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地域だより

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最終更新日:2015年9月28日

平成27年度てん菜そう根病抵抗性検定試験などの現地調査について

2015年9月

札幌事務所 坂上 大樹

 一般社団法人北海道てん菜協会の主催による平成27年度てん菜そう根病抵抗性検定試験などの現地調査が、平成27年9月8日(火)・9日(水)の2日間行われた。
 当事務所は、この現地調査に同行したため概要を報告する。

 現地調査の対象となった試験は、病害抵抗性の優劣を判定する試験で、海外の品種を新品種候補として選抜する予備試験の1つである。この試験で良い成績を示したものが品種検定試験の供試候補となる。
 現地調査には、行政、研究機関、製糖会社などの関係者約20名が参加し、供試されている品種を比較しながら共通点や違いを考察する姿、参加者同士で活発な意見交換を行う姿などが多数見られた。
 

1 抵抗性試験に係る現地調査

(1)そう根病の抵抗性試験
 そう根病は、カビの一種である土壌菌によって媒介されるウイルス病で、発病すると、葉には縮れや黄化症状が現れ、根部は肥大せず、根中糖分が著しく低下する。
 
(2)褐斑病の抵抗性試験
 褐斑病は、カビ(糸状菌)が葉面に付着することにより発病する病気で、胞子が増殖することで葉が黒く変色し、枯死する。葉の枯死や新葉の再生により根部の生長が阻害され、根中糖分が低下する。
 

2 西部萎黄病に係る視察調査

 現地調査の実施に併せ、西部萎黄病の発生程度やこれまでの対策の効果を把握するとともに、今後の効果的な防除対策を検討するため、一般ほ場(生産活動が行われているほ場)の視察調査も行われた。

 現在のところ(9月8日現在)、西部萎黄病の目立った発生は見られない。現地調査後の検討会では、この状況について冬季休耕中のビニールハウスのクリーニングや適期防除の徹底が一定程度の効果があったことを示唆しながらも、ほ場の局所的に発生が認められることから、収穫の最盛期を迎える10月中旬ごろまで発生状況の推移を注視していく必要があるとし、引き続き、生産者に対する指導の徹底および綿密な連携を図ることを関係者一同で確認した。
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
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