砂糖 砂糖分野の各種業務の情報、情報誌「砂糖類情報」の記事、統計資料など

ホーム > 砂糖 > 地域だより > 地域だより

地域だより

印刷ページ

最終更新日:2015年6月22日

平成27年度公益社団法人鹿児島県糖業振興協会定時総会の開催について

2015年6月

鹿児島事務所 所長 真弓 正展

 平成27年5月28日(木)、鹿児島市内において、平成27年度公益社団法人鹿児島県糖業振興協会の定時総会が開催された。  

 同協会は、鹿児島県内におけるさとうきびおよび甘しゃ糖の生産振興、さとうきびの品質取引の円滑な運営ならびに酒造用含みつ糖の生産安定を図ることにより、さとうきび生産農家の経営の向上および甘しゃ糖業の振興に寄与することを目的として、昭和49年に設立された。鹿児島県をはじめ、さとうきび生産が行われている市町村、鹿児島県農業協同組合中央会、鹿児島県経済農業協同組合連合会、農業協同組合、製糖会社、酒造関係団体など28会員で構成されている。

 今回の総会では、鹿児島県農政部長や日本甘蔗糖工業会会長をはじめ28名が出席し(代理出席4名および書面による議決権行使13名を含む)、平成26年度事業報告や決算が審議・承認されたほか役員の改選が行われた。また、平成27年2月の理事会で決定された平成27年度の事業計画および収支予算について報告が行われた。

1、平成26年度事業報告

 同協会が平成26年度において実施した事業について報告が行われた。以下、主な事業について紹介する。

○さとうきび品質取引対策基金事業
 糖度に応じた品質取引を円滑に実施していくため、各製糖工場に品質取引立会人を設置するとともに、立会人を対象に品質の測定方法や原料劣化が品質に及ぼす影響などに関する研修会を喜界島で実施した。また、鹿児島県農業開発総合センター徳之島支場に委託して、細裂NIR法による霜害原料の品質評価について、これまで開発された検量線の精度調査を実施した。さらに、さとうきび生産改善共励会を実施し、県内の優秀な農家や団体を表彰した。

○さとうきび試験研究事業
 さとうきびの新品種の選定や技術開発研究、栽培管理技術の普及を図るため、鹿児島県内のさとうきびおよび糖業の関係者を一堂に集め、鹿児島市内において「基本技術の励行によるさとうきび単収の向上」をテーマにシンポジウムを開催するなど情報の共有を図った。

○さとうきび増産基金事業
 国の平成24年度補正予算および平成25年度補正予算において造成された基金を活用し、平成23〜25年産における不作から早期に回復を図り、さとうきびの安定生産体制を緊急に確立するため、生産者の生産回復に向けた取り組みや製糖会社の施設整備などの支援を行った。生産者に対してはメイチュウ、ハリガネムシ防除や堆肥施用などの土づくり、農業機械リース導入に対する支援を行った。一方、製糖会社に対しては生産性向上や環境負荷軽減に資する施設整備や機能強化などの取り組みに助成を実施した。
 なお、平成27年度は平成26年度末時点の基金の残額を活用し、セーフティーネット基金に移行し、さとうきびの生産・加工の各段階において自然災害の発生状況に応じた対策が行われる予定である。

2、平成27年度事業計画および収支予算

 次に、平成27年度における事業計画および収支予算について報告が行われた。

 平成27年度における新たな取り組みとして、「さとうきび増産推進支援事業」の創設が報告された。この事業はセーフティーネット基金となる「さとうきび増産基金」事業において助成対象とならない、増産のための推進活動や課題解決のための調査・実証などについて、各地域の重点課題に応じた取り組みを支援するものである。原則として各市町村単位の糖業振興会が対象となるが、島別のさとうきび生産対策本部も事業実施主体となることが可能である。

 このほか、さとうきび試験研究事業として、新たに生分解性マルチ資材の選定と早期高糖性品種でのマルチ効果の実証および台風などによる葉の損傷後の生育回復技術の確立についての研究を県の研究機関に委託して実施することが報告された。
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713