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地域だより

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最終更新日:2015年8月11日

子どもたちに実験などを通じて砂糖・てん菜をPR
−『わくわく夏休み子ども見学デー』−

2015年8月

札幌事務所 坂上大樹

 当事務所は、平成27年7月30日(木)、31日(金)の2日間、林野庁北海道森林管理局の庁舎内で開催された「わくわく夏休み子ども見学デー」(主催:農林水産省北海道農政事務所、林野庁北海道森林管理局)において、子どもたちやその保護者を対象として砂糖の価格調整制度の役割や必要性、砂糖の特性などについて学んでもらおうと、「砂糖のひみつ」と題した体験型講座(以下「ミニ講座」)を実施した。

 今回で4回目となる本見学デーは、子どもたちが、普段経験できないさまざまな体験や物作りを通じて、農林水産業の役割や国の施策について理解を深め、社会学習の一環として役立ててもらうことを目的に開催されており、今年は、子どもとその保護者合わせて延べ400名を超える参加があった。
 
 ミニ講座では、価格調整制度を分かりやすく解説したパンフレットや下敷きなどを参加した子どもたち全員に配布した他、砂糖やてん菜に関するパネル、砂糖のサンプル、本物のてん菜などを展示した。

 はじめに、「てん菜」は砂糖の原料であり、北海道農業の基幹作物の1つであることを、小学生の子どもたちにも理解できるようパネルなどを使いながら分かりやすく説明した。その後、クイズを交えて砂糖やてん菜に関する知識を楽しく学んでもらったり、砂糖で割れにくいシャボン玉を作る実験を実演したりし、その理由や砂糖の特性などについて学んでもらった(実験の方法などは末尾参照)。

 参加した子どもたちは、熱心にミニ講座を受講し、実験ではシャボン玉を手の上で弾ませると子供たちから大きな歓声が上がった。ミニ講座終了後、参加した子どもたちからは「とても勉強になった」「しゃぼん玉作りは家に帰ってからやってみようと思った」といった感想が聞かれた。
 
 
 また、ミニ講座の合間を利用して、保護者を対象に砂糖の価格調整制度の説明を行い、その理解度を把握するためのアンケートも実施した。その結果は、以下の通り。
 
 ミニ講座に参加して砂糖の価格調整制度への理解が深まったかを尋ねたところ、「たいへん深まった」が45.5%(対前年度差11.6ポイント減)、「ある程度深まった」が47.3%(同11.6ポイント増)という結果であり、9割以上の回答者の理解が得られた。  

 また、砂糖に対するイメージとしては以下のような結果が得られた。(複数回答含む)
 
 最も回答が多かったのは、「脳や体のエネルギー源」(回答数:45)、次いで「料理に必要な調味料」と「虫歯の原因」(同:42)であった。
 砂糖に対する誤解やマイナスなイメージとして最も回答が多かったのは、「虫歯の原因」(同:42)、次いで「食べると太る」(同:31)、「糖尿病の原因」(同:18)であった。
 上位5位中2つも砂糖に対する誤解やマイナスイメージがランクインし、子育て世代へのマイナスイメージを払拭する取り組みを推進する必要がある。

 ミニ講座に対しては、「価格調整制度の説明は勉強になった」「『砂糖=さとうきび』だと思っていたが、てん菜について知るきっかけができた」「(消費者に対し)砂糖の正しい知識を継続的に周知させることが大切だと思った」などの感想、意見が寄せられた。

 これらを励みに、今後もこのようなイベントの場を積極的に活用して、子育て世代に対して砂糖の正しい知識の啓蒙を図るとともに、砂糖の価格調整制度の理解浸透に関する取り組みについても引き続き尽力していきたい。

〜 砂糖で割れにくいシャボン玉を作ってみよう! 〜

 
 砂糖は、食べものを甘くするためのものと思っていませんか?
 その甘くするは、砂糖の“力”のほんの一部です。砂糖の性質の代表例である、『 砂糖は水と
なじみやすい 』という性質を、シャボン玉を通して実感してみましょう。
 
1.準備するもの              
(1) グラニュー糖(砂糖)  15g  (2) 水  50g  (3) プラスチック容器  1個
(4) 食器用洗剤(界面活性剤30%以上のもの)  5g  (5) 軍手 1枚
(6) ストロー 1個
 
2.作り方
(1) 砂糖を水に溶かす
  プラスチック容器に、常温の水50g、砂糖15gを入れ、スプーンなどでかき混ぜ、砂糖を
完全に溶かします。
(2) シャボン液を作る
  (1)に洗剤5gを入れて、泡立たないようにゆっくりとかき混ぜます。
  これでシャボン液は完成です。
 
3.遊び方(注1)
(1) ストローにシャボン液を付けて、下を向いて、ゆっくりとふくらませます。
(2) できあがって落ちてくるシャボン玉を軍手をはめた手の上で優しく弾ませると…
 
4.解説
(1) なぜシャボン玉は割れるのか
 シャボン玉が割れる(注2)のは、しゃぼん玉から水分が蒸発し、膜が徐々に薄くなることに
より、形が保てなくなるからです。
(2) 割れにくいシャボン玉を作るヒント
 シャボン玉から水分が蒸発するのを抑えることができれば、割れにくいシャボン玉を作る
ことが可能です。
(3) 砂糖と割れにくいシャボン玉の関係
 そこで登場するのが砂糖です。
 砂糖には、水の分子を抱え込んで、なかなか離さない性質(=親水性と保水性)がありま
す。割れにくいシャボン玉は、この性質を利用しています。
 シャボン液に砂糖を加えてシャボン玉を作ると、シャボン玉の膜から水分が逃げる(=蒸
発する)のを抑えることができ、結果、割れにくくなります。
 


 
(注1)小さなお子さまなどが遊ぶ際は、必ず保護者と一緒に行ってください。
    また、シャボン玉は、割れると液が飛散します。肌が弱い方などが遊ぶときは、長袖・長ズボン・マスクなどを着用してください。シャボン玉が落ちた床は非常に滑りやすいので、必ず乾いた雑巾できれいに拭き取ってください。
(注2)重力の影響や手で触れるなどの物理的な要因でもシャボン玉は割れます。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713