砂糖 砂糖分野の各種業務の情報、情報誌「砂糖類情報」の記事、統計資料など

ホーム > 砂糖 > 地域だより > 地域だより

地域だより

印刷ページ

最終更新日:2015年11月11日

平成27年度大島本島地区さとうきび生産振興大会の開催について

2015年8月

鹿児島事務所所長 真弓 正展

 平成27年度大島本島地区さとうきび生産振興大会(主催:大島本島さとうきび生産対策本部 共催:奄美市さとうきび振興対策協議会、龍郷町さとうきび振興会、あまみ農業協同組合大島事業本部、富国製糖株式会社)が、8月4日(火)、鹿児島県奄美市の奄美市笠利農村環境改善センターにおいて開催された。当日は、奄美大島内のさとうきび生産者の他、糖業関係者、自治体など約200名が参加した。

 大会の冒頭、主催者を代表して朝山毅本部長(奄美市長)が「26年産についてはさとうきび増産基金を活用し、肥培管理対策、病害虫防除対策を行ったが、昨秋の大型台風の影響やメイチュウによる食害の追い打ちから25年産と比較して7065トン減の2万2144トンと厳しい生産量となった。27年産は生産者、製糖会社、関係団体の皆さまが協力して生産回復に向けてご尽力を賜りたい」と開会のあいさつを述べた。また、徳田康光副本部長(龍郷町長)も「25年産は2年続いた不作から回復したが、26年産は春先の低温、秋の台風の影響でまた不作となった。27年産は肥培管理をしっかり行い、117ヘクタールの夏植えの目標を達成してもらいたい。生産者、製糖工場、関係団体との連携を密にし、さらなる生産拡大を推進していきたい」と作付け意欲の向上を呼び掛けた。
 
 
 続いて、当機構の内畠総括調整役は「さとうきびはこの地域における基幹作物であり、地元には製糖工場があって、まさに地域の経済が砂糖によって支えられている。地域内で完結したチェーンを人的にも産業的にも古くから有しており、地域が一体となって地域のことを考えられる基盤が備わっているという強みを生かし、引き続き意欲的な生産に取り組まれるよう期待している」とあいさつした。また、大島支庁農林水産部の東洋行部長は「さとうきび栽培はハーベスタ収穫が全体の90%以上と農作業の機械化が進んでいる。鹿児島県農業開発総合センター徳之島支場では、土壌が固くても安定して作業できるクローラ型トラクターを活用した栽培管理技術の研究も進められている。栽培機械を有効に使用して、さとうきび栽培に励んでいただきたい」とあいさつした。
 
 
 富国製糖株式会社の有村成生代表取締役社長による現況報告では「平成26年産は、昨年10月に2週連続で襲来した台風やメイチュウ被害が重なり、前期比6874トン減、平均甘しゃ糖度も、前期比1.06度マイナスの13.95度という水準になった。農家手取り価格も2万1982円と前期比902円減少した」との報告と「8月1日現在、茎長は平年並みだが、茎数が少ない。今年1〜3月上旬の低温が原因ではないかと分析している。生産回復には収穫面積の確保と単収アップが不可欠。夏植え目標117ヘクタールを目指して取り組んでほしい」と27年産への意気込みの表明があった。
 
 講演では、鹿児島県農業開発総合センター大島支場の嶽ア研 研究専門員から「イネヨトウの防除対策」と題して、奄美地域で平成23年以降被害が発生しているイネヨトウの特徴や防除などについての話があり、参加者は熱心に聞き入っていた。

 今大会で採択されたスローガンは以下の6項目で、あまみ農業協同組合大島事業本部の牧野勝久龍郷町さとうきび生産部会長が代表で朗読した。

 ○中耕培土・除草・施肥の肥培管理作業を徹底し生産量回復に努めよう。
 ○病害虫の早期発見と早めの防除に努めよう。
 ○さとうきび収穫面積600ヘクタール以上の確保により生産量を増やそう。
 ○たい肥、緑肥投入による土づくりを行い単収向上を図ろう。
 ○地域と共生し、話し合い活動を通じて、さとうきびと農地を守ろう。
 ○夏植推進目標面積117ヘクタール達成に向けて努めよう。


 最後に、あまみ農業共同組合大島事業本部の柳東洋男統括理事の発声により参加者全員でガンバロウ三唱を行い、大会は閉会した。

 なお、本大会では平成26年産大島本島地区優良生産者に対する表彰式が併せて執り行われた。表彰を受けた生産者は次の通り。

[生産量の部]
 奄美市 榮 完治さん(収穫量:960.212トン)
 龍郷町 有限会社ゆいなす(収穫量:196.721トン)

[単収の部]
 奄美市 大瀬武麿さん(単収:5.07トン)
 龍郷町 松井辰彦さん(単収:4.31トン)
 
 
 平成27年産は、不作であった平成26年産に比べれば増産になる見込みであるものと聞いており、今後のさとうきびが増産、生産回復となることを祈念し、当機構としても、今後とも生産者の皆さまへの交付金交付業務の適切な運営に努め、支援を行ってまいりたい。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713