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地域だより

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最終更新日:2011年5月12日

2011年5月

鹿児島事務所
 

 当事務所では、平成23年度の品目別経営安定対策の交付金交付に係る事務手続きを的確かつ円滑に行うことを目的に、代理人や関係機関などを対象とした事務手続き説明会を、でん粉原料用かんしょについては平成23年4月8日(金)、甘味資源作物(さとうきび)については4月18日(月)にそれぞれ開催した。

 今回の説明会では、担当者が交付金交付等の事務を行う上での手引書や生産者向けのパンフレットなど当事務所が作成した資料に基づき、(1)品目別経営安定対策の制度の概要、(2)生産者交付金に係る事務手続き、(3)事業者交付金に係る事務手続きなどの説明を行い、併せて要件審査申請書や基幹作業実施申込書などの添付書類の記載方法、さらに機構内で検討を進めてきた事務手続きの簡素化の内容などについて周知するとともに、参集者の制度に対する意識の向上を図った。

1.事務手続き説明会(でん粉原料用かんしょ)

 平成23年4月8日(金)の午前中に工組向けへの説明(参集者は34名)を行い、午後に系統向けへの説明(参集者は36名)を行った。

 説明会では、肥後鹿児島事務所長の挨拶に引き続き、古河所長代理より品目別経営安定対策に係る制度の概要について、一丸所長補佐より生産者交付金および事業者交付金に係る事務手続きについて説明を行った。さらに、吉田特産製品課長より、国内産いもでん粉交付金交付要綱の改正などについての説明を行った。

 主な内容は、平成23年産以降の交付金交付事務に係る主な改善点および留意事項、交付金交付に係る事務手続きの流れなどのほか、要件審査申請書や基幹作業実施申込書などの各様式の記載方法に関するものであり、担当者向け手引書に基づき説明を行った。

 機構からの説明後、でん粉原料用かんしょ売渡契約書の記載方法、承継の手続き、でん粉の試料保存などに関して積極的な質疑が参集者から出された。また、説明に使用した担当者向け手引書については、HPなどからダウンロードするなど、誰もが使いやすくして欲しい旨の要望が出された。
 
 

2.事務手続き説明会(甘味資源作物)

 平成23年4月18日(月)に甘味資源作物交付金の代理人向けへの説明会を行い、参集者は28名であった。

 説明会では、肥後鹿児島事務所長の挨拶に引き続き、石井所長代理より品目別経営安定対策に係る制度の概要について、一丸所長補佐より生産者交付金に係る事務手続きについて説明を行った。

 主な内容は、平成23年産以降の交付金交付事務に係る主な改善点および留意事項、交付金交付に係る事務手続きの流れなどのほか、要件審査申請書や基幹作業実施申込書などの各様式の記載方法に関するものであり、担当者向け手引書に基づき説明を行った。

 機構からの説明後、基幹作業に係る委託先が複数になる場合、これに伴う事務手続きが煩雑化するとの報告や、基幹作業実施申込書に収入印紙の貼付の必要性を問う意見が出された。
 
 

3.まとめ

 今回の説明会においては、平成23年産から交付金交付に係る事務手続きの簡素化・効率化を図った点を中心に、事務手続きの流れを説明した。各説明会の最後に、品目別経営安定対策や交付金交付手続きの内容を生産者が理解することにより、平成23年産要件審査申請や交付金交付申請の手続きを的確かつ円滑に実施していただくことをお願いして説明会を終了した。

 当事務所では、関係者の制度や事務手続きに対するより一層の理解の向上を図るため、このような事務手続き説明会を毎年、開催することとしている。

鹿児島事務所
 

 当事務所は、平成23年4月27日(水)に、平成23年度の情報業務を実施するにあたり、管内における情報ニーズの明確化、情報精度の向上を図るため、第一回地域情報交換会を開催した。

 今回の会議には、鹿児島県、鹿児島県農業協同組合中央会、鹿児島県経済農業協同組合連合会、鹿児島県澱粉協同組合連合会、精製糖製造事業者、異性化糖製造事業者、甘蔗糖製造事業者、消費生活や農業関係の有識者など11名が参集した。まず、肥後鹿児島事務所長の挨拶に引き続き、平成23年度の情報業務の重点テーマ、分野別テーマ、鹿児島事務所の砂糖及びでん粉の情報業務実施計画案について説明した後、各出席者から情報業務に対する意見要望について聴取するとともに、最近の関係者の活動状況について情報交換を行った。 
 
 
 情報業務に対する主な意見、要望として、砂糖類情報やでん粉情報に関しては、(1)同じ機構が発行する情報誌だが表紙のデザインが異なり違和感があるものの、内容は以前より読みやすくなった。(2)情報誌は生産者側の情報にならざるを得ないと思うが、ホームページではユーザー側の情報や一般消費者向けの情報を充実して欲しい。(3)ホームページでは、一般消費者向けの情報や東日本大震災に係る情報もタイムリーに公表しており充実していると思うが、一般消費者からアクセスを増やせる工夫が必要ではないか、(4)ホームページから統計資料をダウンロードできるので活用しやすくなった、(5)砂糖やでん粉は、身近な食材であることが意外に知られていなのでもっとPRして欲しいとの要望も出された。

