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5. 日本の主要輸入先国の動向(2015年12月時点予測)

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最終更新日:2016年1月8日

5. 日本の主要輸入先国の動向(2015年12月時点予測)

2016年1月

 日本の2014年の甘しゃ糖・分みつ糖(HSコード1701.14‐110)の輸入量は、132万6355トン(前年比4.0%減)となった。輸入先国の割合を見ると、タイが58.0%(同7.3ポイント増)、豪州が30.0%(同2.5ポイント減)、南アフリカが6.9%(同2.6ポイント増)、フィリピンが3.2%(同4.9ポイント減)、グアテマラが1.7%(同2.6ポイント減)と、この5カ国で輸入量のほぼ全量を占めている(財務省「貿易統計」)。

 主要輸入先国のうちタイおよび豪州は毎月、南アフリカ、フィリピン、グアテマラについては、原則として3カ月に1回の報告とし、今回はグアテマラを報告する。
 
2015/16年度の砂糖生産量は前年度並み、輸出量は大幅増の見込み
 2015/16砂糖年度(10月〜翌9月)は、前年度に引き続きコメからの転換が推進されており、サトウキビの収穫面積は151万ヘクタール(前年度比1.1%増)、生産量は1億800万トン(同1.9%増)と、ともにわずかな増加が見込まれている(表6)。 砂糖の生産量は、平均的な製糖歩留まりであれば、1203万トン(同0.2%減)とほぼ前年度並みと予想されている。

 砂糖の輸出量は、中国やASEAN、特にインドネシアへの粗糖の輸出が好調なことから1077万トン(同31.6%増)と大幅な増加が見込まれている。
 
 
2015/16年度の砂糖生産量はやや増加、輸出量はかなり増加の見込み
 2015/16砂糖年度(4月〜翌3月)のサトウキビの収穫面積は、39万ヘクタール(前年度比3.2%増)とやや増加と見込まれ、主産地であるクイーンズランド州(以下「QLD州」という)の降雨量不足は続いているものの、生産量は3310万トン(同2.3%増)とわずかに増加と見込まれている(表7)。砂糖の生産量は480万トン(同4.9%増)とやや増加し、インドネシアや韓国への粗糖の輸出が好調なことから、輸出量は388万トン(同12.9%増)とかなりの増加が見込まれている。

 一方、豪州農業資源経済科学局(ABARES)が発表した12月時点の2015/16年度の生産予測によると、砂糖の生産量は480万トン(前年度比5.0%増)、輸出量は348万トン(同7.0%増)と、ともに増加が見込まれている。

 国内最大手Wilmar社を含む外資系製糖企業3社は、2017年よりクイーンズランド砂糖公社(以下「QSL」という)(注1)を介さず、粗糖輸出を行うこととなっている(注2)。製糖企業優位の契約体制への懸念から、サトウキビ生産者団体は、製糖企業との収益分配に関する交渉権の法制化を、20カ月にわたり要望していた。これを受けて、砂糖産業法の見直しが行われていたが、12月2日にQLD州議会は、同法の改正案を可決し、サトウキビ生産者の要望が認められることとなった。

 しかし、豪州製糖協会(ASMC)からは、サトウキビ生産者の収益分配に対する関与は、製糖企業の砂糖産業への投資を抑制するものとし、今後も法改正に反対する意向であることが伝えられている。

(注1)製糖業界が運営している組織。粗糖の輸出および国内販売を行っている。
(注2)製糖企業は、2006年の砂糖産業法の改正により、粗糖の輸出においてQSLを介しての販売か、自社の直接販売かを選択できる。QSLを介することで低利融資やリスクマネージメント、輸出先との調整などのサービスを受けることができるが、近年、豪州に参入している外資系製糖企業のうち、Wilmar社(シンガポール)、MSF社(タイ)、COFCO社(中国)の3社が2017年より、直接販売に移行すると発表している。
 
 
2015/16年度の砂糖生産量はやや減少、輸出量はかなり減少の見込み
 2015/16砂糖年度(10月〜翌9月)は、サトウキビの収穫面積が27万ヘクタール(前年度比増減なし)、生産量は2742万トン(同3.0%減)と見込まれている(表8)。

 過度な降雨の影響により圧搾開始が遅れたことから、砂糖の生産量は308万トン(同3.9%減)とやや減少と予想されている。そのため、砂糖の輸出量は229万トン(同9.6%減)とかなりの減少が見込まれている。
 
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