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砂糖類の国内需給

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最終更新日:2015年12月10日

砂糖類の国内需給

2015年12月

調査情報部

1. 需給見通し

 農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、四半期ごとに砂糖および異性化糖の需給見通しを公表している。9月に「平成27砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第1回)」を公表した。その概要は以下の通りである(詳細は2015年10月号参照)。
 

2. 異性化糖の移出動向

10月の移出量は前年同月と同水準
 2015年10月の異性化糖の移出数量は、5万9936トン(前年同月比0.3%減、前月比1.9%減)と、4カ月連続の減少となった(図1)。
 同月の規格別の移出量は、次の通りであった(図2)。

果糖含有率40%未満 382トン (前年同月比10.6%増、前月比7.5%増)
同40%以上50%未満 1万7437トン (同0.7%減、同3.4%増)
同50%以上60%未満 4万1270トン (同0.4%増、同4.6%減)
同60%以上 848トン (同25.1%減、同39.4%増)
 

3. 輸入動向

【分みつ糖の輸入動向】
9月の輸入価格は前年同月から大幅に下落

 財務省「貿易統計」によると、2015年9月の分みつ糖の輸入量は、7万6557トン(前年同月比19.0%増、前月比29.8%増)であった(図3)。輸入先国はタイ、米国の2カ国で国別の輸入量は次の通りであった(図4)。

タイ 7万6512トン (前年同月比55.1%増、前月比29.8%増)
米国 45トン (同104.5%増、同6.3%減)

 なお、豪州からの高糖度原料糖(糖度98.5度以上99.3未満、HSコード1701.14-200)の輸入量は3万5951トンであり、本年5月以降の輸入量の累計は、10万8417トンとなった。
 
 2015年9月の1トン当たりの輸入価格は、3万7816円(前年同月比17.2%安、前月比7.0%安)となった。なお、4万円を下回ったのは2009年11月以来であった(図5)。
 同月の国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。

タイ 3万7710円 (前年同月比13.7%安、前月比7.0%安)
米国 21万7600円 (同20.3%高、同1.4%高)
 
【含みつ糖の輸入動向】
9月の輸入量は前年同月および前月から大幅に増加

 財務省「貿易統計」によると、2015年9月の含みつ糖の輸入量は、404トン(前年同月比78.0%増、前月比75.7%増)となった(図6)。輸入先国は中国、フィリピン、米国の3カ国であった。
 同月の国別の輸入量は次の通りであった(図7)。

中国 369トン (前年同月比71.6%増、前月比181.7%増)
フィリピン 31トン (同158.3%増、同63.2%増)
米国 4トン (前年同月および前月輸入実績なし)
 
 2015年9月の1トン当たりの輸入価格は、12万8621円(前年同月比8.8%高、前月比7.0%安)となった(図8)。
 国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りである。

中国 12万4818円 (前年同月比10.2%高、前月比7.9%安)
フィリピン 16万4839円 (同20.1%安、同22.3%安)
米国 19万8750円 (前年同月および前月輸入実績なし)
 
【加糖調製品の輸入動向】
9月の穀粉調製品の輸入量は前年同月から大幅に減少

 財務省「貿易統計」によると、2015年9月の加糖調製品の輸入量は、4万6890トン(前年同月比4.7%減、前月比7.9%増)となった(図9)。
 同月の品目別の輸入量は、次の通りであった。

ミルク調製品 1万3641トン (前年同月比4.5%減、前月比6.3%増)
ソルビトール調製品 1万640トン (同10.2%増、同9.8%増)
ココア調製品 7609トン (同4.1%減、同17.7%増)
その他調製品 6632トン (同7.8%減、同2.5%減)
調製した豆(加糖あん) 5428トン (同9.4%減、同15.4%増)
穀粉調製品 2917トン (同29.5%減、同1.3%減)
コーヒー調製品 24トン (同17.2%減、同118.8%増)
 

4. 価格の動き

【市場価格】
 10月の上白糖大袋価格(日経相場)は、東京は1キログラム当たり183〜186円、大阪は同184〜186円、名古屋は同187〜189円、関門は同187〜189円となった。10〜12月期の平均輸入価格の引き下げを受け、製糖メーカーが出荷価格を同2円引き下げたことから、東京、大阪では9日、名古屋、関門では13日以降の価格が同2円下落した。

