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4. 世界の需給に影響を与える諸国の動向

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最終更新日:2012年1月10日

4. 世界の需給に影響を与える諸国の動向

2012年1月

調査情報部

ブラジル

 
 

(1)2011年12月における生産見通し

〜砂糖生産量の予測値は、前年度比4.9%減少と依然、低調の見通し〜

 2011/12ブラジル砂糖年度(4月〜翌3月)のさとうきびの収穫面積は、前年度並みの780万ヘクタール、単収は1ヘクタール当たり71.0トン(前年度比10.2%減)と見込まれ、生産量は5億5700万トン(同10.1%減)と前年度をかなりの程度下回ると見込まれる。また、砂糖の生産量は3870万トン(同4.9%減)と前年度を下回ると見込まれる。砂糖の生産量は収穫期後半における気象条件に恵まれたため、前月の予測から30万トン上方修正された。

 また、11月29日のブラジルさとうきび産業協会(UNICA)の発表によると、310ある製糖工場のうち、11月中旬時点で151の工場が生産を続けていたが、原料のさとうきびの不足により、11月末時点には大半の工場が操業を終了するものとみられる。

 12月1日の同発表によると、主産地である中南部における2011/12年度(4月〜11月)の生産量は、さとうきび4億8850万トン(前年同期比10.2%減)、砂糖3100万トン(同6.2%減)、エタノール203億7660リットル(同17.7%減)といずれも前年度に比べ減少となった。
 
 

(2)貿易状況

〜砂糖減産により、輸出量は前年度比10.2%減の見込み〜

 2011/12年度における砂糖の消費量は1270万トン(粗糖換算、前年度比1.9%増)と前年度からわずかに増加する見通しである。また、砂糖輸出量は2600万トン(粗糖換算、同10.2%減)と前年度に比べかなりの程度減少すると予測される。

 11月の砂糖輸出量は前月並みで、前年同月(310万トン)より20.1%減の250万トンとなった。主要輸出先は、中国、エジプトおよびサウジアラビアなどであり、中国向けは前月(42万8000トン)より36.2%減少し、27万3000トンとなった。サウジアラビア向けは前月(6万6000トン)より160%増加し、17万2000トンとなった。

資料:LMC“Monthly Sugar Report, December 2011” ブラジルさとうきび産業協会(UNICA)プレスリリース(2011/11/29、12/1)
 
 
 
 

インド

 
 

(1)2011年12月における生産見通し

〜さとうきびの良好な生育により、砂糖生産量は2750万トンに増える見込み〜

 2011/12インド砂糖年度(10月〜翌9月)のさとうきびの収穫は始まっており、収穫面積は510万ヘクタール(前年度比5.9%増)と予測される。インド全土において、今年のモンスーン期の降雨量は過去50年間の平均(長期平均)並みとなったため、さとうきびの単収は前年度と同水準となる見通しである。この結果、さとうきび生産量は収穫面積の増により前年度を上回る3億5350万トン(同6.5%増)となる見込みである。

 圧搾の開始は、主産地のマハーラーシュトラ州とウッタル・プラデーシュ州の両州で遅れている。これは、生産者と製糖工場間でさとうきび価格の交渉が難航したためである。生産者は、生産コストの上昇を反映して、価格の引き上げを要求。製糖工場側は、現状の国内砂糖価格水準では製造コスト割れとなり生産者への支払いが困難になると、引き上げには反発している。マハーラーシュトラ州では、砂糖生産が製糖開始の遅延により11月末までに90万トン(前年同期比6%減)にとどまっている。このため、製糖作業は、2012年の雨季に入るまでに完了できない可能性がある。

 ウッタル・プラデーシュ州では、製糖作業がSAP(州政府勧告価格)の公表後に開始された。今回公表されたSAPは、前年度より5〜20%上昇したため、製糖業界は、SAPを決定した州政府への反発を強めている。このため、11月末の段階でも、交渉が妥結に至らず半数近くの工場が製糖を開始していない。このまま工場から代金支払いの遅延が続くと、生産者もさとうきびをより換金性の高いグル注1へ仕向ける可能性がある。さらに、同州では2012年、州知事選挙が控えており、選挙期間中に禁酒令が発行されることから、選挙前にアルコールの消費量の増加が見込まれる。このため、アルコール製造原料となるグルへの仕向けがさらに進む可能性がある。

