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地域だより

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最終更新日:2014年7月29日

平成26年度大島本島地区さとうきび生産振興大会が開催される

2014年7月

鹿児島事務所 篠原 総一郎

 平成26年度大島本島地区さとうきび生産振興大会(主催:大島本島さとうきび生産対策本部 共催:奄美市さとうきび振興対策協議会、龍郷町さとうきび振興会、あまみ農業協同組合大島事業本部、富国製糖株式会社)が、7月4日(金)、鹿児島県奄美市の奄美市笠利農村環境改善センターにおいて開催された。当日は、梅雨明け間近を思わせる晴天の中、奄美大島内のさとうきび生産者の他、糖業関係者、自治体など約200名が参加した。

 大会の冒頭、主催者を代表して朝山毅本部長(奄美市長)が、「25年産については多少の干ばつはあったものの、24年産と比較して1万1337トン増の2万7995トンという生産量まで回復した。これも皆さまのご努力のたまものであり、さらなる回復に向けてご尽力を賜りたい」と開会のあいさつを述べた(吉富進 奄美市笠利総合支所長代読)。また、徳田康光副本部長(龍郷町長)も、「生産回復にはさとうきび増産基金が寄与した部分が大きい。今後とも基金を効果的に活用して、関係者一丸となって防除作業などを推進していきたい」と、同基金の重要性を強調した(平岡正見 龍郷町副町長代読)。

 続いて、当機構の薄井久雄総括理事および大島支庁農林水産部の奥真隆農政普及課長が祝辞を述べた。薄井総括理事は、「当機構は砂糖の価格調整制度の実施機関であり、生産者および製糖工場に交付金を交付している。この制度は、生産者と消費者が支え合って成り立っていることから、機構では、消費者の皆さまにさとうきび産業の重要性を周知するとともに、制度への理解を図る活動を行っている。今後も制度の適切な運営に努めていきたい」と、同制度の周知活動を報告した。また、奥課長は、「生産者の経営や製糖工場の操業の安定のためには、作付面積および単収の増加が重要で、27年産の夏植えも始まるこの時期、生産者の皆さまにおかれては作付けに励んでいただきたい」と26年産の増産を祈念した。
 
 
 富国製糖株式会社の有村成生代表取締役社長による情勢報告では、「今期は生産量の回復もさることながら、平均甘しゃ糖度も、前年比0.43度プラスの15.01度という水準になった。これは奄美5島および種子島の全6島の中で最も高い数値である」と総括した上で、「7月1日現在の茎長や葉数は平年並みとなっている模様で、26年産は島内生産量3万トンを達成したい」と来期に向けての意気込みが表明された。
 
 講演では、大島支庁の福重美久技術専門員が、7年ぶりに改訂された「さとうきび栽培ごよみ」の利用方法について、また、県農業共済組合連合会農産課の吉満浩一郎課長が、さとうきび共済の仕組みと加入の必要性についての講演を行い、参加者は熱心に聞き入っていた。
 
 今大会で採択されたスローガンは以下の4項目で、あまみ農業共同組合大島事業本部の土浜良二 奄美市さとうきび生産部会長が代表で朗読した。

○中耕培土・除草・施肥の肥培管理作業を徹底し生産量回復に努めよう。
○病害虫の早期発見と早めの防除に努めよう。
○さとうきび収穫面積600ヘクタール以上の確保により生産量を増やそう。
○地域と共生し、話し合い活動を通じて、さとうきびと農地を守ろう。

 最後に、あまみ農業共同組合大島事業本部の豊田孝一郎専務理事の発声により参加者全員でがんばろう三唱を行い、大会は閉会した。

 なお、本大会では大島本島地区優良生産者に対する表彰式も執り行われた。表彰を受けた生産者は次のとおり。

[生産量の部]
奄美市 榮 完治さん(収穫量:940.858トン)
龍郷町 有限会社ゆいなす(収穫量:130.446トン)

[単収の部]
奄美市 湊 春次さん(単収:8.88トン)
龍郷町 作下 秀一さん(単収:7.26トン)
 
 
 平成23〜24年の不作を乗り越えて生産回復を果たしつつある奄美大島のさとうきび生産。26年産においては島内3万トンの生産を達成できるよう、当機構としても、今後とも生産者の皆さまへの交付金交付業務の適切な運営に努め、支援を行ってまいりたい。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713