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4. 世界の需給に影響を与える諸国の動向

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最終更新日:2012年2月10日

4. 世界の需給に影響を与える諸国の動向

2012年2月

調査情報部

ブラジル

 
 

(1)2012年1月における生産見通し

〜砂糖生産量の予測値は、前年度比4.4%減少と依然、低調の見通し〜

 2011/12ブラジル砂糖年度(4月〜翌3月)のさとうきびの生産量は、5億5900万トン(前年度比9.8%減)と、前年度をかなりの程度下回ると見込まれる。これは、さとうきびの収穫面積が前年度並みの780万ヘクタールとなるものの、単収が1ヘクタール当たり71.2トン(同10.0%減)と前年度をかなり下回ると見込まれるためである。さとうきびの減産が響き、砂糖の生産量は3890万トン(同4.4%減)と前年度を下回る見通しである。

 主産地である中南部における2011/12年度の砂糖生産は、ほぼ終了した。乾燥した気候の影響で、10月および11月初旬のさとうきび生産量は当初予測より微増したものの、前年度の生産量には達しなかった。ブラジル食糧供給公社(CONAB)によると、2011/12年度のさとうきびの減産要因は、2010年4〜10月および2011年5月の中南部での乾燥や、その後の降霜に加え、さとうきびの過度の出穂によって、ここ数年で最も単収が低下したことである。

 単収低下のその他の要因としては、2008/09年度の金融危機の影響によるさとうきび生産者の資金難に加えて、天候不順によって適期に新植が行えず、株出栽培の割合が増加したこともある。さとうきびは、通常第2〜3回目の株出時の品質が最も高く、5回目の株出後に新植が行われる。ただ、現在、10回以上の株出しが行われているほ場も少なくない状況である。

 1月16日のブラジルさとうきび産業協会(UNICA)の発表によると、1月1日時点で、中南部における2011年4月からのさとうきび圧搾量は4億9200万トン(前年同期比11.4%減)とした。ほとんどの製糖工場が12月末までに操業を終了したため、1月1日時点での圧搾量が実質的に2011/12年度の最終的な数字となる見込みである。また、12月31日までのATR(さとうきび1トン当たりの回収糖分)は137.65キログラム(前年同期比2.1%減)となった。

 LMC社によると、2012/13年度の中南部における生産予測は、天候次第であるが、株出しを重ねたさとうきびによる単収低下に加え、2012年前半に行われる株の新植は収穫に間に合わないことから、5億1000万トン〜5億2000万トンと、前年度と比べ増加するものの、前々年度に比べると減産となる。
 
 

(2)貿易状況

〜砂糖減産により、輸出量は前年度比9.8%減の見込み〜

 2011/12年度における砂糖の消費量は、1270万トン(粗糖換算、前年度比1.9%増)と、前年度からわずかに増加する見通しである。また、砂糖輸出量は2620万トン(粗糖換算、同9.8%減)と前年度に比べかなりの程度減少すると予測される。

 12月の砂糖輸出量は、前月(250万トン)より26.2%減、前年同月(200万トン)より6.7%減の180万トンとなった。2011/12年度の輸出先上位国は、12月時点で、ロシア、中国、次いでエジプトとなっているが、12月は、さとうきびの収穫の始まった中国向け輸出は無かった。

資料:LMC“Monthly Sugar Report, January 2012”
    ブラジルさとうきび産業協会(UNICA)プレスリリース(2012/1/16)
    ブラジル食糧供給公社(CONAB)2011年12月第3回調査
 
 
 
 

インド

 
 

(1)2012年1月における生産見通し

〜砂糖生産量は前年度比5.2%増の2750万トンとなる見込み〜

 2011/12インド砂糖年度(10月〜翌9月)のさとうきびの収穫は始まり、収穫面積は510万ヘクタール(前年度比5.7%増)と予測される。インド全土において、今年度のモンスーン期の降雨量は過去50年間の平均(長期平均)並みとなったため、さとうきびの単収は前年度と同水準となる見通しである。このため、さとうきび生産量は前年度を上回る3億5450万トン(同6.8%増)となる見込みである。

 最大産地のマハーラーシュトラ州では、モンスーン期後半に降雨量が回復したものの、前半に降雨が不足した影響で、さとうきびの単収が低下している。さらに、同州では生産者と製糖工場間でさとうきび価格の交渉が難航し、製糖開始が遅れた。しかし、本格的な工場稼働とともに歩留まりが向上したこともあり、砂糖生産量は昨年12月末時点で、275万トン(前年同期比19%増、白糖換算)となり、前年度を上回るペースで製糖が進んでいる。

