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地域だより

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最終更新日:2012年5月18日

2012年5月

札幌事務所
 

 平成24年4月19日(木)、当事務所は平成24年度の情報収集提供業務を実施するに当たり、道内における情報ニーズの明確化、情報精度の向上を図るため第1回地域情報交換会を開催した。

 今回は、行政機関、てん菜糖製造事業者、農業関係団体、消費者団体など合わせて14名が出席した。まず、山ア札幌事務所長の挨拶に引き続き、調査情報部岩波総括調整役から平成24年の情報業務の重点テーマ、分野別テーマなどの説明がなされた。さらに山ア所長から札幌事務所の砂糖およびでん粉の情報業務実施計画案について説明があった後、各出席者からの話題提供による情報交換および機構の情報収集提供業務についての意見交換が行われた。


 出席者からの主な話題提供は次のとおり。

(1)今年度における戸別所得補償制度の運用に当たり、一部変更点がある。昨年は契約数量を生産数量目標としてそのまま設定していたところであるが、今年度から実際の作付面積が播種前契約時の作付計画面積に比べて減少した場合には、実際の作付面積に見合った生産数量目標へ修正していただくこととなる。現在北海道農政事務所のホームページに変更点が掲載されているパンフレットを公表している。また生産者や関係機関などに印刷物を配布する予定。

(2)てん菜の作付面積は7年連続で減少し、今年度は6万ヘクタールを下回ることが予想される。その要因として、てん菜から飼料作物などへの転換、生産者の高齢化、戸別所得補償制度におけるてん菜の交付金単価の減少などが挙げられる。

(3)てん菜は3年連続で不作が続いており、作付面積や生産量の減少に歯止めをかけるためにも高抵抗性および高収量のビート品種の開発が望まれている。

(4)でん粉原料用ばれいしょは2年連続で不作が続き、現在需要を満たせない供給量まで落ち込んでいる状況となっている。このため、関係機関などが「馬鈴しょでん粉の安定供給体制確立に向けた検討プロジェクト」を立ち上げたところ。検討課題は生産に影響を与えるシストセンチュウ対策に係る蔓延防止策、種子圃の確保、栽培技術体系および作業効率を予定している。

(5)砂糖に対する誤解は依然として根強く、消費量減少の要因にもなっており大変懸念している。


 また、情報業務に対する主な意見、要望は次のとおり。

(1)戸別所得補償制度の対象品目にそばが加わったことにより、てん菜およびばれいしょでん粉の作付面積が減少した影響が考えられることから、この観点からの分析ができれば興味深い。

(2)てん菜およびばれいしょの新品種、栽培方法、新技術および新作業機械ならびに海外における低コスト・省力化栽培方法などについての情報提供をお願いしたい。

(3)生産者に対し、てん菜の生産拡大が図られるような生産技術に関する情報の発信をお願いしたい。

(4)1人当たりの砂糖の消費量が減少していることから、砂糖の正しい知識の普及および消費拡大につながる情報提供の発信やアピールをしていただきたい。

(5)欧米におけるばれいしょの製造コスト、作業体系(機械による効率化)などについて調べていただきたい。

(6)生産地における生の情報は実際に現地調査を行わないとわからないので、ALICには農家が行っている取り組みや先進的農家の事例調査を情報提供していただけると有り難い。

 当事務所としても、上記の意見、要望などをできるだけ踏まえつつ、情報誌やホームページの他に一般消費者向け講座などを通じた正しい知識のPRや、北海道に関連する農畜産物の情報を積極的に発信するため、出席者の皆様へ更なる理解と協力をお願いして会議を終了した。

鹿児島事務所
 

 当事務所は、平成24年4月26日(木)、平成24年度の情報収集提供業務を実施するにあたり、情報ニーズの明確化、情報精度の向上を図るため、県内関係者から意見・要望を聴取する形での第1回地域情報交換会を開催した。

 今回の交換会は、行政、生産者団体、でん粉製造事業者・団体、甘しゃ糖製造事業者、精製糖製造事業者、学識者らが合わせて13名出席した。当事務所安所長の挨拶に引き続き、機構から平成24年度情報収集提供業務の重点テーマと業務体制、当事務所における情報収集提供業務の実施計画案のほか、砂糖及びでん粉の価格調整制度周知・浸透に係る平成23年度の取組み実績及び平成24年度の取組み計画について説明を行った後、各出席者から情報誌、ホームページ等に対する意見・要望を伺うとともに、各出席者の活動状況等について情報・意見交換を行った。

