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砂糖類の国内需給

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最終更新日:2015年2月10日

砂糖類の国内需給

2015年2月

調査情報部

1. 需給見通し

 農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、四半期ごとに砂糖および異性化糖の需給見通しを公表している。12月に「平成26砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第2回)」を公表した。その概要は以下のとおりである。
 
(1)砂糖の消費量
前回見通しから1万6000トン減の199万6000トンの見通し

 平成26砂糖年度の砂糖の消費量は、前回見通しから1万6000トン減の199万6000トン(前年度比0.7%増)と見通している。内訳を見ると、分みつ糖の消費量は、近年の消費動向を基に、国際糖価の安定などが見込まれることを踏まえ、196万5000トン(同0.6%増)と見通している。含みつ糖の消費量は、近年の消費動向を勘案し、3万1000トン(前年度同)と見通している。

(2)砂糖の供給量
前回見通しから1万5000トン増の198万2000トンの見通し

 平成26砂糖年度の砂糖の供給量は、前回見通しから1万5000トン増の198万2000トン(前年度比0.9%増)と見通している。内訳を見ると、分みつ糖が196万5000トン(同1.0%増)、含みつ糖が1万8000トン(前年度同)と見通している。

 国内産分みつ糖の供給量の見通しでは、てん菜については、4月に十勝地方で発生した風霜害や4月中旬から5月の全道的な干ばつ傾向などの影響により、ほ場間で格差はあるものの、全体としては8月中旬以降、低温・少雨傾向で推移したことから、生育はおおむね順調に推移し、産糖量は60万6000トン(同10.0%増)と、前年度からかなりの程度増加する見通しとなった。

 サトウキビについては、夏場に一定の降雨や日照があったことや、問題となるような病害虫被害がなかったことから、生育は全体的には順調であるが、地域によっては台風18号と19号による葉片裂傷や潮害による登熟の遅れがみられることから、産糖量は14万トン(同3.7%増)と、前年度からやや増加する見通しとなった。
 
(3)異性化糖の需給見通し
前回見通しから1000トン減の80万6000トンの見通し

 異性化糖の消費量は、近年の消費動向などを踏まえ、80万6000トン(前年度比0.7%減)と見通す。異性化糖の供給量は、消費量に見合った量が供給されるものとして見通している。
 

2. 異性化糖の移出動向

2014年の移出量は前年からやや減少
 
2014年12月の異性化糖の移出数量は、5万8099トン(前年同月比0.8%減、前月比0.8%増)となった(図1)。2014年の移出量は、84万1459トン(前年比2.6%減)と、夏場の低温の影響などにより前年からやや減少した(図2)。
 
 2014年12月の規格別の移出量は、次のとおりであった(図3)。

果糖含有率40%未満 359トン(前年同月比14.1%減、前月比10.3%減)
果糖含有率40%以上50%未満 1万7184トン(同1.6%増、同8.5%増)
果糖含有率50%以上60%未満 3万9087トン(同1.2%減、同2.2%減)
果糖含有率60%以上 1469トン(同12.5%減、同3.5%増)
 

3. 輸入動向

【分みつ糖の輸入動向】
11月の輸入量は前年同月および前月から大幅に減少

 財務省「貿易統計」によると、2014年11月の分みつ糖の輸入量は、13万1689トン(前年同月比11.0%減、前月比8.4%減)と、前年同月から大幅に減少し、11月の輸入量としては、直近3年間で最低水準となった(図4)。輸入先国はタイ、豪州、米国の3カ国であった。

 2014年11月の国別の輸入量は次のとおりであった(図5)。

タイ 9万9013トン (前年同月比68.7%増、前月比116.4%増)
豪州 3万2660トン (同63.4%減、同60.6%減)
米国 16トン (同128.6%増、同38.5%減)

 タイからの輸入量が前年同月および前月から大幅に増加した一方で、豪州からの輸入量が前年同月および前月から大幅に減少した。
 
 2014年11月の1トン当たりの輸入価格は、4万4624円(前年同月比4.1%安、前月比0.3%高)となった(図6)。

 同月の国別の1トン当たりの輸入価格は、次のとおりであった。

タイ 4万4947円 (前年同月比0.02%安、前月比6.5%高)
豪州 4万3561円 (同8.3%安、同1.8%安)
米国 21万3063円 (同44.3%安、同22.2%高)
 