 一方、ウッタル・プラデーシュ州では、SAP(州政府勧告価格)の公表後に製糖作業が開始された。今回設定されたSAPは、前年度の価格を15〜20%上回るものであり、製糖業界は、州政府への反発を強めている。このため、工場間で製糖開始時期にばらつきがみられたが、その後は大幅に生産量が増加し、12月15日時点で129万トン(同50%増、白糖換算)に達した。この背景には、政府が工場に対して製糖開始を早めるよう要請したことに加え、SAPを高く設定したことでグル注1向けのさとうきびが砂糖向けに流れてきたことがある。しかし、インドでは砂糖の国内価格が下落しているため、今後、工場側の資金繰りが悪化し、生産者に対してさとうきび代金の支払いが遅延するおそれがある。その場合、生産者もさとうきびをより換金性の高いグルへ仕向ける可能性がある。さらに、同州では今年2月に州知事選挙を控えており、選挙期間中に禁酒令が発行されることから、選挙前のアルコール消費量の増加が見込まれる。このため、アルコール製造原料となるグルへの仕向けがさらに進む可能性もある。

 インド国内では、1月15日現在、砂糖生産量は1045万トン(前年同期比17.3%増、白糖換算)と、前年度を上回るペースで製糖されている。最終的に2011/12年度は2750万トン(前年度比5.2%増、粗糖換算)に達すると予測される。ただし、前述のように主産地のマハーラーシュトラ州とウッタル・プラデーシュ州の両州が砂糖生産の諸問題を抱えているため、砂糖生産量は今後、下方修正される可能性もある。

注1:遠心分離機を使わず、オープンパン(釜炊き)でさとうきびの搾汁を煮詰め、固形状もしくは板状にした砂糖
 
 

(2)貿易状況

〜輸出量は前年度比28.7%減の220万トンにとどまる見通し〜

 2011/12年度の砂糖消費量は、2500万トン(前年度比7.0%増、粗糖換算)と、2009/10年度と同水準まで回復すると予測される。輸出は、昨年11月、OGL方式注2による国産原料由来の砂糖について100万トンが政府に許可された。しかし、申請期間中の国際相場が軟調に推移したため、製糖業者からの申請は鈍化し、1月3日までの輸出許可は36万トンにとどまっている。製糖業界は、国内価格が下落基調にある中、輸出によって利益を確保する意向が強く、政府に対して1月末までの申請期間の延長を求めるとともに、同方式による輸出枠の拡大を要請している。同方式による追加輸出の是非については、2月の閣僚会議で検討される。

 このような状況の中、資金力に乏しい一部の製糖業者は、生産者にさとうきび代金を遅滞なく支払うために、国内で砂糖を投げ売っている。今後、さらに多くの製糖業者の資金繰りが悪化し、生産者への支払いが十分になされなければ、2012/13年度からさとうきび作付面積は減少する懸念がある。このため、政府は、2012/13年度以降、国内供給量が不足するとみており、十分な在庫を確保するため、輸出に積極的ではない。こうした状況を鑑み、2011/12年度の輸出量は220万トン(同28.7%減、粗糖換算)にとどまると予測される。

 一方、輸入に関しては、白糖および粗糖を対象とした免税措置が今年の3月末まで認められている。

注2:OGL(Open General License)とは、登録を行った業者に対し、手続きを簡素化するために、包括的に輸出を許可する制度。 資料:LMC “Monthly Sugar Report , January 2012”
 
 

中国

 
 

(1)2012年1月における生産見通し

〜製糖開始2カ月の甘しゃ糖生産量、前年同期比54.1%減で低調〜

 中国砂糖協会によると、2011/12年度(10〜翌9月)のてん菜生産量は、作付面積や単収の増加により958万トン(前年度比39.8%増)と大幅に増加することが見込まれている。

 てん菜増産を背景に、てん菜糖の生産は好調である。10〜11月の2カ月で、てん菜糖生産量は、前年同期比21%増の47.9万トンと増産となった。今年度のてん菜糖生産量は、前年度から約4割増しの120万トンに達すると見込まれており、今後も生産量は伸びるものとみられる。

 甘しゃ糖の生産は、例年に比べ遅延している。これは、主生産地の1つである広西チワン族自治区で、秋季の乾燥によるさとうきびの生長が遅れと、11月以降気温の低下が遅れたことにより、ショ糖含有量が上昇しなかったことが原因である。10〜11月の2カ月の甘しゃ糖生産量は、前年同期比54.1%減の14.1万トンと大きく減産となった。

 今年度のさとうきび生産量は、単収増加で前年度比12.1%増の9050万トンと増産が見込まれるものの、甘しゃ糖生産量は、ショ糖含有量が例年より低水準であるため、同7.7%増の1120万トンにとどまるものとみられる。この結果、砂糖生産量は、前年比10%増の1240万トンと予測される。
 
 

(2)貿易状況

〜11月輸入量、前年同月の18倍〜

 2011/12年度の砂糖消費量は1490万トンと見込まれ、依然、需給ひっ迫が続くものと考えられる。需給がひっ迫するため、粗糖・白糖輸入量は前年度比53.2%増で340万トンと大幅な増加が見込まれる。2011年10〜11月の粗糖・白糖輸入量は、75.5万トンと前年同期の2.7倍となった。2011年10月の主な輸入先は、ブラジル(39.0万トン)、韓国(2.1万トン)であった。

資料:LMC “Monthly Sugar Report, January 2012”
 
 
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