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砂糖類の国内需給

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最終更新日:2016年9月9日

砂糖類の国内需給

2016年9月

調査情報部

1. 需給見通し

 農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、四半期ごとに砂糖および異性化糖の需給見通しを公表している。6月に「平成27砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第4回)」を公表した(詳細は2016年8月号参照)。

 

 

 

2. 異性化糖の移出動向

7月の移出数量は前年同月からやや増加
 2016年7月の異性化糖の移出数量は、9万3261トン(前年同月比5.6%増、前月比6.9%増)となった(図1)。

 7月の規格別の移出量は、次の通りであった(図2)。

果糖含有率40%未満  406トン
 (前年同月比6.5%減、前月比4.3%増)
同40%以上50%未満  2万1241トン
 (同0.1%減、同0.2%減)
同50%以上60%未満  7万359トン
 (同6.8%増、同9.4%増)
同60%以上  1255トン
 (同76.4%増、同3.1%増)
 

3. 輸入動向

【分みつ糖の輸入動向】
6月の輸入量は前年同月から大幅に減少

 財務省「貿易統計」によると、2016年6月の分みつ糖(HSコード 1701.14-110)の輸入量は、7万9657トン(前年同月比46.6%減、前月比53.6%増)であった(図3)。輸入先国はタイおよび米国で国別の輸入量は次の通りであった(図4)。

タイ  7万9638トン
 (前年同月比19.7%減、前月比53.8%増)
米国  19トン
 (同71.2%減、同66.1%減)

 同月における豪州からの高糖度原料糖(糖度98.5度以上99.3未満、HSコード1701.14-200)の輸入量は、4万5976トン(前年同月比9.2倍、前月比61.2%増)であった。
 

 2016年6月の1トン当たりの輸入価格は、4万6136円(前年同月比11.4%高、前月比8.3%高)となった(図5)。

 同月の国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。

 タイ  4万6116円
 (前年同月比12.5%高、前月比8.5%高)
米国  12万8632円
 (同39.1%安、同4.5%安)
 

【含みつ糖の輸入動向】
6月の輸入量は前年同月および前月から大幅に増加

 財務省「貿易統計」によると、2016年6月の含みつ糖の輸入量は、1271トン(前年同月比63.6%増、前月比2.0倍)であった(図6)。輸入先国はタイ、中国、フィリピンの3カ国であった。

 同月の国別の輸入量は次の通りであった(図7)。

タイ  193トン
 (前年同月比3.0倍、前月比21.9%減)
中国  1077トン
 (同60.5%増、同2.0倍)
フィリピン  1トン
 (同97.4%減、同95.8%減)
 


 2016年6月の1トン当たりの輸入価格は、11万4313円(前年同月比7.6%安、前月比1.3%高)となった(図8)。

 国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。

タイ  12万1254円
 (前年同月比8.2%高、前月比22.7%高)
中国  11万2316円
 (同8.1%安、同2.7%安)
フィリピン  92万6000円
 (同5.6倍、同4.2倍)
 

【加糖調製品の輸入動向】
6月の加糖調製品の輸入量は前月からわずかに増加

 財務省「貿易統計」によると、2016年6月の加糖調製品の輸入量は、4万6969トン(前年同月比1.7%減、前月比2.1%増)となった(図9)。

 同月の品目別の輸入量は、次の通りであった。

ミルク調製品  1万5025トン
 (前年同月比6.4%減、前月比1.2%減)
ソルビトール調製品  9702トン
 (同0.1%減、同12.2%増)
ココア調製品  7189トン
 (同4.4%増、同13.9%増)
その他調製品  7473トン
 (同4.2%増、同14.9%増)
調製した豆(加糖あん)  4896トン
 (同4.7%増、同10.6%減)
穀粉調製品  2659トン
 (同18.2%減、同30.3%減)
コーヒー調製品  26トン
 (同47.8%増、同46.0%減)
 