 情報収集提供業務に関しては、情報誌に農畜産物の国内の状況から海外情報まで幅広く提供されている点やコーンスターチ、タピオカでん粉の需給情報が分かりやすく掲載されている点について評価する意見が出された。その一方、(1)情報の提供先として生産者だけでなく、加工業者や流通業者も意識した情報提供をするべきではないか、(2)生産者への情報提供において、優良事例の紹介だけでは具体的な作業改善には繋がらない、(3)機構作成の消費者向けパンフレット類はより多くの消費者の方に配布するべきではないかとの意見・要望もいただいた。

 また、出席者間での情報・意見交換においては、(1)平成23年産のさとうきびの減産を受けて生産現場では、平成24年産におけるメイチュウ対策や春植えの推進など、収量確保に向けた取組みに注力している、(2)品目別経営安定対策において平成24年産までで特例要件が終了することについて、生産者への周知や関係団体への迅速かつ細やかな情報提供を要望する、(3)新品種のこなみずきを原料としたでん粉の高付加価値化に期待しているなどの報告や意見が挙がった。

 最後に当事務所から、消費者向けの情報提供を目的とした広報誌「ALIC(エーリック)」を新たに発行する予定であることを説明し、今後も関係者のニーズに沿った情報提供に努めるとともに、消費者に対しても砂糖・でん粉について広くPRしていくこととし、出席者へ更なる協力・連携をお願いして交換会を終了した。

那覇事務所
 

 当事務所は、平成24年4月24日(火)、那覇市内で、平成24年度の情報収集提供業務を実施するにあたり、管内における情報ニーズの明確化、情報精度の向上を図るため、関係者から広く意見を聴く形で第1回地域情報交換会を開催した。


 今回の会議には、生産者団体、甘しゃ糖製造事業者・団体、黒砂糖工業会、学識者、行政機関の合わせて25名が出席した。

 はじめに大泉那覇事務所長が挨拶を行い、ひき続き、本部調査情報部の脇谷上席調査役が情報収集提供業務の重点テーマ、調査情報部の業務体制、海外調査について説明し、また、竹中那覇事務所所長代理が管内における情報収集提供業務の実施予定などの説明をした後、出席者との情報収集提供業務についての意見交換を行った。
 
 
 情報収集提供業務全般に対する主な意見、要望としては、(1)砂糖類情報は、貴重な情報。特に沖縄では情報の少ない鹿児島県の事例が参考になる。また、ホームページも充実しており、価格関係の問い合わせがあったときはよく活用している、(2)砂糖類情報は、どういう階層に向けたものなのか。どちらかというとプロ集団に向けた情報が多いと感ずる。砂糖について国民の理解を得るという観点で、もう少し消費者を対象に情報提供を行うことを考えてはどうか、(3)24年産の生産回復のために各地域でいろいろな取り組みを行っているが、その中で、防除対策(イネヨトウ)、適期肥培管理、新たな栽培技術、新品種などの情報について記事を掲載してもらいたい、(4)23年産の不作の原因について調査機関を利用して調査してはどうか、(5)今年度のさとうきび・甘蔗糖関係検討会について、開催地にとっては良い影響がある。多くの地域の人と接していただき、情報交換をしてもらいたい。会議のテーマが多岐にわたっているので、もっとテーマを絞りこんで、例えば分科会方式にするなどして深い議論を行えばよい、などが挙げられた。

 最後に機構から、今回の会議における意見、要望を踏まえ、情報収集提供業務を行うこととし、ご指摘のあった砂糖の正しい知識を広く一般消費者に積極的に情報提供するとともに、現地の関係者のニーズに沿った情報提供を行いたい。そのためには関係者の皆様のさらなる協力をお願いするとして、終了した。

那覇事務所
 

 沖縄県では、生産技術および経営改善の面で創意工夫し、高単収・高品質な生産をあげたさとうきび農家を表彰し、農家の生産意欲を喚起して沖縄糖業の発展につなげるため、毎年、さとうきび競作会(社団法人沖縄県糖業振興協会主催)が行われている。この表彰式が平成24年4月26日、那覇市内で開催された。


