砂糖 砂糖分野の各種業務の情報、情報誌「砂糖類情報」の記事、統計資料など

ホーム > 砂糖 > ユーザーから  > ソフトクリームと砂糖

ソフトクリームと砂糖

印刷ページ

最終更新日:2011年6月10日

ソフトクリームと砂糖

2011年6月

日本ソフトクリーム協議会
 

はじめに

 今年は、ソフトクリームが日本に紹介されてからちょうど60周年です。
 ソフトクリームという呼び名は、日本で付けられました。
 ですから、ソフトクリームにとって今年が60回目のお誕生日と言えます。
 ここでは、皆さんに、お召し上がりいただいている「ソフトクリームとお砂糖」の切っても切れない重要な関係について、ご紹介させていただきます。
 
 

「ソフトクリームの歴史と特徴について」

 日本におけるソフトクリームの歴史から、お話しを始めさせていただきます。

 今からちょうど60年前の1951年7月3日、当時日本に進駐していた米国の軍隊が明治神宮外苑で開催したカーニバルで、初めて一般の人々がソフトクリームを食べたとされています。

 当時の日本は、米国を中心とする連合国との戦争に負けた後、ようやく復興機運の盛り上がりが広まってきた頃で、その後数カ月で、日本各地の百貨店の大食堂などで、ソフトクリームが売られるようになりました。そんなことから、ご高齢の方々は、ソフトクリームと言うとデパート(百貨店)には、なくてはならないものとおっしゃる方もいらっしゃいます。
 
 
 
 
 ソフトクリームと言えば今では皆さんもよくご存知で、店頭で注文に応じて、その場でコーンカップに、ぐるぐるっと渦巻き状に盛り付けてくれる、「冷たく」て、「甘く」て、何より「滑らかな食感」が魅力のアイスクリームの事ですが、他のアイスクリームと「何が一番違う」とお考えでしょうか?、

・ぐるぐるっと渦巻き状に盛り付けられた形?、いいえ。
・コーンカップに盛られている事?、いいえ。
・ソフトだから、やわらかい事?、いいえ。

 それらも大切な要素ではありますが、一番の特徴ではありません。

 もうお分かりですね、そうです、ソフトクリームの一番の特徴は、毎日お店でつくられていて、「出来立てを食べていただけるアイスクリーム」なのです。

 多くのアイスクリームは、工場で造られ、保管、輸送され店頭に陳列保管されていますが、ソフトクリームは専用の「フリーザー」と言う機械を使って、お店ごとに工夫をこらしたりもした原料を、機械の中で攪拌しながら冷却して、約−5度〜−7度に凍結させて作られます。言わばソフトクリーム屋さんは、「出来立てを売る街の小さなアイスクリーム工場」なのです。

「ソフトクリームの原料はどういう物が使われているの?」

 現在では、ソフトクリームの原料は「ミックス=MIX」と呼ばれ、大手乳業メーカーを始め各社が厳選された原材料を使用して、調合、殺菌を行い無菌状態で紙やアルミなどを何層にも使用した衛生的なパック(容器)に入れられ、お店に届けられています。

 そしてお店では、殺菌機能を持った「フリーザー」を使って、毎日機器や原料の殺菌が行われ、定期的に衛生検査を行うなどして、衛生的に作られています。

 一般的に「ミックス」が、ソフトクリームとして出来上がるためには、一定量(約25〜35%)の固形成分が必要です。また、−5〜−7℃でおいしく食べていただくために、甘さ(質、強さ)と固形成分のバランスを取る必要があり、生乳や生クリームなど乳製品の他にグラニュー糖などの糖類が必要かつ欠くべからざる物として必ず使用されています。

 多くの場合、砂糖と水飴類を併用していますがその理由として、ソフトクリームが凍結していても、滑らかな食感を保てるように、乳製品や時にフルーツなどの風味の特徴を活かしながら、喫食温度で程良く固まる凝固点の調整をする効果も期待されるからです。

 ソフトクリームが出来上がる上で、糖類は「甘さ」だけではなく、「滑らかな食感」を作り出すために、大変重要な役目を担っています。
 
 
 
 
 
 

「コーンカップにも、お砂糖は使われています」

 ソフトクリームと聞いて皆さんが、思い浮かべる特徴の一つとして、コーンカップに盛りつけられた姿を思い浮かべられると思います。コーンカップの種類として大きく分けて二つの種類があり、一つは「シュガーコーン系」と呼ばれるお砂糖を20〜30%程度含んだタイプと、「ケーキコーン系」と呼ばれるお砂糖を0〜10%程度含んだタイプのコーンカップがあります。このようにコーンカップにもお砂糖は使われています。特にコーンカップの起源の原型に一番近いとされるシュガーコーン系のワッフルコーンには、その名のとおり欠くことが出来ない原料として、お砂糖が使用されています。

「コーンカップの原型に一番近い?、コーンカップの起源?、」

 一般的にアイスクリームなどを盛りつける「コーンカップの起源」について、もう少しお話しをさせていただきます。皆さんがコーンカップと聞くと、とうもろこしのコーンを想像されるかも知れませんが、コーンカップの主原料は小麦粉です。コーンとは英語で「CONE」と書いて円錐形を意味しています。したがってコーンカップは「円錐形の容器」と言えます。

 このコーンカップの誕生には、一つの逸話があります。ソフトクリームが日本に紹介される50年近くも前の1904年に開催されたセントルイスの万国博覧会で、薄型のワッフルを焼いていたお店の人が、隣のアイスクリーム屋さんで、アイスクリームを盛りつけるのに使っていたお皿が無くなった際に、焼き立てのワッフルを円錐状に巻いて、その上にアイスクリームを盛りつける事を考え出し、容器まで美味しく食べられると大好評を得たのが、コーンカップの起源と言われています。この時、提供されたコーンカップの形状は、今でもワッフルコーンと言われ、アイスクリームやソフトクリームを美味しく食べるための可食容器として、多くのメニューに採用されています。
 
 

「ソフトクリームの今後について」

 ソフトクリームは、日本に紹介された当時は、専用の「フリーザー」も高価で、誰でも簡単には導入ができず、「街の小さなアイスクリーム工場」として製造販売という製造工程の衛生面などの技術的な要素もあり、簡単には販売もできませんでしたが、原料や機器に改良がなされ、当時に比べて、比較的容易に、しかも安全な販売が可能になってまいりました。

 そのような事もあり、今では、日本各地の観光地などでは「ご当地ソフトクリーム」として、数え切れないほどの種類のソフトクリームが販売されています。

 毎年、数々の種類のソフトクリームが開発されておりますが、その特徴である「冷たくて」「甘くて」「滑らかな食感」のためには、いつの時代になっても、お砂糖は欠くべからざる物で在ることに、変わりはないと思います。
 
 
 
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713