 また、同月の本グラニュー糖大袋価格(日経相場)は、東京は同188〜191円、大阪は同189〜191円、名古屋は同192〜194円となった。上白糖と同様に東京、大阪では9日、名古屋では13日以降の価格が同2円下落した。

 10月の異性化糖の大口需要家向け価格(果糖分55%、東京、タンクローリーもの)は、1キログラム当たり137円〜138円と、前月と同水準で推移した。

【小売価格】
10月の上白糖小袋の平均小売価格は前月からわずかに上昇

 日経POSデータ(全国200店舗)によると、10月の小袋(1キログラム)のスーパーにおける上白糖の平均小売価格は、184.5円(前年同月比0.3円高、前月比0.7円高)であった。
 同月の地域別(注)の平均小売価格は、次の通りであった。

北海道 175.3円 (前年同月比2.0円安、前月比0.4円安)
東北 188.0円 (同5.7円安、同0.3円高)
関東など 185.0円 (同8.0円高、同3.5円高)
首都圏 186.4円 (同0.6円安、同0.8円高)
中部 184.8円 (同6.2円高、同0.1円安)
関西 176.8円 (同9.1円安、同0.7円安)
中国・四国 198.0円 (同3.5円高、同0.8円安)
九州 183.0円 (同0.3円高、同1.2円高)

 前月と同様に最も高かったのは中国・四国で、最も安かった北海道との価格差は22.7円であった。

(注)地域の内訳は次の通りである。以下、グラニュー糖および三温糖も同じである。
  関東など:茨城県、栃木県、群馬県、長野県、山梨県、静岡県
  首都圏:東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県
  中部:新潟県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、三重県、愛知県
  関西:大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、和歌山県、奈良県


10月のグラニュー糖小袋の平均小売価格は九州で前年同月から16.9円上昇
 日経POSデータ(全国200店舗)によると、10月の小袋(1キログラム)のスーパーにおけるグラニュー糖の平均小売価格は、226.5円(前年同月比1.3円高、前月比0.2円高)であった。
 同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった。

北海道 184.5円 (前年同月比1.4円高、前月比1.2円安)
東北 231.6円 (同1.1円安、前月同)
関東など 246.1円 (同0.6円高、前月同)
首都圏 236.5円 (同0.4円安、同0.6円安)
中部 228.6円 (同4.1円高、同2.5円高)
関西 207.4円 (同0.4円安、同0.1円安)
中国・四国 229.6円 (前年同月同、前月同)
九州 230.4円 (同16.9円高、同1.1円高)

 前月と同様に最も高かったのは関東などで、最も安かった北海道との価格差は61.6円であった。

10月の三温糖小袋の平均小売価格は九州で前月から大きく25円下落
 日経POSデータ(全国200店舗)によると、10月の小袋(1キログラム)のスーパーにおける三温糖の平均小売価格は、215.2円(前年同月比0.9円安、前月比2.5円安)であった。
 同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった。

北海道 227.5円 (前年同月比8.8円安、前月比2.1円安)
東北 227.2円 (同7.6円高、前月同)
関東など 225.0円 (同6.8円高、同0.1円安)
首都圏 216.0円 (同4.9円安、同0.2円高)
中部 212.8円 (同5.5円高、同0.2円安)
関西 206.6円 (同0.3円高、前月同)
中国・四国 218.8円 (同11.2円高、同0.6円高)
九州 192.1円 (同24.4円安、同25.0円安)

 最も高かったのは北海道で、最も安かった九州との価格差は35.4円であった。九州は前月から25.0円安と大幅に下落したことから、最も安い地域となった。

【購入金額および購入量】
9月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は前月からかなり減少
 
総務省「家計調査」によると、2015年9月の1世帯(2人以上)当たりの砂糖に係る支出金額は、92円(前年同月比5.7%増、前月同)となった(図10)。また、同月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は、410グラム(同2.1%減、同10.1%減)となった(図11)。
 
 
 
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
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