/10年度のさとうきび収穫面積は44万ヘクタール(前年度比2.3%増)とわずかに増加し、さとうきび生産量も3480万トン(同7.1%増)に増加したが、砂糖生産量は250万トン(同10.7%減)と6年ぶりの減産となった。これは、多雨による洪水発生や日照不足によりさとうきびの糖度が低下し、さとうきび1トン当たりの産糖量が71.8キログラムと、前年度の同86.1キログラムから大幅に減少したことが原因である。
 
 減産を受け、同年度の輸入量は280万トン(同3.7%増)に増加した。政府は、国内供給不足と国際砂糖価格高騰の影響による国内価格上昇への対応として、2009年10月から2010年4月までの期間、粗糖の輸入関税を1キログラム当たり550インドネシア・ルピア(6.16円:100インドネシア・ルピア=1.12円)から150インドネシア・ルピア(1.68円)、白糖の輸入関税を同790インドネシア・ルピア(8.85円)から400インドネシア・ルピア(4.48円)に一時的に引き下げ、国外からの砂糖流入に対する規制を緩和した。
 
 
 
 

政府は2014年までに自給達成を目指す

 インドネシア政府は2014年までに砂糖の自給を達成することを目標としている。この一環として、政府は2008年に砂糖の生産設備の更新に対する支援を開始した。これは、国内で製造された最新設備の導入を行う製糖工場に対し、政府が100億インドネシア・ルピア(1億1200万円)を上限に、設備導入費用の10%を補助金として工場に交付するもので、2010年も継続されるとみられる。
 
 同国には61の製糖工場があり、このうち51は国営企業、残りは民間企業により運営されているが、設備の老朽化による生産性の低さが以前から問題となっており、設備更新の進展による生産量の増加が期待される。政府はこの支援策実施のため、2兆6000億インドネシア・ルピア(291億2000万円)の基金を造成した。また、政府は、砂糖自給達成のため、新たに12の製糖工場の設立を予定している。
 
 さらに、政府は、合計で30万ヘクタールのさとうきびプランテーションを新設すると計画し、国家土地局が南東スラウェシ州、ランプン州、南スマトラ州、パプア州、西ヌサ・トゥンガラ州といった候補地の調査を行っている。
 
 しかしながら、所有権の特定に手間どるなど、土地の調査、区分けの遅れがプランテーションの新設時期に影響するとみられ、2014年までに自給を達成することは難しいとの見方も出つつある。
 

2010/11年度も輸入は引き続き増加の見込み

 2010/11年度のさとうきび収穫面積は、前年度の砂糖価格高騰の影響を受け、46万ヘクタール(前年度比4.5%増)、さとうきび生産量は3550万トン(同2.0%増)といずれも増加するとみられ、また、さとうきびの糖度も回復が見込まれることから、砂糖生産量は280万トン(同12%増)とかなり大きく増加するとみられる。
 
 消費量は580万トン(同1.8%増)に増加すると見込まれ、また前年度の期末在庫率(期末在庫/消費量×100)は8.1%に低下し、積み増しが必要と予想されることから、輸入量は300万トン(同7.1%増)に達するとみられ、このうち260万トンは粗糖、残り40万トンは白糖とされる。
 
 経済発展と人口増加による消費量の増加は今後も続くと見込まれ、当面、インドネシアは国内供給不足を補うため輸入が必要とみられる。一方、政府は砂糖自給を達成するための政策を講じており、長期的には生産量が消費量を上回る可能性もある。インドネシアがアジア域内の需給バランスに与える影響は大きく、同国の需給動向は引き続き注視が必要である。
 
資料:LMC “Monthly Sugar Report, June 2010”
   独立行政法人農畜産業振興機構「砂糖類情報」2008年2月
   USDA GAIN Report “Indonesia Sugar Annual 2010”2010/4/30
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:情報課)
Tel:03-3583-8713



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