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てん菜栽培作業受託の取り組み

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最終更新日:2012年3月9日

てん菜栽培作業受託の取り組み

2012年3月

湧別小型運送株式会社 専務取締役 伊藤 勉
 

【はじめに】

 オホーツク海沿岸の町、湧別町は漁業、酪農、農業を基幹産業とする町です。冷涼な気候の下、酪農家は飼料作物と、安定して高収入の見込めるてん菜との交互作を行っています。しかし、本業が酪農家である方が多いため、育苗ハウスや移植・収穫の機械などハード面での問題が増え、てん菜の作付面積は減少傾向にありました。そこで当社は地域の輪作体系の維持・発展に貢献すべく、基幹作物であるてん菜に係る作業受託を開始し、平成15年8月には農業法人を設立し、自らも農業に参入いたしました。以下、運送業の当社がてん菜栽培作業受託という形で農業に参入した状況、及び今後の展望を綴らせていただきたいと思います。

1.農作業受託開始の経緯

 当社は、昭和32年創業、資本金1000万円、従業員数56名、運送業を軸に産業廃棄物処理業・建設業を手掛けており、年間7億円前後の売上高を計上している企業です。

 平成11年当時、湧別町では経営規模が安定し土地に余力が出てきた中、安定して高収入の見込めるてん菜の作付をしたいという農協・農家からの要望が増えてきていました。一方、北海道糖業株式会社北見製糖所(以下「北糖」)から当社に対し、減少傾向にある管内のてん菜作付面積を維持・拡大するために力を貸してほしいという要望をいただきました。

 当社では、運送業として古くから原料てん菜の輸送、また地元での肥料・飼料・乳運搬に携わってきており、双方からの要望に応えることは当社の今後に大きな意味があると判断し、てん菜に係る農作業受託を開始しました。

2.てん菜に係る農作業受託業務の概要

 農作業受託開始当初、一体どのくらい委託の要望があるのか不安でしたが、農協や北糖の協力もあり、平成11年は15.89haのてん菜移植作業の受託からスタートしました。平成12年からは、さらに機械を整備し、防除並びに収穫作業の請負も開始しました。平成11年から農業生産法人を設立する前の平成15年までの受託面積は表1の通りです。
 
 

3.農作業請負のシステム

 当社が、関係機関と協同して執り進めてきた請負システムは次の通りです。
 
 

4.システム運営の工夫

 受託作業に係るすべての手続きを当社と農家間だけで行うのではなく、農協に間に入ってもらい、確認をしてもらう事で、トラブル等も無く運営できています。また、作業開始の際も農協、農家と相談して行う事で、円滑な作業運営が出来ています。

 また、防除作業の際は、北糖から栽培情報を提供してもらい、適期に最適な薬剤を選択する事で、少しでも減収を防ぎ、受託者が増収できるよう心掛けています。 

5.作業受託による効果

 平成11年、12年と低収・低糖分の作柄が続いたことにより、平成13年は全道で約3200haもてん菜作付面積が減少しました。湧別町においても前年より約20ha程面積が減少しましたが、当社の受託面積は前年を大幅に上回る数字となり、地域の輪作体系維持に大きく貢献できたと思っています。当社が農業法人を設立する前の受託面積は表2のとおりです。
 
 

6.農業生産法人設立

 当社は、平成15年8月に有限会社湧別農産を設立し、農業生産法人として認可を受け、平成16年4月以降、農業委員会の斡旋を受け、表3に表すとおり従来からの作業受託と同時に自社でのてん菜作付を行うようになりました。

 受託面積については、平成19年から導入された制度(水田・畑作経営所得安定対策)の関係もあり、減少傾向にありました。しかし、昨年度より導入された農業者戸別所得補償制度では過去の実績に関係なく、てん菜を作付することが可能になったため、新規にてん菜を経営の中に入れる農家が出てきており、受託面積は増加傾向になってきています。

 一方、当社の作付面積については、酪農家の飼料不足などにより、平成21年以降は停滞、減少しているものの、今後さらに休耕地等が出てくると考えられるため、拡大していくものと予想しています。
 
 
 当社は、平成15年8月に有限会社湧別農産を設立し、農業生産法人として認可を受け、平成16年4月以降、農業委員会の斡旋を受け、表3に表すとおり従来からの作業受託と同時に自社でのてん菜作付を行うようになりました。

 受託面積については、平成19年から導入された制度(水田・畑作経営所得安定対策)の関係もあり、減少傾向にありました。しかし、昨年度より導入された農業者戸別所得補償制度では過去の実績に関係なく、てん菜を作付することが可能になったため、新規にてん菜を経営の中に入れる農家が出てきており、受託面積は増加傾向になってきています。

 一方、当社の作付面積については、酪農家の飼料不足などにより、平成21年以降は停滞、減少しているものの、今後さらに休耕地等が出てくると考えられるため、拡大していくものと予想しています。
 
 

7.今後の展望

 当社は、これまでご説明させていただいた通り、てん菜に係るさまざまな作業を請負ってまいりました。農業法人としても、平成23年産のてん菜売上高は2200万円弱を計上する事ができ、ようやく黒字になる事ができました。今後は、町内でも大型の離農跡地等が出てくると予想され、当社の役割はますます重要になってくると考えています。経営面積が増える中で、省力化の観点から、今後は直播栽培の播種作業請負も視野に入れていく必要があるのではないかと考えております。しかし、経営面積が大きくなったとしても、初心を忘れず今まで通り、一つ一つ丁寧な仕事を心掛けてまいりたいと思います。

 農地を維持し、地域の輪作体系を守るために、当社はこれからも積極的に農業に携わっていきたいと思います。

結びに

 昨今、農業を巡る情勢は目まぐるしく変化しています。当町でも、酪農家・畑作農家共に大変厳しい状態が続いております。

 当社と農業とはますます結びつきを強めつつあります。特に、湧別町で最も作付けの多い畑作物であるてん菜を中心に、今後の湧別町の農業を維持・発展させていく事が、当社の使命と考え、日々努力を重ねてゆきたいと思います。
 
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713



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