エタノールの需給トピックス
最終更新日:2012年9月10日
エタノールの需給トピックス
2012年9月
(1)米国
〜トウモロコシ価格の上昇受け、7月のエタノール価格は前月比21.8%高〜
シカゴ商品取引所における7月のエタノール平均価格は前月から大幅に上昇し、リットル当たり0.67ドル(前月比21.8%高)となった。価格上昇の要因として、原料となるトウモロコシの価格高騰が挙げられる。トウモロコシ価格(シカゴ商品取引所)は産地の深刻な乾燥による作柄悪化懸念を受け、6月下旬以降急激に上昇し、その後も高止まりしている。原料コストの上昇による収益低下を受け、一部のエタノール工場は生産量を減少させる状況となっている。
資料:ISO “Market Repot & Press Summary July 2012”
(2)ブラジル
〜7月のエタノール価格は含水、無水とも前月から下落〜
7月のエタノール平均価格は、含水エタノールが前月比1.9%安(米ドル換算1.9%安)のリットル当たり1.06レアル(0.52米ドル)、無水エタノールが同3.0%安(同1.5%安)の同1.29レアル(0.64米ドル)と、いずれも前月から下落した。価格の下落は、7月以降に主産地中南部で乾燥した天候が続いたことからさとうきびの圧搾が進み、エタノールの供給が増えたためとみられている。
(3)EU
〜7月のエタノール価格は前月比13.3%高〜
7月のエタノール平均価格は、米国産エタノール価格の上昇や原料となる小麦価格の上昇を受け、前月比13.3%高(米ドル換算13.3%高)のリットル当たり0.68ユーロ(0.85ドル)となった。 欧州委員会は、EUの再生可能エネルギー利用促進指令(RED)の法制化に向けた行動を起こしていない7加盟国(アイルランド、キプロス、ギリシャ、スロベニア、フィンランド、ポーランド、マルタ)に対し、理由付き意見書(Reasoned Opinions)を送付した。欧州委員会は、今後、欧州司法裁判所にこれらの加盟国を提訴する可能性もある。REDの批准期限は2010年12月とすでに過ぎており、その他の加盟国については法制化が完了、あるいは法制化の準備が進められている状況となっている。
資料:LMC “Monthly Sugar Report, August 2012”
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