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地域だより

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最終更新日:2011年4月7日

2011年4月

糸満市北波平で地域情報交換会を開催

那覇事務所

 平成23年3月24日(木)、糸満市北波平のほ場において、南部地区さとうきび協議会、JAおきなわさとうきび振興部南部地区対策室及び当機構那覇事務所の共催により、地域情報交換会が開催され、生産者、製糖関係者、原料員、オペレータなど120名が参加した。

 沖縄本島南部地区のようにさとうきび生産農家一戸当たりの栽培面積が小さい地域において、増産およびコスト削減を図るには、株出栽培を推進していく必要がある。株出栽培においては、株出管理の早期実施が重要な要素となっているが、その重要性を認識している農家は多くない。そこで、株出管理機の様々な機種・機能を紹介しながら株出管理の重要性を認識してもらい、株出栽培の推進を目的に株出管理機実演会を開催した。

 開会に当たっては、当機構の薄井那覇事務所長、南部地区さとうきび協議会の比屋根会長(八重瀬町町長)などの挨拶に続き、JAおきなわさとうきび振興部南部地区対策室の森田相談指導員から株出管理の重要性と南部地区において特に気をつけたい株出管理のポイントについて、【株出管理の実施】のちらし(図2)をもとに、以下のとおり説明があった。
 
 

株出管理のポイント

1 収穫直後に、さとうきびの残渣を処理すること。
 ハーベスタ収穫の場合、ほとんどの残渣は細かく細断され腐葉土になりやすいが、手刈り収穫の割合が高い地域(南部地区は手刈りの割合が9割)で、残渣が処理されずそのまま放置されているほ場は、腐葉土になりにくい。また、残渣が残ると日光を遮るため萌芽が悪くなり単収が落ちるので、残渣の処理は特に重要である。

2 根切りの後に中耕をすること。
 根切りは萌芽が良くなるので大切な作業工程だが、その後の中耕も同様に大切である。中耕をすると通気性がよくなり、根が良く張るようになるので、単収が上がる。中耕においては、株に土をかぶせないことが重要である。

3 中耕の後で、早期に除草剤をまくこと。
 雑草が成長してしまい、除草剤の規定量を超えると葉が枯れるなどして、結果的にさとうきびの成長が阻害される。

4 収穫の際に踏み固められた土壌の土を柔らかくすること。
 収穫時に機械を使用した土壌は硬くなって根が発達しにくいので、サブソイラ、ハーフソイラ、プラウなどを使用して土を柔らかくすることが重要である。
 
 

株出管理機実演会

 (株)くみき、ヤンマー沖縄(株)及び沖縄クボタ(株)の3社の担当者からさまざまな株出管理機の説明が行われた後に実演会が行われた。

 今回の実演会で紹介した株出管理機は、(1)乗用型ハンマーモア(2)株割式株出管理機(3)中耕ロータリー(4)ハーフソイラー(5)堆肥散布機(6)人力式補植機などであった。

実演会で紹介された主な株出管理機

 
 
 これらは株出栽培を普及するうえで注目されている機械であるが、(1)から(5)の機械はトラクターの後方に専用のアタッチメントを取り付けて使用する。参加者達は、機械が通過した後のほ場を確認しながら、それぞれのメーカー担当者に効果や性能、価格などを質問していた。

 南部地区さとうきび協議会によると、南部地区における株出管理機の状況については、各生産法人が所有しているほか、同協議会が複合型株出管理機、株揃え機、施肥機、堆肥散布機を所有し、生産者に貸し出しているとのことであった。現在は、株出管理機の絶対数が足りないため、さとうきび生産組合等での所有を図るよう取り組んでいるところであるが、今回の実演会を契機に、農家の方にも株出管理に関心をもってもらい、株出管理機を普及したいとのことであった。

 今回の実演会を通じて農家の株出管理に対する意識が高まり、実際に株出管理を行うことによって単収向上の効果が表われ、増産およびコストの削減につながることを期待したい。
 
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713