 また、出席者間の情報交換では、(1)平成22年産のさとうきびの収穫見込み数量722千トンと収穫実績642千トンは大きな乖離があるが、乖離した要因分析が必要(2)いわゆる特例要件がなくなったが、さとうきびとでん粉原料用かんしょ生産者の担い手育成のための細かな情報を提供して欲しい(3)受託組織を中心に機械化一貫体系の推進が大きな課題だが、行政側の予算が厳しいなかでコスト低減を図るためには、機械の機能向上や機械をできるだけ長期間使用することが必要。(4)5月17日に地元メディアが「砂糖と健康セミナー」を開催予定、などの情報も寄せられた。

 当事務所としても、砂糖・でん粉については、正しい知識を広く一般消費者にPRしつつ、品目別経営安定対策の重要性を地域に周知することが重要であること、今後も関係者のニーズに沿った情報業務に努めることとし、出席者の皆様へ更なる連携をお願いして会議を終了した。
 
 

那覇事務所
 

 沖縄県では、生産技術および経営改善の面で創意工夫し、高単収・高品質な生産をあげたさとうきび農家を表彰し、農家の生産意欲を喚起して沖縄糖業発展の一助とするため、社団法人沖縄県糖業振興協会の主催で毎年さとうきび競作会が行われている。35回目となる今年は、平成23年4月21日に那覇市内で表彰式が開催された。

1 記念講演

 表彰式に先立ち、さとうきびの日(毎年4月の第4日曜日)関連行事として、昨年度の競作会で農林水産大臣賞、農林水産祭において沖縄県で初めて内閣総理大臣賞を受賞した川満長英氏から「私のさとうきび栽培」と題して、下大豆を利用した土作りによる栽培方法を、また、沖縄県農業研究センターの伊禮信氏から「さとうきび新品種育成への取り組みとその結果」と題して、新品種育成について、それぞれ記念講演が行われた。
 
 

2 競作会における表彰者の選考方法

 競作会では、農家の部と多量生産の部の二部門において、優良農家を表彰する。農家の部では、各市町村で予備審査を行い、成績の優れた生産者を沖縄本島北部、中部、南部、宮古、八重山の5地区の優良事例調査委員会に推薦する。同調査委員会は、推薦された生産者についてさらに予備調査を行い、各地区から2名以内を沖縄県さとうきび優良事例調査委員会に推薦する。県調査委員会は、最終調査となる全刈審査などを行い、優良農家を決定する。

 多量生産の部では、生産量で地域糖業に貢献しているとして各製糖工場から推薦を受けた農家と生産法人について、生産量、品質、工場搬入シェアを加味した貢献度から上位2者を選出し、専門委員会による面接・審議の結果、一般農家の部、生産法人の部における順位を決定する。

3 受賞者の紹介

  以下、同競作会において表彰された代表的な受賞者を紹介する。

≪農家の部≫
(1) 栽培品種 
(2) 作型 
(3) 庶茎重量 
(4) 甘しゃ糖度 
(5) 栽培面積

*(3)庶茎重量の( )内は地域の21/22年産平均・・・沖縄県農林水産部調べ


○沖縄県第一位(農林水産大臣賞)
  伊敷 四郎氏(南部地区代表 糸満市)

(1) 農林21号
(2) 春植え
(3) 13,140kg/10a(5,688kg/10a)
(4) 15.6度
(5) 114 a
 
 
植え付け前の出来るだけ早い時期に深耕作業することにより土壌の風化を促し、その後牛糞堆肥やフィルターケーキを十分に施用し土づくりを行っている。農林21号の発芽率を高めるため、梢頭部苗の斜め挿しで植え付けを行い、定期的に散水し、苗の周りを1本1本爪先でしっかり踏んで苗と土を密着させるなど園芸作のようなきめ細かい作業を行っている。また、除草剤を使用せず手作業で除草し、枯死茎や鼠害茎を出さず品質を高めるために剥葉をこまめに行っている。


○沖縄県第二位(農林水産省生産局長賞)   
  比嘉 正行氏(南部地区代表 那覇市)

(1) 農林21号
(2) 夏植え
(3) 18,868 kg/10a(11,266kg/10a)
(4) 15.9度
(5) 100 a
 元々雑草(特にヒイラギヤブガラシ)の発生により耕作放棄となったほ場を借り受けた。雑草防除を想定し畦幅を広くして小型トラクタで中耕除草を2回行い、その後、除草剤の適正使用によりヒイラギヤブガラシの発生を完全に抑えている。また、補植の徹底とかん水を適宜行うことや、野そ防除を行っている。


○沖縄県第三位(沖縄県知事賞) 
  勝連 栄一氏(宮古地区代表 宮古島市)

