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4. 世界の砂糖需給に影響を与える諸国の動向(2015年12月時点予測)

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最終更新日:2016年1月8日

4. 世界の砂糖需給に影響を与える諸国の動向(2015年12月時点予測)

2016年1月

 
2015/16年度の砂糖生産量はやや減少、輸出量は前年度並みの見込み
 LMC Internationalの2015年12月現在の予測によると、2015/16砂糖年度(4月〜翌3月)のサトウキビの収穫面積は、849万ヘクタール(前年度比3.5%減)とやや減少するものの、生産量は6億5000万トン(同2.8%増)と、わずかな増加が見込まれている。しかし、エルニーニョ現象の影響とされる過度な降雨でサトウキビの出穂現象が見られており、産糖量の減少が懸念されることから、砂糖の生産量は3653万トン(同4.3%減)とやや減少、輸出量は2465万トン(同0.9%減)と前年度並みと見込まれている(表2)。

 また、ブラジルサトウキビ産業協会(UNICA)(注1)が発表した2015年4〜11月の生産実績によると、ブラジル中南部地域のサトウキビの生産量は、5億6329万トン(前年同期比1.6%増)とわずかに増加したが、砂糖の生産量は2942万トン(同6.4%減)とかなりの減少となった。これは、過度な降雨により、サトウキビ1トン当たりの産糖量が52.2キログラム(同7.9%減)と減少していることに加え、企業が短期間で利益を回収できるエタノールへの仕向け量を増やしていることが影響しているものと考えられる。

 同報告によると、同4〜11月のエタノールの生産量は、2579万キロリットル(前年同期比2.3%増)となっている。また、11月の含水エタノール(注2)の国内販売量は、144万キロリットル(前年同月比23.1%増)となり、輸出量も含めた4〜11月のエタノールの販売数量は、2027万キロリットル(前年同期比24.9%増)に達している。

 2015年9月末に、国営石油公社ペトロブラス社がガソリンの卸売価格を6%引き上げたことで、含水エタノール需要がさらに強まり、11月には、ガソリン価格の7割(注3)を超えるなど価格は上昇傾向にある。それでもなお、含水エタノール需要が旺盛であることから、政府は、国内企業に需給がひっ迫している無水エタノールの増産を奨励している。

 来年度に、ガソリンにかかる国税の燃料税(CIDE)の増税の可能性もあることから、さらなるエタノール需要の増加が予想されている。

(注1)ブラジル全体の砂糖生産量の9割を占める中南部地域を区域としている団体。
(注2)自動車の燃料として用いられるエタノールには、含水と無水の2種類がある。含水エタノールは製造段階で蒸留した際に得られた水分を5%程度含み、フレックス車(ガソリンとエタノールいずれも燃料に利用できる自動車)でそのまま燃料として利用される。一方、無水エタノールは含水エタノールから水分を取り除きアルコール100%としたもので、ガソリンに混合して利用される。
(注3)一般的なフレックス車のエタノール燃料効率がガソリンの70%程度とされていることから、消費者の購入判断の基準となっている。
 
 
2015/16年度の砂糖生産量はかなり減少、輸出量は大幅増の見込み
 2015/16砂糖年度(10月〜翌9月)のサトウキビの収穫面積は、515万ヘクタール(前年度比0.7%減)とほぼ前年度並みにとどまる上、株出しほ場の増加により単収の低下が懸念されることから、生産量は3億5278万トン(同5.6%減)、砂糖の生産量も2857万トン(同6.4%減)と、ともに減少が見込まれている(表3)。

 インド砂糖製造協会(ISMA)が先ごろ発表した2015年10〜11月の生産実績によると、砂糖の生産量は精製糖換算で236万トン(前年同期比24.3%増)と大幅に増加した。このうち、最大生産地であるマハーラーシュトラ州が、129万トン(同7.7%増)とかなりの増加、主要生産地であるカルナータカ州やウッタル・プラデーシュ州でも、それぞれ57万トン(同77.5%増)、18万トン(同80.0%増)と前年同期を大幅に上回っている(図4)。国内製糖企業が、新しい輸出促進政策(注)への期待から圧搾開始期を早めたことで、前年度の生産量を大幅に上回っている。

 2015年11月中旬に、政府が発表した新しい輸出促進政策の詳細によると、国内製糖企業は、輸出割当数量の8割以上を輸出できた場合に限り、当該企業が生産者へ支払う原料代のうち、サトウキビ1トン当たり45ルピー(90円(11月末日TTS:1ルピー=1.99円))を補てんされることが明らかとなった。

 このため、砂糖の輸出量は、337万トン(前年度比23.3%増)と大幅な増加が見込まれている。

(注)インド政府が、負債に苦しむ国内製糖企業に対して新設した救済措置。輸出促進を図るため、2015/16年度の輸出割当数量を400万トンと設定し、過去3年の平均生産量を基に各工場に割り当てる。
 
 
 
2015/16年度の砂糖生産量はかなり減少、輸入量は前年度並みの見込み
 2015/16砂糖年度(10月〜翌9月)は、砂糖の国際価格が低迷だったこともあり、生産者が他作物への転換を図る動きが見られることや、サトウキビ新植のための十分な投資ができないことなどから、サトウキビの収穫面積は130万ヘクタール(前年度比8.0%減)、生産量は8026万トン(同2.4%減)と、ともに減少と見込まれている(表4)。また、てん菜の収穫面積は13万ヘクタール(同1.4%減)、生産量は634万トン(同1.2%減)とわずかに減少する見通しである。この結果、砂糖の生産量は、993万トン(同12.9%減)とかなりの減少が見込まれている。

 一方、砂糖の輸入量は、602万トン(同0.4%増)と前年度並みの見込みである。前年度に輸入された砂糖の多くが、政府の輸入許可承認待ちのため港湾倉庫にとどまったままとなっている事態を受け、政府が今年度の輸入許可を抑えることも考えられることから、今後、輸入量は下方修正される可能性がある。
 
 
2015/16年度の砂糖生産量は大幅減、輸入量は大幅増の見込み
 2015/16砂糖年度(10月〜翌9月)は、てん菜播種時の天候に恵まれたものの、在庫の増加による砂糖価格下落への懸念から、てん菜の収穫面積は134万ヘクタール(前年度比13.7%減)とかなりの減少が予想されている(表5)。また、夏の熱波の影響によるポーランドやドイツなどの減産見通しから、EU全体では、てん菜の生産量は9331万トン(同22.3%減)、砂糖の生産量は1526万トン(同19.5%減)と、ともに大幅な減少が見込まれている。

 この減産を受け、砂糖の輸入量は、462万トン(同35.9%増)と大幅な増加が予想されている。
 
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