【含みつ糖の輸入動向】
11月の輸入価格は前年同月および前月から大幅に上昇

 財務省「貿易統計」によると、2014年11月の含みつ糖の輸入量は、407トン(前年同月比70.3%増、前月比63.5%増)と、前年同月および前月から大幅に増加した(図7)。輸入先国は、ボリビア、ブラジル、フィリピン、モーリシャス、タイの5カ国であった。

 同月の国別の輸入量は次のとおりであった(図8)。

ボリビア 221トン (前年同月比24.2%増、前月比3.2倍増)
ブラジル 114トン (前年同月および前月輸入実績なし)
フィリピン 29トン (前年同月および前月輸入実績なし)
モーリシャス 22トン (前年同月および前月輸入実績なし)
タイ 21トン (前年同月同、前月輸入実績なし)
 
 11月の1トン当たりの輸入価格は、16万5688円(前年同月比59.1%高、前月比42.6%高)と、前年同月および前月から大幅に上昇し、直近3年間で最高水準となった(図9)。

 国別の1トン当たりの輸入価格は、次のとおりである。

ボリビア 12万8014円 (前年同月比20.7%高、前月比3.4%高)
ブラジル 25万2991円 (前年同月および前月輸入実績なし)
フィリピン 20万8103円 (前年同月および前月輸入実績なし)
モーリシャス 10万6545円 (前年同月および前月輸入実績なし)
タイ 9万1619円 (同4.0%高、前月輸入実績なし)
 
【加糖調製品の輸入動向】
11月の輸入量は前月からやや減少

 財務省「貿易統計」によると、2014年11月の加糖調製品の輸入量は、4万8179トン(前年同月比0.7%増、前月比4.1%減)となった(図10)。

 品目別の輸入量は、次のとおりであった。

ミルク調製品 1万1057トン (前年同月比5.0%増、前月比17.0%減)
ソルビトール調製品 1万877トン (同11.9%増、同3.6%減)
ココア調製品 8586トン (同12.8%増、同0.1%減)
その他調製品 7513トン (同3.0%増、同9.1%増)
調製した豆(加糖あん) 5543トン (同14.5%減、同2.8%減)
穀粉調製品 4549トン (同26.1%減、同2.3%増)
コーヒー調製品 54トン (同14.7%減、同65.8%増)
 

4. 価格の動き

【市場価格】
 12月の上白糖大袋価格(日経相場)は、東京は1キログラム当たり185〜186円、大阪は同186円、名古屋は同189円、関門は同189円と、前月と同水準で推移した。また、同月の本グラニュー糖大袋価格(日経相場)は、東京は同190〜191円、大阪は同191円、名古屋は同194円と、前月と同水準で推移した。

 12月の異性化糖の大口需要家向け価格(果糖分55%、東京、タンクローリーもの)は、1キログラム当たり137円〜138円と、前月と同水準で推移した。

【小売価格】
 日経POSデータによると、12月の小袋(1キログラム)のスーパーにおける平均小売価格は、以下のとおりであった。

上白糖 180.9円 (前年同月比5.4円安、前月比3.9円安)
グラニュー糖 223.4円 (同0.3円安、同0.2円安)
三温糖 215.1円 (同5.5円安、同5.0円安)

 上白糖の販売価格を地域別に見ると、関西(前月比0.8円高)と九州(同1.2円高)で上昇した(図11)。一方、その他の地域では下落しており、特に、関東などでは同16.6円安と大きく下落した。

 最も安かったのは関東などの158.9円で、最も高かった中国・四国の195.9円と比較すると、37円の価格差があった。
 
 グラニュー糖の販売価格を地域別に見ると、北海道で前月から1.2円上昇したが、その他の地域ではおおむね前月と同水準で推移した(図12)。最も安かったのは北海道の185.5円(前月比1.2円高)で、最も高かった関東などの240.6円(同0.3円高)と比較すると、55.1円の価格差があった。
 
 三温糖の販売価格を地域別に見ると、北海道(前月比6.3円高)と東北(同1.4円高)で上昇した。一方、関東など(同12.3円安)と首都圏(同11.9円安)では前月から大きく下落した。その他の地域では前月とおおむね同水準となった(図13)。最も安かったのは中部の206.2円(同1.0円安)で、最も高かった北海道の235.6円(同6.3円高)と比較すると、29.4円の価格差があった。
 
【購入金額および購入量】
 総務省「家計調査」によると、2014年11月の1世帯当たりの砂糖に係る支出金額は、102円(前年同月比5.6%安、前月比4.1%高)となった(図14)。また、同月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は、500グラム(同2.7%増、同4.6%減)となった(図15)。
 
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