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5. 日本の主要輸入先国の動向

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最終更新日:2012年6月11日

5. 日本の主要輸入先国の動向

2012年6月

調査情報部
 

 2011年における砂糖輸入量のうち、甘しゃ糖・分みつ糖(HSコード1701.11−190)は149万9581トンと、全体の97.7%を占める。そのうち、タイ(71.5%)、豪州(17.0%)、南アフリカ(2.0%)と、この3カ国で90.5%を占める。(財務省「貿易統計」)

タイ

 
 

(1)2012年5月における生産見通し

〜2011/12年度の砂糖生産量は過去最高の1040万トンの見込み〜

 2011/12タイ砂糖年度(10月〜翌9月)の製糖はほぼ終了した。米国農務省(USDA/FAS)によると、同年度のさとうきび収穫面積は、さとうきび価格の上昇による作付け増加を受け、128万ヘクタール(前年度比6.7%増)に増加の見通しである。収穫面積の増加により、さとうきび生産量は1億50万トン(同5.0%増)に増加し、過去最高に達すると見込まれている。さとうきびの増産を受け、砂糖生産量は前年度からかなりの程度増加の1040万トン(粗糖換算、同7.8%増)と予測され、さとうきびと同様、過去最高に達する見通しである。

 2012/13年度について、さとうきび収穫面積は134万ヘクタール(同4.7%増)に増加すると予測されている。これは、さとうきびの収益性が競合作物のキャッサバやトウモロコシを上回るとみられ、これらの作物からさとうきびへの転作が進むと見込まれるためとされる。収穫面積の増加を受け、さとうきび生産量は1億500万トン(同4.5%増)に増加し、砂糖生産量は1090万トン(粗糖換算、同4.2%増)と、前年度をさらに上回ると予測されている。
 
 

(2)貿易・政策動向等

〜2011/12年度の輸出量は900万トンに達する見通し〜

 2011/12年度の砂糖消費量は、前年度からかなりの程度増加の260万トン(粗糖換算、前年度比8.3%増)と予測されている。これは、所得向上による一人当たりの消費量の増加に加え、前年度に深刻な洪水被害を受けた飲料・食品加工メーカーの砂糖需要が回復すると見込まれるためとされる。タイでは、砂糖消費量の約45%を産業利用が占めている。一方、輸出量は、増産により前年度から大幅増加の900万トン(粗糖換算、同35.5%増)と予測され、生産量と同様、過去最高に達するとみられている。なお、2012年3月の粗糖・白糖輸出量は前年同月比15.5%減の66万トンとなった。主要輸出先はインドネシア、日本、中国などのアジア諸国であった。

 2012/13年度において、砂糖消費量は前年度に引き続き増加し、280万トン(粗糖換算、同7.7%増)と予測されている。一方、輸出量は、増産が見込まれることから、前年度からやや増加の930万トン(粗糖換算、同3.3%増)の見通しとなっている。

資料:USDA “GAIN Report, Thailand, Sugar Annual 2012” 2012/4/12
 
 

豪州

 
 

(1)2012年5月における生産見通し

〜砂糖生産量は450万トンに回復の見込み〜

 米国農務省(USDA/FAS)によると、2012/13豪州砂糖年度(7月〜翌6月)のさとうきび収穫面積は38万ヘクタール(前年度比3.8%増)に増加すると予測されている。これは、さとうきびの収益性向上と良好な天候により、作付けの増加が見込まれるためとされる。収穫面積の増加に加え、単収も天候不順の影響を受けた前年度から回復するとみられることから、さとうきび生産量は前年度からかなりの程度増加し、3100万トン(同10.7%増)と予測されている。砂糖生産量については、さとうきびの増産が見込まれる上、糖度の上昇も予測されることから450万トン(粗糖換算、同15.4%増)に増加し、2009/10年度以前の水準(450万トン以上)を回復するとみられている。
 
 

(2)貿易・政策動向等

〜輸出量は300万トンに増加の見通し〜

 2012/13年度の砂糖消費量は、前年度をわずかに上回る140万トン(粗糖換算、前年度比1.9%増)と見込まれている。輸出量は、増産を受け、前年度からかなりの程度増加の300万トン(粗糖換算、同5.3%増)と予測されている。ただ、豪ドル高により砂糖輸出の収益は押し下げられるとみられている。

資料:USDA “GAIN Report, Australia Sugar Annual 2012” 2012/4/12
 
 

南アフリカ

 
 

(1)2012年5月における生産見通し

〜砂糖生産量は220万トンに増加の見込み〜

 米国農務省(USDA/FAS)によると、2012/13南アフリカ砂糖年度(4月〜翌3月)のさとうきび収穫面積は前年度から変わらず、28万ヘクタールと予測されている。さとうきび生産量は、干ばつ被害を受けた前年度から単収が回復すると見込まれるため、前年度からかなりの程度増加の1790万トン(前年度比6.3%増)と予測されている。生産の約8割を占めるクワズール・ナタール州では、大半の地域が十分な降雨に恵まれ、さとうきび生育は良好な状態にあるとされる。さとうきびの増産により、砂糖生産量は220万トン(粗糖換算、同15.4%増)と前年度からかなり大きく増加すると見込まれている。ただ、2009/10年度以前の水準(240万トン以上)への回復までには至らないとみられている。
 
 

(2)貿易・政策動向等

〜増産により、輸出量は60万トンに増加の見通し〜

 2012/13年度の砂糖消費量は、前年度からわずかに増加の170万トン(粗糖換算、前年度比2.3%増)と見込まれている。増産により、輸出量は60万トン(粗糖換算、同81.8%増)と前年度から大幅に増加すると予測されている。ただ、2009/10年度以前の水準(80万トン以上)と比較すると、依然として低い水準である。

 2012年2月における粗糖・白糖輸出量は前年同月比27.3%減の6700トンとなり、主要輸出先はジンバブエ、アンゴラ、モザンビークなどのアフリカ諸国であった。

資料:USDA “GAIN Report, South Africa-Republic of, Sugar Annual 2012” 2012/4/12
 
 
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
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