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インドネシアの砂糖需給動向 

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最終更新日:2010年12月2日

インドネシアの砂糖需給動向 〜アジアの主要輸入国として存在感高まる〜

2010年12月

調査情報部

はじめに

 インドネシアは国内で年間250万トンを超える砂糖を生産する一方、アジアの主要な輸入国でもあり、近年では人口増加と経済発展に伴う需要の増加に増産が追いつかず、輸入量は増加傾向にある。2010/11インドネシア砂糖年度(4月〜翌3月)においては、天候不順による生産停滞で輸入量は大幅に増加すると見込まれる。
 
 主要輸入先はタイであり、ブラジル、豪州がこれに次ぐ。タイ、豪州は我が国の主要輸入先でもあり、インドネシアの輸入増加はアジア域内における需給ひっ迫の一因ともなり得るため、同国の動向が注目される。
 
 

2009/10年度は減産となり輸入量は大幅増加

 インドネシアでは、人口増加や経済発展に伴い砂糖消費量が増加を続け、生産量も増加しているものの、需要の増加ペースに追い付かず、不足量は年々拡大している。消費の約6割は家庭用で、残りは食品・飲料など加工用が占める。不足分は輸入で補われており、輸入量は年によって増減があるものの、増加傾向で推移している。
 
 2009/10年度のさとうきび収穫面積は、コメ、とうもろこし、大豆など他作物への転換や有料道路、住宅地への転用が行われた影響を受け、42万ヘクタール(前年度比2.3%減)とわずかに減少し、さとうきび生産量は3220万トン(同0.9%減)にとどまった。砂糖生産量については、さとうきびの減産に加え、日照不足と収穫期の大雨による糖度の低下で、250万トン(粗糖換算、同13.8%減)と6年ぶりの減産となった。
 
 一方、消費量は570万トン(粗糖換算、同1.8%増)と堅調に推移したことから、輸入量は前年度から大幅に増加し、300万トン(粗糖換算、同20.0%増)を突破した。輸入に占める粗糖、白糖の比率は、従来白糖が粗糖を上回っていたが、2006/07年度に逆転し、その後も粗糖の占める割合が高まっている。
 
 2005/06年度から2009/10年度にかけて白糖輸入量は半減したのに対し、粗糖輸入量は、精糖工場の新設ならびに需要拡大を背景に120万トンから250万トンと2倍以上に増加した。2009年には新たに3基の精糖工場(合計産糖能力100万トン/年)が稼働を開始しており、粗糖の輸入需要は今後も増加が見込まれる。
 
 
 
 
 
 
 白糖小売価格は、国際砂糖価格の高騰と減産による国内需給のひっ迫で上昇を続け、2010年2月には1キログラム当たり11,202インドネシアルピア(115円:100インドネシアルピア=1.03円*注)にまで上昇し、前年同月の同7,406インドネシアルピア(76円)を大幅に上回った。
 
 政府はこの事態に対応するため、2009年10月から2010年4月までの期間、輸入関税を粗糖1キログラム当たり550インドネシアルピアから150インドネシアルピア、白糖を同790インドネシアルピアから400インドネシアルピアに引き下げた。関税引き下げによる輸入量の増加と国際砂糖価格の急落で、白糖小売価格は3月以降下落した。
 
*注:TTS相場10月最終日
 
 
 
 

2014年までの自給達成は不透明

 政府は、2014年までに砂糖自給の達成を目標としている。この一環として、政府は2008年、砂糖の生産設備の更新に対する支援を開始した。これは、最新の国産設備を導入する製糖工場に対し、100億インドネシアルピア(1億300万円)を上限に、導入費用の10%を補助金として交付するものである。同国には61の製糖工場があり、このうち51は国営企業、残りは民間企業により運営されているが、設備の老朽化による生産性の低さが以前から問題となっており、設備更新の進展による生産量の増加が期待される。このほか、新たに12の製糖工場の建設も計画されている。
 
 さらに政府は、合計で30万ヘクタールのさとうきびプランテーションを新設すると計画し、国家土地局が南東スラウェシ州、ランプン州などで候補地の調査を行っている。しかしながら、所有権の特定に手間どるなど、土地の調査、区分けの遅れがプランテーションの新設時期に影響するとみられ、2014年までに自給を達成することは難しいとの見方も出つつある。
 
 

2010/11年度の輸入量は大幅増加の見通し

 2010/11年度のさとうきび収穫面積は、前年度の砂糖価格高騰による作付け増加を受け45万ヘクタール(前年度比7.1%増)とみられる。さとうきび生産量は3390万トン(同5.3%増)と増加が見込まれるものの、収穫期の大雨で糖度が低下したことから、砂糖生産量は260万トン(粗糖換算、同4.0%増)と、当初予測を下回るとみられる。
 
 消費量は590万トン(粗糖換算、同3.5%増)に増加すると見込まれ、また前年度の期末在庫率(期末在庫/消費量×100)は7.8%と低水準であることから、輸入量は340万トン(同13.3%増)と、前年度から大幅に増加すると予測される。需給のひっ迫を反映し、白糖小売価格は7月以降再び上昇しており、9月には1キログラム当たり10,687インドネシアルピア(110円)となった。
 
 一方、主要輸入先のタイは干ばつにより輸出量は前年度並みにとどまるとみられ、豪州についても、収穫期の降雨で当初の増産予測から一転し減産が見込まれ、輸出余力は低下している。また、インドネシアのほか中国やパキスタンなどアジア諸国でも天候不順による減産や人口増加、経済発展による需要増加を背景に輸入需要が高まっていることから、アジアの需給はひっ迫した状況にあるとの見方が強まっている。
 

輸入増加でアジア需給に影響の可能性

 前述の通り、政府は砂糖自給を達成するため増産を目指した政策を講じているものの、人口増加と経済発展による需要増加はこれを上回るとみられ、当面、同国は供給不足を補うため輸入が必要と予測される。
 
 これに対して、主要輸入先のタイ、豪州については増産余地がさほど大きくないとみられる上、他のアジア諸国でも需要が堅調に増加していることから、アジアの砂糖需給はこれまで以上にひっ迫し易い状況となり、日本の輸入価格にも影響を及ぼす可能性があると考えられる。砂糖需要の約6割を輸入に頼る我が国にとっては、輸入国として存在感を増すインドネシアへの注目がますます高まるとみられる。
 
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:情報課)
Tel:03-3583-8713



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