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地域だより

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最終更新日:2013年7月29日

沖永良部島第18回さとうきび生産者大会の開催について

2013年7月

鹿児島事務所 所長代理 古河謙介
 


  平成25年7月6日(土)知名町民体育館において、第18回さとうきび生産者大会(主催は、沖永良部さとうきび生産対策本部(以下、「生産対策本部」という。)が開催された。同大会には、島内の糖業関係者、JAおよび行政関係者など約600名が参加した。

 沖永良部島における平成24/25年期の生産状況は、収穫面積1,313ヘクタール(前年比1.7%減)、さとうきび生産量5万3700トン(前年比6.6%増)、10アール当たり収量4,089キログラム(前年比8.4%増)であり、南栄糖業株式会社における原料処理量は、5万3680トン(前年比6.6%増)、歩留り11.80%(前年比0.6ポイント増)、産糖量6,334トン(前年比700トン増)であった。前年(平成23/24年期)との対比では、沖永良部島はさとうきび生産量や産糖量はともに増加しているものの、平成23/24年期は、10アール当たり収量が過去最低水準の3,772キログラムであったことから、奄美群島の他の島と同様、度重なる台風の襲来およびメイチュウ類の被害により2年連続の不作という大変厳しい状況であることに変わりはない。

 池野豊生産対策本部長(JAあまみ和泊事業本部専務理事)は、開会に際し、「昨年まで2年連続の不作であるが、平成25年産は、現在のところ生育状況は順調であること、作付面積も確保されており、さとうきび増産基金を活用し、昨年のようなメイチュウ被害や気象災害がなければ、大幅な増収が見込めるものと期待している。本格的な夏が到来し、新植夏植などの農作業は大変厳しいものであるが、体調に十分留意され増産に向けて頑張っていただきたい。」と生産農家に向けあいさつされた。平安正盛知名町長は、「収穫面積の確保、適期管理作業の推進、苗の確保、病害虫防除など生産回復に向けた取り組みが必要であり、生産者や関係機関が一体となって安定した生産量の確保が図られるよう願っている。それぞれの立場で糖業の振興に取り組んでいただきたい。」とあいさつされた。

  続いて、平成24年産において、高生産量、高品質、高単収であった優良農家の表彰式が行われ、来賓祝辞として、鹿児島県大島支庁農林水産部の奥真隆農政普及課長のあいさつに次いで、当機構の長田朋二特産業務部長は、「さとうきび生産を取り巻く情勢は厳しい状況にあるが、さとうきび増産基金による生産回復に向けた事業などを活用し、関係者が一体となって生産に取り組むことにより、沖永良部島はもとより鹿児島県南西諸島全体におけるさとうきびの増産と地域経済の一層の活性化につながることを期待したい。」とあいさつし、当機構の星英幸鹿児島事務所長が「我が国の砂糖をめぐる事情」と題し、砂糖価格調整制度の仕組みなどについて解説した上で、「島において砂糖産業が成り立つことは、砂糖の供給基地として重要であるばかりでなく、領海を含む国土を守ることに大きく貢献している。」との情勢報告を行った。

 優良農家の中から、知名地区さとうきび部会正名(まさな)地区の西田安村支部長が「正名地区の取組みについて」と題して講演を行った。正名地区は高単収支部として今回表彰を受けており、過去6年間連続して10アール当たりの収量が島平均より大幅に上回っている。同講演の中で「高単収を維持している要因は、個々の生産意欲が高いことである。具体的な取り組みとして、優良種苗の供給、交信撹乱によるメイチュウ防除、緑肥による土づくり、他の集落の現地視察研修などで良い取り組みがあれば積極的に取り入れている。」と紹介した。

 生産対策本部からは、平成25年産の生産計画が報告されたのち、25年産のスローガンが採択され、がんばろう三唱で同大会は幕を閉じた。

[平成25年産のスローガン]
●土づくり・適期植付・適期管理等、基本技術励行を徹底しよう。
●生産者・関係機関一体となり、担い手農家の育成と支部活動の活性化を図り沖永良部糖業の再構築に努めよう。
●積極的な畑かん施設の活用により、品質・単収向上を図ろう。
●さとうきび作りを通して地域と共生し、環境に優しい農業の推進に努めよう。

  大会終了後は、同体育館において引き続き“きび祭り”が開催され、生産者や各関係機関との懇親が図られた。

 当機構としても、生産者の皆様が安心してさとうきび作りに取り組んでいただけるよう、その経営の安定に資するため、今後も交付金の交付業務の適切な運営に努めてまいりたい。
 
 
 
 
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報部)
Tel:03-35838713