 以上のように2011/12年度の砂糖生産には様々な不安材料が指摘されるが、現時点で砂糖生産量は前年度を上回る2750万トン(粗糖換算、同5.2%増)と予測される。

注1:遠心分離機を使わず、オープンパン(釜炊き)でさとうきびの搾汁を煮詰め、固形状もしくは板状にした砂糖
 
 

(2)貿易状況

〜2011/12年度の輸出量は200万トン超の見込み〜

 2011/12年度の砂糖消費量は、2500万トン(粗糖換算、前年度比7.0%増)と、2009/10年度と同水準まで回復すると予測される。製糖業界は生産余剰による国内価格のさらなる下落を回避するために、政府に対して、OGL方式注2による国産原料由来の砂糖の輸出を認めるよう要請してきた。これに応えて、政府は11月22日、同方式による100万トンの輸出を許可したが、今後の追加輸出の許可には慎重な対応をとるとみられる。製糖工場が生産者にさとうきび代金を遅滞なく支払うためには、輸出増により利益を確保する必要がある。来年行われる予定のウッタル・プラデーシュ州の州知事選では、支払いの遅延が選挙戦の争点になる可能性も出ている。

 一方で、政府は、生産者へのさとうきび代金の支払い遅延が生産意欲の減退を引き起こすことから、2012/13年度には作付面積が減少に転ずると見込んでいる。このため、輸出を制限することで、十分な在庫を確保しつつ、インフレ対策を行う必要もある。こうした状況から在庫量の積み増しを考慮すると、2011/12年度の輸出量は220万トン(粗糖換算、前年度比28.7%減)に減少するものと予測される。

 一方、輸入に関しては、白糖および粗糖を対象とした免税措置は2011年11月末を期限としていたが、2012年3月末までの延長が決定された。この措置は、国内砂糖価格の上昇を抑制するために2009年に導入され、数次にわたり期限が延長されている。

注2:OGL(Open General License)とは、登録を行った業者に対し、手続きを簡素化するために、包括的に輸出を許可する制度。
資料:LMC “Monthly Sugar Report, December 2011”
 
 

中国

 
 

(1)2011年12月における生産見通し

〜砂糖生産量は1300万トンと前年度比14.8%増の見込み〜

 てん菜糖の生産は、10月下旬に開始された。2010/11年度は春の低温で作付けに遅れが生じ、ショ糖の含有量も伸び悩んだが、2011/12年度は作付面積が前年度に比べ16%増加したことに加え、てん菜主産地の天候がこれまで良好に推移しているため、生産量は958万トンと前年比39.8%増と見込まれる。

 一方、甘しゃ糖の生産は、11月下旬に開始された。さとうきび主産地の広西チワン族自治区では、栽培初期の日照不足と低温や生長期の降雨不足が影響して、さとうきびの生産量が前年度を下回るとみられる。10月に台風が接近し、降雨不足が多少軽減されたが、今後の作柄の回復状況を注視する必要がある。その他の生産地である雲南省や広東省の一部、海南島では作付面積拡大のため、生産量は増加し、中国全体でさとうきびの生産量は前年比12.1%増の9050万トンと見込まれる。

 砂糖生産量は、前年比14.8%増の1300万トンと予測されているが、消費量1490万トンを下回るため、依然、需給ひっ迫が続くものと考えられる。
 
 

(2)貿易状況

〜10月輸入量、前年同月比33.3%増の33.7万トン〜

 2008/09年度以降、国内の消費量が生産量を上回り、輸入量は2008年度以降、前年度を上回って推移し、2011/12年度も前年比42.3%増の313.4万トンと見込まれている。

 10月における粗糖・白糖輸入量は前年同月比33.3%増の33.7万トンとなり、前月より減少したが依然高水準にある。主な輸入先は、ブラジル(31.9万トン)、韓国(1.5万トン)であった。

資料:LMC “Monthly Sugar Report, December 2011”
 
 
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
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