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5. 日本の主要輸入先国の動向

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最終更新日:2012年9月10日

5. 日本の主要輸入先国の動向

2012年9月

調査情報部
 

 2011年における砂糖輸入量のうち、甘しゃ糖・分みつ糖(HSコード1701.11−190)は149万9581トンと、全体の97.7%を占める。そのうち、タイ(71.5%)、豪州(17.0%)、南アフリカ(2.0%)と、この3カ国で90.5%を占める。(財務省「貿易統計」)

タイ

 
 

(1)2012年8月における生産見通し

〜2011/12年度の砂糖生産量は過去最高の1070万トンの見込み〜

 2011/12タイ砂糖年度(10月〜翌9月)の製糖は終了した。同年度のさとうきび収穫面積は129万ヘクタール(前年度比2.6%増)に増加し、さとうきび生産量は過去最高の9800万トン(同2.1%増)とみられている。さとうきびの増産と糖度の上昇を受け、砂糖生産量は過去最高の1070万トン(粗糖換算、同7.2%増)に達したと見込まれている。

 2012/13年度のさとうきび収穫面積は138万ヘクタール(同7.0%増)に増加すると予測されている。これは、さとうきびの収益性が競合作物のキャッサバと比べ高いためとされる。ただ、東北部を中心に株出し回数が増加し、さらに、北部、中部において5〜7月の降水量が平年を大きく下回ったことから、単収の低下が予測されている。このため、さとうきび生産量は前年度からやや減少し、9300万トン(同5.2%減)と見込まれている。さとうきびの減産により、砂糖生産量は990万トン(粗糖換算、同7.5%減)に減少の見通しとなっている。
 
 

(2)貿易・政策動向等

〜2011/12年度の輸出量は820万トンの見込み〜

 政府は、7月下旬に2011/12年度の国内向け割当量を10万トン削減し、230万トン(白糖換算)に引き下げた。これを受け、同年度の消費量は前月予測から10万トン下方修正され、250万トン(粗糖換算、前年度比8.0%減)と予測されている。国内向け割当量が削減され、輸出余力の拡大が見込まれることから、輸出量は820万トン(粗糖換算、同36.8%増)と前月予測を10万トン上回るとみられている。なお、2012年6月の粗糖・白糖輸出量は前年同月比28.0%減の72万4000トンとなった。主要輸出先はインドネシア、中国、日本などのアジア諸国であった。

 2012/13年度の砂糖消費量は、前年度をやや上回る260万トン(粗糖換算、同3.2%増)と予測されている。輸出量は、減産により730万トン(粗糖換算、同10.7%減)に減少の見通しとなっている。とは言え、2009/10年度以前の水準(530万トン以下)を大きく上回るとみられる。

資料:LMC “Monthly Sugar Report, August 2012”
 
 

豪州

 
 

(1)2012年8月における生産見通し

〜砂糖生産量は前年度から大幅増加の440万トンの見込み〜

 豪州では、6月中旬に2012/13砂糖年度(7月〜翌6月)の製糖が開始された。同年度のさとうきび収穫面積は、さとうきびの収益性向上と良好な天候を背景に37万ヘクタール(前年度比4.3%増)に増加の見通しである。収穫面積の増加に加え、サイクロン被害などを受けた前年度から単収も回復するとみられるため、さとうきび生産量は3070万トン(同11.0%増)に増加すると予測されている。砂糖生産量については、さとうきびの増産と糖度の上昇が見込まれることから、前年度から大幅増加の440万トン(粗糖換算、同19.0%増)と予測されている。ただ、生産の約9割を占めるクイーンズランド州では平年を上回る降雨が続き、さとうきびの収穫に遅れが生じている。仮に12月から始まる雨季までに収穫を完了できなければ砂糖生産量が減少する可能性もあり、今後の天候状況が注目される。
 
 

(2)貿易・政策動向等

〜輸出量は前年度比25.4%増の見通し〜

 2012/13年度の砂糖消費量は、前年度をわずかに上回る120万トン(粗糖換算、前年度比1.4%増)と見込まれている。輸出量については、増産が見込まれることから330万トン(粗糖換算、同25.4%増)と、前年度から大幅な増加が予測されている。

資料:LMC “Monthly Sugar Report, August 2012”
 
 

南アフリカ

 
 

(1)2012年8月における生産見通し

〜砂糖生産量は前年度から大幅増加の見込み〜

 2012/13南アフリカ砂糖年度(4月〜翌3月)のさとうきび収穫面積は前年度から変わらず、27万ヘクタールと予測されている。さとうきび生産量は、干ばつ被害を受けた前年度から単収が回復するとみられるため、前年度からかなり大きく増加し、1870万トン(前年度比11.5%増)と見込まれている。さとうきびの増産により、砂糖生産量は前年度から大幅増加の230万トン(粗糖換算、同17.8%増)と予測されている。
 
 

(2)貿易・政策動向等

〜輸出量は50万トンに増加の見通し〜

 2012/13年度の砂糖消費量は、前年度をわずかに上回る190万トン(粗糖換算、前年度比2.0%増)と見込まれている。増産により、輸出量は前年度比約2倍の50万トン(粗糖換算、同113.2%増)と予測されている。2012年5月における粗糖・白糖輸出量は前年同月比4.9%増の2万7000トンとなり、主要輸出先はモザンビーク、ジンバブエ、アンゴラなどのアフリカ諸国であった。

資料:LMC “Monthly Sugar Report, August 2012”
 
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
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