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地域だより

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最終更新日:2013年11月15日

沖縄県さとうきび生産法人連絡協議会の総会が宮古島で開催された

2013年11月

那覇事務所

はじめに

 平成25年10月30、31日の2日間、沖縄県宮古島市において、沖縄県さとうきび生産法人連絡協議会の通常総会、現地検討会および講話が開催された。

 同協議会は、沖縄県農業の近代化を促進するとともに、農業生産の増大と農業経営の安定した発展に資するため、さとうきび生産法人の知識、技術向上を図ることを目的に、12年前に設立され、現在42の生産法人が加盟している。

 総会には、32生産法人の代表をはじめ、JA、糖業および行政の関係者約70名が出席した。また、講話には、約200名の宮古島の生産者も出席した。
 

通常総会

 冒頭のあいさつでは、同協議会副会長の邊土名豊一氏が、「平成25年産のさとうきびについて、宮古島では生育が順調で生産回復が期待できるが、全県的には6月以降の干ばつ被害などで、3年連続の苦戦が続く厳しい状況にある。このため、当協議会は関係機関の指導・協力の下、会員の経営管理能力の向上や新技術の取得などに積極的に取り組んでいく」と述べた(同協議会会長喜久里猛氏のあいさつを代読)。

 また、来賓として出席した沖縄県農業協同組合宮古地区本部長の新城武一郎氏が、「さとうきび生産者の高齢化や、担い手不足の問題は、宮古地区でも切実な問題で、今回の「人・農地プランについて」などの講話を契機に、さとうきび作の新たな担い手として、生産法人に農地の集積や委託が進み、皆様の所得の安定などに寄与することを期待する」と述べた。

 通常総会では、事務局から同協議会における平成24年度の活動報告、平成25年度の活動計画についての説明が行われた。
 

現地検討会

 宮古島市平良の農事組合法人豊農産において、現地検討会が行われた。

 はじめに、同法人の代表者である邊土名豊一氏から、平成13年7月の法人設立から今日に至るまでの説明があった。

 同法人は「さとうきびは宮古の宝」をスローガンに今日まで規模拡大、受託面積の拡大を行い、平成24年産のさとうきびの経営面積は18ヘクタールで、収穫量は500トンであり、この他に年間約7,300トンの収穫作業の受託をしている。

 邊土名豊一氏は、自身の経営理念について、生産者から土地を借りるのではなく、法人が植え付けから収穫までの作業を行ったとしても、あくまでも土地所有の生産者と一緒にさとうきびを作っているという立場でいることが重要であると述べた。

 また、同法人がハーベスターで収穫したさとうきびを植え付け用の二節苗として利用していることに参加者から注目が集まり、植え付け機を興味深く見たり、実際に機械に乗って、作業の感覚を確かめる生産者や関係者が見られた。
 

講話

 講話では、沖縄総合事務局農林水産部経営課長の白坂進一氏から「農地中間管理機構制度(仮称)について」と、公益財団法人沖縄県農業振興公社農地・担い手課長の大村学氏から「人・農地プランについて(地域農業マスタープラン)」についての講演があり、新規事業を利用した今後の地域における農業のあり方、農地集積の進め方などについて説明がなされ、出席者が熱心に聞いている様子がうかがわれた。
 

おわりに

 平成25年産のさとうきび生産は、6月以降の干ばつの影響により、さとうきびの生育が遅れ、茎長が例年よりも短いなど、沖縄県内の生産量は3年連続で厳しい状況が予想されている。そのような中、出席した生産法人の代表者が、今後のさとうきび生産に活かせることはないかと現地検討会や講話を熱心に聴いたり、生産法人同士で情報交換している様子が、印象的であった。

 今後も今回のような地域間の交流が活発に行われ、生産法人が切磋琢磨しながら、沖縄県のさとうきび生産を引っ張っていくことを期待したい。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報部ループ)
Tel:03-3583-8713