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平成26年産甘味資源作物交付金の交付実績などについて

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最終更新日:2016年1月8日

平成26年産甘味資源作物交付金の交付実績などについて

2016年1月

特産業務部砂糖原料課

はじめに

 機構では「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」に基づき、サトウキビの生産者に対し、その生産コストのうち、砂糖の原料代として製糖事業者から生産者に支払われる額では賄えない部分について、経営安定対策として甘味資源作物交付金(以下「交付金」という)を交付している。

 本稿では、平成26年産の交付金の交付実績、交付金の交付決定を受けた生産者(以下「生産者」という)、交付金の交付対象となったサトウキビの収穫面積(以下「収穫面積」という)などについて、その概要を報告する。

1.交付金の交付実績

 26年産のサトウキビの生育状況は、鹿児島県は、10月に相次いで発生した台風により、葉の裂傷や塩害の被害があり、特に種子島地域では、5月以降の低温と日照不足に加え、台風被害の影響で生育が遅れ、登熟は進まなかった。

 沖縄県は、宮古地域・八重山地域は、平年並みの生育となったが、沖縄本島、伊是名島、久米島および南北大東島は、梅雨明け以降、日照不足で生育が遅れた。また、南北大東島では、7月および10月の台風により、葉の裂傷や塩害の被害の影響を受け、その後の少雨傾向により回復は遅れた。

 26年産の交付金の交付実績は、こうした状況を反映して、鹿児島県の交付決定数量は前年比7.6%減の46万4860トン、交付決定額は前年比12.1%減の72億7729万7000円となった。

 沖縄県の交付決定数量は前年比0.5%増の63万3953トン、交付決定額は前年比0.8%増の106億3837万5000円となった。

 両県とも、記録的な不作となった平成23年以降、交付決定数量および交付決定額は、低調に推移している(表1)。
 

2.生産者数および収穫面積

(1)26年産の鹿児島県の生産者数は前年比0.3%減の8050人、収穫面積は前年比8.3%増の1万255ヘクタール、1人当たりの収穫面積は127アールとなった(表2)。
 
(2)26年産の沖縄県の生産者数は前年比2.2%減の1万4280人、収穫面積は前年比0.7%減の1万2099ヘクタール、1人当たりの収穫面積は85アールとなった(表3)。
 
(3)両県とも制度開始の19年産以降、生産者数が減少している中、収穫面積は関係者一体となった取り組みの成果などにより、減少傾向に歯止めがかかっている。

3.面積規模別の生産者数

(1)26年産の鹿児島県の面積規模別生産者数は、収穫面積が1ヘクタール未満の生産者数は4613人で、全体(8050人)に占める割合は57.3%、1ヘクタール以上の生産者数は3437人で、全体に占める割合は、19年産の34.5%から42.7%へ増加している(表4)。
 
(2)26年産の沖縄県は、収穫面積が1ヘクタール未満の生産者数は1万559人で、全体(1万4280人)に占める割合は73.9%、1ヘクタール以上の生産者は3721人で、全体に占める割合は、19年産の18.9%から26.1%へ増加している(表5)。
 
(3)両県とも1ヘクタール以上の生産者数は、徐々に増加しているが、依然として零細規模の生産者が大宗を占めている。

4.面積規模別の収穫面積

(1)26年産の鹿児島県の面積規模別の収穫面積は、1ヘクタール未満の収穫面積を持つ生産者の収穫面積の合計は2378ヘクタールで、全体(1万255ヘクタール)に占める割合は23.2%、1ヘクタール以上の収穫面積の合計は7878ヘクタールで、全体に占める割合は、19年産の70.1%から76.8%へ増加している(表6)。
 
(2)26年産の沖縄県は、1ヘクタール未満の収穫面積を持つ生産者の収穫面積の合計は4318ヘクタールで、全体(1万2099ヘクタール)に占める割合は35.7%、1ヘクタール以上の収穫面積の合計は7781ヘクタールで、全体に占める割合は、19年産の55.2%から64.3%へ増加している(表7)。
 
(3)両県とも、1ヘクタール以上の収穫面積の割合が増加傾向となっており、規模の拡大が図れていると思われる。

5.要件区分別の生産者数

対象者要件の区分は、以下の通りである。

A−1:認定農業者、認定新規就農者、特定農業法人、特定農業団体、またはこれと同様の要件を満たす組織
A−2:収穫面積の合計が1.0ヘクタール以上である対象生産者(法人を含む)、または、収穫面積の合計が4.5ヘクタール以上である協業組織
A−3:基幹作業(耕起・整地、株出管理、植付け、防除、中耕培土、収穫)の面積の合計が4.5ヘクタール以上である共同利用組織の構成員または組合員
A−4:A−1、A−2の生産者または基幹作業面積の合計が4.5ヘクタール以上である受託組織、サービス事業体などに基幹作業を委託している者

(1)26年産の鹿児島県の要件区分別の生産者数は、A−1は841人で全体(8050人)の10.4%、A−2は213人で全体の2.6%、A−3は1331人で全体の16.6%、A−4は5665人で最も多く全体の70.4%となっている(図1)。
 
(2)26年産の沖縄県は、A−1は204人で全体(1万4280人)の1.4%、A−2は1465人で全体の10.3%、A−3は6840人で最も多く全体の47.9%、A−4は5771人で全体の40.4%となっている(図2)。
 

6.年代別の生産者数

(1)26年産の鹿児島県の年代別の生産者数は、40代以下の生産者数は1248人で全体の15.5%、50代は2074人で全体の25.8%、60代は2181人で全体の27.1%、70代は1644人で全体の20.4%、80代以上は872人で全体の10.8%となっている(図3)。
 
(2)26年産の沖縄県は、40代以下の生産者数は1465人で全体の10.3%、50代は2951人で全体の20.7%、60代は4448人で全体の31.1%、70代は3259人で全体の22.8%、80代以上は2086人で全体の14.6%となっている(図4)。
 
(3)19年産以降の推移を見ると、60代以上の割合は、鹿児島県が51.1%から58.3%へ、沖縄県が57.1%から68.5%へ増加しており、高齢化が進行している(図3,4)。

おわりに

 サトウキビは、近年、春先の低温や台風、干ばつ、病害虫などの自然災害などにより不作が続いていることから、生産量の回復に向けて、JA、甘しゃ糖工場、県などの関係機関が一体となり、収穫面積の確保や株出管理作業・病害虫防除の適切な実施、新たな品種の導入などの取り組みを推進している。

 当機構としても、サトウキビの生産者および甘しゃ糖工場の皆さまの経営が安定するよう、制度の円滑な実施に努めてまいります。

 なお、19年産から26年産までの統計資料を当機構HPにて公表しています。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713