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2. 近年の国際砂糖需給構造の変化(2006/07⇒2011/12年度)

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最終更新日:2012年7月10日

2. 近年の国際砂糖需給構造の変化(2006/07⇒2011/12年度)

2012年7月

調査情報部

 
 
生産量

 2011/12年度における世界最大の生産国はブラジルとなり、インド、EU、中国がこれに次ぐ見通しである。これらの順位は2006/07年度と変わらない。ブラジルは世界の需要増加を背景に増産し、世界生産の約2割を占める。インドは、政府の価格政策や気象の影響により年によって生産量の変動が大きい。タイは、さとうきびの作付け増加で生産量が大幅に増加し、2011/12年度においては、米国を上回り、中国に次ぐ生産国になると予測されている。一方、ロシアはてん菜の記録的な豊作により生産量が増加し、米国に次ぐ生産国となる見通しである。


消費量

 2011/12年度において、世界最大の消費国はインドとなり、EU、中国、ブラジル、米国、ロシアがこれに次ぐ見通しである。これらの順位は2006/07年度と変わらない。インド、中国、インドネシアをはじめとするアジア諸国では、人口増加と経済発展を背景に消費量が年々増加している。ブラジルも同様の傾向である。一方、ロシアは人口減少を背景に消費量が減少傾向にある。インドネシアは、甘味料需要の異性化糖へのシフトにより砂糖消費量が減少しているメキシコを上回り、ロシアに次ぐ消費国になると予測されている。
 
 
輸入量

 2011/12年度における世界最大の輸入地域はEUとなる見通しである。2006/07年度に最大の輸入国であったロシアは、国内生産の大幅な増加により輸入需要は減少するとみられている。インドネシア、中国は、消費量の増加に伴い輸入需要も増加している。2011/12年度において、中国はインドネシアに次ぐ世界第3位の輸入国となる見通しである。米国は、2008年に北米自由貿易協定(NAFTA)の下、メキシコとの間で甘味料貿易の完全自由化を実施した影響により同国からの輸入が増加している。


輸出量

 2011/12年度において、世界最大の輸出国はブラジルとなり、タイ、豪州がこれに次ぐ見通しである。ブラジルは世界の需要増加を背景に輸出が増加し、世界輸出の5割弱を占める。タイは、増産により輸出余力が拡大し、世界の輸出に占める割合が2006/07年度の9%から13%に拡大する見込みである。一方、豪州、南アフリカは、天候不順などによる減産で輸出余力が低下しており、世界輸出に占める割合も低下が予測されている。インドは、年によって生産量の変動が大きく、豊作年には輸出国、不作年には輸入国となる。2011/12年度は豊作が見込まれることから、豪州に次ぐ輸出国になるとみられている。

注:EUは、2005/06年度まで純輸出地域であったが、2006/07年度からの砂糖制度改革に伴う生産縮小で純輸入地域に転じた。輸入先は、特恵アクセスを認めているACP諸国(EUの旧植民地であるアフリカ、カリブ、太平洋諸国)およびLDC諸国(後発開発途上国)が中心となっている。
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