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清涼飲料業界の今

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最終更新日:2015年6月10日

清涼飲料業界の今

2015年6月

一般社団法人全国清涼飲料工業会
専務理事 岩尾 英之

 今、まさに最盛期を迎えている清涼飲料業界。今年の第1四半期は昨年の消費増税の仮需の反動から前年割れした模様だが、4月は昨年が増税後の落ち込みで減少した裏返しから伸ばし、また、大きな山場となるゴールデンウィークも全国的に天候にも恵まれ好調のようだ。次から解説するように昨年、生産量が前年割れしており、今年は何とか盛り上がりを期待している。

 最初に2014年の清涼飲料業界の状況について説明したい。昨年の生産量は、2004万2500キロリットル(前年比99.1%)であり(図1)、生産者販売金額は、3兆6476億円(同99.5%)であった。一昨年までは4年連続のプラス成長を続けてきたが、昨年は4月の消費増税、全国的な冷夏、天候不順などが重なり、5年連続の記録更新はできなかった。
 
 カテゴリー別では、炭酸飲料が前年比100.8%、果実飲料などが同94.5%、コーヒー飲料などが同100.8%、茶系飲料が同99.8%、ミネラルウォーターが同101.8%、野菜飲料が同97.9%、スポーツ・機能性飲料が同90.7%となっている(図2)。冷夏、天候不順でスポーツ・機能性飲料が大きく前年割れ、コンビニのカウンターコーヒーの攻勢で販売量が注目された缶コーヒーはボトル缶が伸びほぼ前年並みと健闘した。ボリュームの大きい茶系飲料もほぼ前年並みであった。
 
 容器別生産量では、PETボトルが前年比99.6%、缶が同97.6%、びんが同92.6%、紙容器が同97.1%と傾向は変わらない。しかし缶の内訳では、アルミSOT缶(注)が同121.2%と大きく伸び、反面スチールSOT缶が同83.4%と大きく落ち込んだ(表1)。これは一部メーカーがスチール缶からアルミ缶にシフトした影響と思われる。従来、衛生面からアルミ缶でのミルク入り缶コーヒーの製造などについては、公益社団法人日本缶詰びん詰レトルト食品協会により、製造自粛するよう指導がなされてきた。これが昨年8月、殺菌技術の進歩やHACCP認定工場が広まってきたことなどから、この製造自粛が解除され、一般社団法人全国清涼飲料工業会(以下「全清飲」という。)に届け出を行うことで可能になったことに由来する。

(注)SOT缶とは、タブを引き起こしてから戻すと飲み口が開き、タブ自体が缶体から外れない構造になっている缶のこと。
 
 容器別構成比では、PETボトル69.5%、缶17.0%、紙容器8.9%、びん1.5%であった(図3)。PETボトルの構成比は前年より0.2ポイント上昇した。
 
 以上の通り昨年は厳しい環境下であったが、会員各社の積極的なマーケティング活動や新商品の投入などにより、その影響は最小限に食い止められたのではないかと評価している。また、特定保険用食品など付加価値商品の成長が継続し、高価格帯飲料が登場するなど、今後期待できる取り組みがさまざまスタートしているのも事実である。

 消費増税対応についても少し述べてみたい。ご承知の通り、昨年4月より8%に増税されたわけであるが、全清飲は2013年11月、転嫁・表示カルテルの届け出を行った。増税分を転嫁していくことはもちろんであるが、問題なのは「自動販売機」であった。自動販売機は構造上10円単位でしか対応できない。そこで全清飲の転嫁カルテルでは、消費税増税分を上乗せした結果、計算上生ずる端数の処理については、「切り上げ」を選択した。そしてその対象は自動販売機で販売する清涼飲料製品とし、消費者から適正な転嫁と理解されるよう、また消費者の信頼を得られるよう、必ずしもすべての商品を10円切り上げるわけではないことを説明した。各社ごとに、全体として消費税率の引き上げ幅の適正な転嫁となるよう、さまざまな対策をとるなどの方針を決めた。これにより容量の変更であるとか、品質改善のための新製品とか価格据え置き製品など、バラエティに富んだ商品群が登場してきたのである。

 最後に、最近の海外の清涼飲料事情について紹介したい。全清飲も加盟している国際清涼飲料協議会(International Council of Beverages Associations)での最近の話題は、大型サイズ清涼飲料規制問題、炭酸飲料などの砂糖入り清涼飲料に対する「ソーダ税」問題、エナジードリンクのカフェイン含有量の問題、未成年者への広告規制問題、今年3月にWHOが発表した砂糖摂取に関するガイドライン問題などがある。

 特にWHOのガイドラインでは、従来成人の砂糖摂取量について、1日に摂取する総カロリー量の10%未満が望ましいとされてきたが、これを今回「5%未満」としたものである。5%は砂糖換算だと25グラム、ティースプーン6杯分、250ミリリットルの炭酸飲料の缶で約25グラムとなり、340ミリリットルの缶1本で超えてしまう。WHOは肥満や虫歯予防対策のためと主張しているが、ICBAや米国の飲料団体は飲料だけが原因ではないと第三者意見も添えて強く反発している。幸い日本では肥満問題は大きな社会問題となっていないが、今後の各国の動きに注視していきたいと考えている。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713



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