1  記念講演

 表彰式に先立ち、さとうきびの日(毎年4月の第4日曜日)の関連行事として、沖縄県立農業大学校助教授上原数見氏による記念講演が行われた。上原氏からは、「生産現場で開発された技術の掘り起こしと普及について〜農家の技術を埋もれさせないために〜」と題して、現場で蓄積されたさとうきび単収向上に関する栽培技術や、農家独自で開発、改良した農業機械の普及の取り組みなどが述べられた。
2 競作会における表彰者の選考方法

 競作会では、優良事例調査委員会により、農家の部と多量生産の部の二部門において、優れた成績を上げた農家と生産法人が選考される。

 農家の部では、北部、中部、南部、宮古、八重山の5地区において、予備審査の成績が優れた農家について全刈審査を行い、その結果、順位が決定される。

 多量生産の部では、生産量、品質、工場搬入シェアの面から地域糖業への貢献度が大きいとして各製糖工場から推薦された農家と生産法人について、面接・審査の結果、一般農家の部、生産法人の部における順位が決定される。


3 受賞者の紹介

  以下、代表的な受賞者を紹介する。

≪農家の部≫
(1) 栽培品種 
(2) 作型 
(3) 庶茎重量 
(4) 甘しゃ糖度 
(5) 栽培の工夫


○沖縄県第一位(農林水産大臣賞) 
 平良 玄序氏(宮古地区代表 宮古島市伊良部)

(1) 農林21号
(2) 夏植え
(3) 19,480kg/10a
(4) 14.4度
(5) 植え付けから収穫まで機械化一貫体系による省力化とコスト削減に取り組んでいる。地元伊良部の堆肥の活用、収穫後の葉柄のすき込みによる土づくりを積極的に行い、基本的なさとうきび栽培指針を遵守し、植え付け後のかん水や中耕除草など肥培管理を徹底して行っている。トラクタでの管理のため畝幅を広く取っているが、農林21号の特徴を活かした長く重い茎で19.5トン/10aの高単収を実現した。
○沖縄県第二位(農林水産省生産局長賞)   
 松田 敏夫氏(北部地区代表 名護市)

(1) 農林8号
(2) 春植え
(3) 10,360 kg/10a
(4) 13.6度
(5) さとうきびと紅いもの輪作栽培に取り組んでおり、今回受賞したほ場の前作は紅いも栽培である。きび植え付け前には病虫害防除の薬剤は投入しておらず、耕種的防除をこまめに行っている。収穫茎数が10,200本と多く、春植えとしては10.3トン/aの高単収となった。
○沖縄県第三位(沖縄県知事賞) 
 山城 都暉氏(南部地区代表 八重瀬町)

(1) 農林21号
(2) 春植え
(3) 9,160 kg/10a
(4) 15.0度
(5) さとうきび栽培面積は52aで、普段は妻と2人で肥培管理をしている。機械の利用状況は、自分で購入した耕耘機を使用し管理作業を行っている。バガスケーキによる地力向上や、剥葉を2回行い日照や風通しの改善等こまめな管理を行い、春植えで9.2トン/10aの高単収となったことに加え、糖度15度の高品質も実現できた。
≪多量生産の部≫
(1) さとうきび生産量  
(2) 収穫面積  
(3) 甘しゃ糖度
(4)栽培の工夫             


○一般農家の部 
沖縄県第一位(独立行政法人農畜産業振興機構理事長賞)  山城 富正氏(竹富町)

(1) 423,228kg
(2) 6.72ha
(3) 14.58度
(4) 中小機械化体系の夏植え・株出し栽培を行っている。良質の苗作りに力を入れることにより、a)全茎式プランタの苗の調苗が容易になる、b)植え付け時の発芽率が高まることで、欠株による補植作業を減らす等の省力化を図っている。除草作業もほ場内、ほ場周辺と徹底して行うほか、株出し管理は、降雨等により一連の作業を適期に行うのが困難であるため、収穫後の株揃え作業だけを優先して行い、茎数の確保に努めている。耕作放棄地を借りて生産を行い、遊休地解消に貢献している。 
○生産法人の部
 沖縄県第一位(独立行政法人農畜産業振興機構理事長賞) 
 農業生産法人(有)あらかきファーム(久米島町)

