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砂糖類の国内需給

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最終更新日:2014年5月9日

砂糖類の国内需給

2014年5月

調査情報部

1.需給見通し

 農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、四半期ごとに砂糖および異性化糖の需給見通しを公表することとしている。3月に公表した「平成25砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第3回)」の概要は以下のとおりである(詳細は2014年4月号参照)。
 

2.異性化糖の移出動向

3月の移出量としては過去5年間で最大の 7万5945トン

  2014年3月の異性化糖の移出数量は、7万5945トン(前年同月比2.1%増、前月比25.8%増)と、前月および前年同月数量を上回り、同月の移出量としては過去5年間で最大となった(図1)。2013年11月以降、前年同月を上回る水準で推移している。これは2013年11月と2014年2月に相次いで異性化糖の市中価格が下落したことや、消費税増税前の駆け込み需要が影響していると考えられる。増税後の4月以降の移出量に反動が見られるか注目される。

 規格別の移出量は、次のとおりであった(図2)。

果糖含有率40パーセント未満 403トン
(前年同月比4.8%減、前月比35.6%増)
果糖含有率40パーセント以上50パーセント未満 2万619トン
(同5.4%増、同20.2%増)
果糖含有率50パーセント以上60パーセント未満 5万1390トン
(同0.1%減、同24.7%増)
果糖含有率60パーセント以上 3,533トン
(同18%増、同107.2%増)
 
 

3.輸入動向

【分蜜糖の輸入動向】
2月の輸入価格は、16カ月ぶりに4万4000円台を割り込む


 財務省「貿易統計」によると、2014年2月の分蜜糖の輸入量は、6万8940トン(前年同月比38.4%減、前月同水準(13トン増))となった(図3)。輸入先国は、タイ、フィリピン、米国の3カ国であった。

 同月における国別の輸入量は次のとおりであった(図4)。

タイ 5万9825トン
(前年同月比9.4%減、前月比5.9%減)
フィリピン 9,088トン
(前年同月輸入実績なし、同70%増)
米国 27トン
(前年同月輸入実績なし、同92.9%増)
 
 2014年2月の1トン当たりの輸入価格は、 4万3409円(前年同月比4.1%安、前月比6.1%安)と、2012年10月以来となる4万3000円台となった(図5)。

 2月の国別の1トン当たりの輸入価格は、次のとおりであった。

タイ 4万3787円
(前年同月比0.8%高、前月比5.3%安)
フィリピン 4万647円
(前年同月輸入実績なし、同10.6%安)
米国 13万4259円
(前年同月輸入実績なし、同32.4%安)
 
【含蜜糖の輸入動向】
2月の輸入価格は前月から下落したものの依然として高水準


 財務省「貿易統計」によると、2014年2月の含蜜糖の輸入量は、1,267トン(前年同月比3.7%減、前月比8.3%増)となった(図6)。輸入先国は、タイ、中国、ボリビア、フィリピンであった。

 国別の輸入量は次のとおりであった(図7)。

タイ 1,041トン
(前年同月比21.3%増、前月比42.6%増)
中国 109トン
(同65.1%減、同37%減)
ボリビア 103トン
(同29.5%減、同46.1%減)
フィリピン 14トン
(前年同月および前月輸入実績なし)
 
 2月の1トン当たりの輸入価格は、11万5345円(前年同月比12.9%高、前月比4.8%安)と、前月から下落したものの、2月の輸入価格としては、依然として高水準の状態が続いている(図8)。

 国別の1トン当たりの輸入価格は、次のとおりであった。

タイ 11万4805円
(前年同月比14%高、前月比0.3%安)
中国 11万6771円
(同8.2%高、同2.6%高)
ボリビア 10万8942円
(同10.7%高、同1.3%高)
フィリピン 19万1500円
(前年同月および前月輸入実績なし)
 
【加糖調製品の輸入動向】
2月の輸入量は前月から11.7%減と大幅に減少


 財務省「貿易統計」によると、2014年2月の加糖調製品の輸入量は、4万591トン(前年同月比7.6%減、前月比11.7%減)であった(図9)。

 品目別の輸入量は、次のとおりであった。

ミルク調製品 1万968トン
(前年同月比13%減、前月比5%減)
ソルビトール調製品 8,573トン
(同4.8%減、同8%増)
その他調製品 6,118トン
(同10.6%増、同7.6%減) 
ココア調製品 5,825トン
(同16.2%減、同25%減)
 

4.市場の動き

 3月の砂糖の上白糖大袋価格(日経相場)は、東京は1キログラム当たり185〜186円、大阪は同186円、名古屋は同189円の水準で推移した。

 日経POSデータの小売店販売価格調査によると、3月の小袋のスーパーにおける平均小売価格は、次のとおりであった。

上白糖 1キログラム当たり186.2円
(前年同月比2.5円安、前月比0.1円安)
グラニュー糖 同222.4円
(同0.1円高、同0.3円高)
三温糖 同221.5円
(同0.1円安、同1.5円安)

 上白糖の小売価格を地域別に見ると、最も安かったのは関東など(茨城県、栃木県、群馬県、長野県、山梨県、静岡県)の同175.9円で、最も高かった中国四国の同207.1円と比較すると、同31.2円の価格差があった。

 3月の異性化糖の大口需要家向け価格(果糖分55%、東京、タンクローリーもの)は、1キログラム当たり140円〜141円の水準で推移した。

株式会社東京商品取引所

◎3月中 粗糖商況

 上旬は、主要生産国ブラジルの天候不安や世界的な生産減退懸念などからNY市場は上昇し、6日に一時18.47セントと、2013年10月末以来約4カ月ぶりの高値を付けた。

 中旬は、世界的に潤沢な在庫状況と中国経済の成長鈍化懸念、また、今年1月末からの価格上昇などが需要減退につながり、相場を圧迫したため、NY市場は17セント台前半まで下落した。

 下旬は、NY市場は、需要が減退するとの見方から引き続き下落し、一時約2週間ぶりの安値となる16セント台後半まで下げたものの、その後はエルニーニョなどの天候不安による生産高の減少懸念により上昇に転じ、28日には18セント台前半まで回復した。こうした動きを眺めながら、当社市場はおおむね4万4000円台で推移した。
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
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