4. 価格動向

【市場価格】
砂糖、異性化糖ともに前月と同水準で推移

 7月の糖種別・地域別の砂糖価格(日経相場)は次の通りであった。

上白糖(大袋)
東京  1キログラム当たり187〜188円
大阪  同188円
名古屋 同191円
関門  同191円

上白糖(小袋)
東京  1キログラム当たり200〜201円
大阪  同202円

本グラニュー糖(大袋)
東京  1キログラム当たり192〜193円
大阪  同193円
名古屋 同196円

ビート・グラニュー糖(大袋)
東京  1キログラム当たり187〜188円
大阪  同188円
名古屋 同189円

 7月の異性化糖の価格(日経相場、大口需要家向け価格、東京、タンクローリーもの、JAS規格品、水分25%)は、次の通りであった。

果糖分42%もの
1キログラム当たり131〜132円

果糖分55%もの
同137〜138円

【小売価格】
7月の上白糖小袋の地域間の価格差は最大で24.4円

 KSP−POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける7月の上白糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、190.9円(前年同月同、前月比0.9円安)であった。

 同月の地域別(注)の平均小売価格は、次の通りであった。

北海道 196.4円
 (前年同月比2.1円高、前月比0.4円高)
東北  202.0円
 (同2.9円高、同6.1円高)
関東など  177.6円
 (前年前月同、同1.5円安)
首都圏 190.4円
 (前年同月比1.7円高、同7.5円安)
中部  180.4円
 (同2.7円安、同0.1円安)
関西  189.6円
 (同6.7円安、同0.9円高)
中国・四国  201.2円
 (同3.0円高、同2.0円高)
九州・沖縄  190.6円
 (同1.6円安、同1.6円安)

 最も高かったのは東北で、最も安かった関東などとの価格差は24.4円であった。

(注)地域の内訳は次の通りである。以下、グラニュー糖および三温糖も同じである。
関東など:茨城県、栃木県、群馬県、長野県、山梨県、静岡県
首都圏:東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県
中 部:新潟県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、三重県、愛知県
関 西:大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、和歌山県、奈良県


7月のグラニュー糖小袋の地域間の価格差は最大で78.5円
 KSP−POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける7月のグラニュー糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、236.9円(前年同月比1.6円高、前月比0.2円高)であった。

 同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった。

北海道 195.3円
 (前年同月比6.6円高、前月比3.2円高)
東北  273.8円
 (同5.0円高、同3.5円高)
関東など  246.5円
 (同0.4円高、同1.1円安)
首都圏 241.4円
 (同3.4円高、同0.8円安)
中部  248.5円
 (同1.2円安、同1.5円安)
関西  226.1円
 (同0.3円安、同0.2円安)
中国・四国  245.7円
 (同1.1円高、前月同)
九州・沖縄  218.3円
 (同2.6円安、前月比0.9円安)

 最も高かったのは東北で、最も安かった北海道との価格差は78.5円であった。

7月の三温糖小袋の地域間の価格差は最大で62.1円
 KSP−POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける7月の三温糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、232.7円(前年同月比1.4円高、前月比0.1円高)であった。

 同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった。

北海道 242.8円 
 (前年同月比1.6円高、前月比0.1円高)
東北  270.4円
 (同12.0円高、同6.9円高)
関東など  235.6円
 (同1.1円安、同1.3円安)
首都圏 225.4円
 (同0.3円高、同1.9円安)
中部  227.0円
 (同0.6円高、同0.4円高)
関西  226.0円
 (同2.4円安、同1.5円高)
中国・四国  241.8円
 (同0.6円安、同2.4円安)
九州・沖縄  208.3円
 (同0.1円高、前月同)

 最も高かったのは東北で、最も安かった九州・沖縄との価格差は62.1円であった。

【購入金額および購入量】
6月の1世帯当たりの砂糖にかかる支出金額は前月から大幅に増加

 総務省「家計調査」によると、2016年6月における100世帯当たりの砂糖の購入頻度は48で、1世帯(2人以上)当たりの支出金額は、147円(前年同月比12.5%安、前月比47.0%高)となった(図10)。また、同月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は、566グラム(同6.1%減、同32.9%増)となった(図11)。
 

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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
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