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5. 日本の主要輸入先国の動向

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最終更新日:2010年11月4日

5. 日本の主要輸入先国の動向

2010年11月

調査情報部

 
 
 2009年における砂糖輸入量のうち、甘しゃ糖・分みつ糖(HSコード1701.11-190)が128万3443トンと全体の98.8%を占め、そのうち57.8%をタイ、27.3%を豪州、11.7%を南アフリカと、この3ヵ国で96.8%を占める。
 
 

◆タ イ◆

 
 

(1)2010年10月における生産見通し

 2010/11タイ砂糖年度(10月〜翌9月)のさとうきび収穫面積は、前年度の砂糖価格高騰により作付けが増えたことから119万ヘクタール(前年度比10.2%増)に増加するとみられるが、過去数カ月間にわたる深刻な干ばつによる単収低下の可能性が高まっていることから、LMCはさとうきび生産量を前月から430万トン下方修正し、6420万トン(同6.3%減)と予測する。
 
 7月に生産地で降雨があったものの、干ばつによる影響をどの程度軽減するか現時点では不透明であり、被害状況の把握は圧搾がピークを迎える2010年末から2011年初め頃になるとされる。さとうきび生産量の下方修正を受け、砂糖生産量は前月の予測を50万トン下回る700万トン(粗糖換算、同1.4%減)に減少するとみられる。
 
 
 
 

(2)貿易状況

 2010/11年度の砂糖消費量は250万トン(粗糖換算、前年度比4.2%増)と予測されることから、同年度の輸出量は前月から50万トン下方修正の440万トン(粗糖換算、同8.3%減)に減少するとみられる。
 
 2010年8月における粗糖・白糖輸出量は、年初の国際砂糖価格高騰時に輸出を大幅に増やした反動から、前年同月比56.6%減の17万4000トンとなった。主要輸出先はフィリピン、日本、カンボジアなどアジア諸国であった。
 
資料:LMC “Monthly Sugar Report, October 2010”
 
 
 
 

◆豪 州◆

 
 

(1)2010年10月における生産見通し

 2010/11豪州砂糖年度(4月〜翌3月)のさとうきび収穫面積は、前年度の砂糖価格高騰により作付けが増加したことから41万ヘクタール(前年度比5.1%増)とみられ、さとうきび生産量は3390万トン(同7.6%増)に増加すると予測される。
 
 砂糖生産量については、当初、さとうきびの増産により増加が見込まれていた。しかし、圧搾がピークを迎える9月に入って大雨によりさとうきび収穫の遅れが生じ、多くの製糖工場が操業を一時的に停止する事態が発生したことから、LMCは前月から30万トン下方修正し、前年度並みの450万トン(粗糖換算)と予測する。
 
 
 
 

(2)貿易状況

 砂糖生産量の下方修正を受け、2010/11年度の輸出量は340万トン(粗糖換算、前年度比3.0%増)と前月の予測を30万トン上回るとみられる。
 
 主要輸出先は日本を含むアジア諸国であり、中でも、国内需要の増加を受け輸入を増やしているインドネシア向けの比率が高まっている。
 
資料:LMC “Monthly Sugar Report, October 2010”
 
 
 
 

◆南アフリカ◆

 
 

(1)2010年10月における生産見通し

 2010/11南アフリカ砂糖年度(4月〜翌3月)のさとうきび収穫面積は、前年度の砂糖価格高騰による作付け増加を受け、30万ヘクタール(前年度比3.4%増)に増加するとみられる。
 
 しかし、LMCはさとうきび生産量について、生産の75%を占めるクワズール・ナタール州において深刻な干ばつ被害が発生した上、肥料価格の上昇による使用量の減少で単収が低下していることから、前月から60万トン減の1690万トン(同9.6%減)と予測し、2カ月連続の下方修正となった。同年度の砂糖生産量は220万トン(粗糖換算、同4.3%減)に減少し、過去15年間で最低の水準になるとみられる。
 
 
 
 

(2)貿易状況

 2010/11年度の砂糖消費量は前年度並みの180万トン(粗糖換算)と予測されることから、輸出量は50万トン(粗糖換算、前年度比37.5%減)と大幅に減少するとみられる。この大幅な減少は、減産に加え、前年度においては国際砂糖価格の高騰を受け、多くの業者が在庫を取り崩して輸出を行った反動ともみられる。
 
 2010年7月における粗糖・白糖輸出量は、前年同月比17.3%増の8万8000トンとなり、主要輸出先は日本、モザンビーク、ジンバブエであった。
 
資料:LMC “Monthly Sugar Report, October 2010”
 
 
 
 
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:情報課)
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