(1) 農林21号
(2) 夏植え
(3) 20,580 kg/10a(9,701kg/10a)
(4) 13.9度
(5) 400 a
 
 
 緑肥などを利用した土づくりを積極的に行うとともに、「さとうきび栽培指針」を遵守し、植え付け後の肥培管理(除草、病害虫防除)などを徹底して行っている。また植え付け後1カ月をめどに、株間における茎数増及び株揃えを狙った耕転機ロータリーによる軽い株切りを行うことで分げつを促進し、茎数増による増収を図っている。


 ≪多量生産の部≫

(1) さとうきび生産量  
(2) 収穫面積  
(3) 甘しゃ糖度             


○一般農家の部 沖縄県第一位(農畜産業振興機構理事長賞)
  嘉手苅 守氏(石垣市)

(1) 1,399,810kg
(2) 11ha
(3) 12.87度
 借地の確保が困難な中、11haの収穫面積のうち8割は借地であり、特に最近では傾斜地や石が多いなど条件の悪い土地を自力で基盤整備を行い、さとうきび作りに励んでいる。専用の苗ほ場での2段階の苗作り、植え付け前の深耕、植え付け後のかん水の徹底のほか、広大な土地にもかかわらず背負い式散布機による除草剤散布を行うなど、きめ細かい管理を行っている。


○生産法人の部 沖縄県第一位(農畜産業振興機構理事長賞)
  農業生産法人(株)たから

(1) 727,600kg
(2) 16.03ha
(3) 14.14度 
 代表者の高良武男さんと構成員の2人を中心に約16haのほ場を収穫している。会社は畜産部門も経営しているので、自家製堆肥の施用や農業機械の有効活用など複合経営の利点を活かしている。植え付け方法は独特であり、全茎式プランターを一部利用して、苗は裁断せず全茎のまま植溝へ投下し、後続の作業員がなたで切断していく。その後、畜産用のグローブで覆土し、車輪で転圧している。

 補植についても、自己開発した小型トラクタ用管理機で株を割りそこへ苗を挿していくなど、絶えず新しい技術を求める研究熱心な一面もある。


 このほかにも地域でのさとうきび栽培が優良と認められた奨励農家4名、長年にわたるさとうきび生産と地域の指導者として尽力されてきた農家7名(特別表彰)が、それぞれ表彰された。

 表彰式では、表彰者のみならず、地域の関係者が喜びを分かち合っている姿が印象的だった。同じ地域の生産者がこのような場で表彰されることは、表彰者のみならず、その地域でさとうきびに関わる関係者一同の大きな活力になるに違いない。表彰された生産者の方々は、今後も地域或いは沖縄県のさとうきび生産に大いに貢献されることと思われる。

 今後も、このさとうきび競作会が、さとうきび生産者の目標となることを期待したい。

那覇事務所
 

 沖縄県と黒糖を生産する市町村などで構成する沖縄県含みつ糖対策協議会(会長、県農林水産部長)は、景気低迷等による影響で黒糖消費が減少し、大量の在庫を抱えるなど各含みつ糖工場の経営が厳しい環境にあったことから、昨年、5月10日を「黒糖の日」(5こく10とう)と制定し、製糖後の作りたての黒糖が本格的に出回る時期にあたる5月10日(黒糖の日)から9月6日(黒の(くろ)日)までを販売促進強化期間として、生産者の意識高揚と消費者への沖縄県黒糖の販売促進に向けて、パネル展示や販売促進活動を実施することとしている。

 今回の黒糖の消費拡大イベントは、「黒糖の日」である5月10日に多くの買い物客が集まる那覇市の大型ショッピングセンターで開催され、黒糖をテーマとしたラジオの生放送も行われた。

 イベント開催に当たりセレモニーが行われ、主催者から「黒糖は古くから沖縄の経済・文化発展に貢献しており、お茶請けや料理で県民に親しまれてきた。また、ミネラルやビタミンが豊富で健康食材として注目を集めている。沖縄ブランドを全国に発信し、消費拡大につなげたい。」との挨拶があった。その他、生産地、生産団体、製糖事業者の代表からそれぞれ消費拡大に向けたアピールが行われた。

 会場では、かち割り黒糖の無料配布や伊平屋島、粟国島、多良間島、小浜島、西表島、波照間島、与那国島の七つの島の黒糖の展示販売がされた。また、ラジオの生放送のなかで、黒糖の魅力などについてのトークや黒糖を使った料理、冬瓜の黒蜜和えなどの実演会が行われ、黒糖の消費を呼びかけた。買い物客は、試食の黒糖レシピの料理を美味しそうに食べたり、各島の黒糖の風味を味わいながら、好みの黒糖を購入したりしていた。
 同協議会では、今回のイベントのほか、5月から9月までを黒糖消費拡大キャンペーン期間とし、(1)県庁舎ホールなど等での黒糖に関するパネル展示、(2)ファーマーズマーケットなど等での販売促進、(3)産地の市町村など等でのイベントや観光地など等での試食黒糖の配布、(4)海外への販路拡大などの取組を行う予定である。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713