(1) 454,853kg
(2) 17.63ha
(3) 14.13度 
(4) 春植え、夏植えそれぞれ3回程度株出しをしている。全茎プランタを使用しており、苗の生産には特に気を使う。施肥については、発芽を良くするための元肥、追肥2回を行っている。株出し管理作業は2機種の作業機を使用し、a)株揃え、株割、除草剤、薬剤散布、b)根切り、中耕、培土同時追肥、の2回に分けて実施している。
   今後はさらに規模を拡大し、生産量1,000トンを目指す。
 これらの方々のほかにも地域でのさとうきび栽培が優良と認められた奨励農家4名、長年にわたるさとうきび生産と地域の指導者として尽力されてきた農家7名(特別表彰)が、それぞれ表彰された。

 農林水産大臣賞を受賞した宮古地区代表の平良氏は、受賞者を代表した挨拶の中で自身のさとうきび栽培について、「土作りと水が大事だと考え、伊良部で生産された堆肥を投入し、あまり化学肥料に頼らない土作りを行った。また、きびの様子を観察しながら、必要以上のかん水は行わなかった。特別な栽培をするのではなく、基本を守ることが一番と考える。今後も土作りと水が大事であるという事を忘れず、さとうきび増産のために頑張ってまいりたい。」と力強く語った。

 表彰式では、受賞者のみならず、地域の関係者が喜びを分かち合っている姿が印象的だった。同じ地域の生産者がこのような場で表彰されることは、受賞者のみならず、その地域でさとうきびに関わる関係者一同の大きな活力になるに違いない。表彰された生産者の方々は、今後も地域と沖縄県のさとうきび生産に大いに貢献されることと思われる。

 今後も、このさとうきび競作会が、さとうきび生産者の目標となることを期待したい。

那覇事務所
 

 沖縄県と黒糖を生産する市町村などで構成する沖縄県含みつ糖対策協議会は、平成22年、景気低迷等による影響で黒糖消費が減少し、大量の在庫を抱えるなど含みつ糖工場の経営が厳しい環境にあったことから、作りたての黒糖が本格的に出回る時期にあたる5月10日を「黒糖の日」(5=「こく」10=「とう」)とし、消費者に向けた沖縄県黒糖の販売促進活動を実施することとしている。

 今年の「黒糖の日」関連イベントは、那覇市パレット久茂地前交通広場で開催され、セレモニーに続き、黒糖をテーマとしたラジオの生放送や黒糖関連商品の試食会などが行われた。

 セレモニーでは、主催者である沖縄県含みつ糖対策協議会会長知念氏(沖縄県農林水産部長)から、「黒糖は古くから沖縄の経済・文化発展に貢献しており、お茶請けや料理で県民に親しまれてきた。また、ミネラルやビタミンが豊富で健康食材として注目を集めている。沖縄ブランドを全国に発信し、消費拡大につなげたい」との挨拶があった。

 また知念氏は、黒糖の原料となる平成23/24年期さとうきびが気象災害等により大幅な減産となっていることに触れ、「ユーザーにご迷惑をおかけしているが、現在、県下関係機関および生産農家が一丸となって、早期の生産回復に向けて取り組んでいる」と語った。

 さらに、生産者団体の代表から、24年4月から黒糖の表示制度が施行されたことについて説明があり、表示をめぐる環境が改善され、黒糖の安定供給、販売体制の一元化に向け、関係機関と連携し、取り組んでいる所であるとの挨拶があった。その他、生産地、製糖事業者の代表からそれぞれ消費拡大に向けたアピールが行われた。
 イベントでは、かち割り黒糖や、黒糖加工商品の試食会が行われたほか、ラジオの生放送のなかで、黒糖の魅力などについてのトーク、黒糖を使ったレシピの実演会が行われ、黒糖の消費を呼びかけた。会場は、黒糖加工商品を美味しそうに食べたり、各島の黒糖の風味を味わう買い物客らで大変な賑わいを見せた。

 試食会の出展者は、「今年は原料の確保が大変な状況ではあったが、来年以降につながるよう、消費拡大への取り組みを続けていきたい」と意気込みを語っていた。
 このほか、会場近くの県産品販売店などで黒糖フェアが行われ、県内各地で黒糖の日に関連してPRイベントが行われた。

 協議会では5月10日(黒糖の日)から9月6日(黒(くろ)の日)までを販売促進強化期間としており、この間、黒糖の試食会や製造実演会、パネル展示等、消費拡大に向けた取り組みが行われる。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713