砂糖 砂糖分野の各種業務の情報、情報誌「砂糖類情報」の記事、統計資料など

ホーム > 砂糖 > 砂糖の国際需給・需給レポート > 4. 日本の主要輸入先国の動向

4. 日本の主要輸入先国の動向

印刷ページ

最終更新日:2016年11月10日

4. 日本の主要輸入先国の動向(2016年10月時点予測)

2016年11月

 近年、日本の粗糖(甘しゃ糖・分みつ糖(HSコード1701.14−110)および甘しゃ糖・その他(同1701.14−200)の合計)の主要輸入先国は、タイ、豪州、南アフリカ、フィリピン、グアテマラであったが、 2015年の主要輸入先国ごとの割合は、タイが56.0%(前年比1.9ポイント減)、豪州が39.0%(同8.7ポイント増)、グアテマラが4.9%(同3.2ポイント増)と、この3カ国でほぼ全量を占めている(財務省「貿易統計」)。

 タイおよび豪州は毎月の報告、南アフリカ、フィリピン、グアテマラについては、原則として3カ月に1回の報告とし、今回は南アフリカを報告する。
 

タイ

2015/16年度の砂糖生産量はかなり減少、輸出量は前年度並みの見込み
 2015/16砂糖年度(10月〜翌9月)は、コメからの転作が前年度ほど進まず、サトウキビ収穫面積は141万2000ヘクタール(前年度比0.6%増)となるものの、干ばつの影響による単収の低下のため、生産量は9405万トン(同10.9%減)と、かなりの減少が見込まれる(表6)。

 また、サトウキビ生育時期の干ばつと成熟時期の過度な降雨によって産糖量の減少が見られることから、砂糖生産量も1003万トン(同13.4%減)と、かなりの減少が見込まれる。

 タイ製糖協会の生産実績報告によると、2015/16年度のサトウキビ圧搾は前年度より約1カ月早い4月10日をもって終了し、圧搾量は9405万トン(同11.2%減)とかなり減少した。そのため、砂糖生産量も978万トン(同13.5%減)とかなり減少した。

 砂糖輸出量は、インドネシアへの粗糖輸出が好調であるものの、ミャンマーなど一部の国への精製糖輸出の低迷などにより、805万トン(同0.3%減)と前年度並みにとどまると見込まれる。

 ただし、サトウキビ・砂糖委員会事務局(OCSB)(注1)によれば、国際砂糖価格の上昇につれ、カンボジアやラオス、ミャンマー、ベトナムなどへの砂糖の流出による国内供給不足が懸念されている。このため、OCSBは7月、今年2月に250万トンへの引き上げを承認した国内供給向け砂糖(A割当)の販売割当数量(注2)を260万トンまでさらに10万トン引き上げることとした。

2016/17年度の砂糖生産量はやや減少、輸出量はかなり減少の見込み
 2016/17年度は、キャッサバなどの他作物へ転換を図る生産者も見られることから、サトウキビ収穫面積は140万8000ヘクタール(前年度比0.2%減)、長引く干ばつの影響により特に新植サトウキビの生育不良が見られるものの単収の向上が見込まれることから、生産量は1億436万トン(同11.0%増)と、かなりの増加が予想されている。

 砂糖生産量は、製糖歩留まりの低下が予想されるため、970万トン(同3.2%減)とやや減少が予想され、それに伴い、輸出量も748万トン(同7.1%減)と、かなりの減少が予想されている。

 一方、OCSBは10月上旬、2014年から続いている干ばつの影響によりサトウキビの枯死が引き起こされていることなどから、2016/17年度のサトウキビ生産量は9100万トン、砂糖生産量は930万〜940万トンとの予測を発表した。

 現地報道によると、OCSBは9月上旬、製糖能力の増強とともに、バイオプラスチックなどの生産の原料となる糖みつの供給拡大を目的に、新たに25の製糖工場の建設を承認した。

 また、世界貿易機関(WTO)での訴訟(注3)回避のため、OCSBが9月下旬に策定した砂糖政策の改革案が10月11日、閣議承認された。この改革案では、砂糖産業全体の収益をサトウキビ生産者と製糖業者で7:3の割合で分配する収益分配方式や販売割当を廃止するとともに、製糖過程で発生するエタノールやバイオプラスチックなどの副産物の生産振興に関する規則などを盛り込んだ新たな法案を策定するとしている。

(注1)タイのサトウキビおよび砂糖関連政策の執行機関である3省(工業省(製糖関係)、農業協同組合省(原料作物関係)、商務省(砂糖の売買関係))とサトウキビ生産者および製糖企業の代表で構成され、工業省内に設置された「サトウキビ・砂糖委員会(TCSB)」の事務局。
(注2)タイ産砂糖は、A割当と呼ばれる国内供給向けとB割当およびC割当と呼ばれる輸出向けなどの販売割当制度が行われている。
(注3)ブラジル政府は、タイ政府が、国際砂糖価格の低迷時などに製糖企業を通じて生産者に支払われる補てん金や、砂糖の販売割当制度および国内販売価格の設定は、間接的な輸出補助金に当たり国際貿易協定に違反しているとして、4月初旬にWTOに提訴していた。

 

表6 タイの砂糖需給の推移

(参考) タイの砂糖(粗糖・精製糖別)の輸出量および輸出単価の推移

豪 州

2015/16年度の砂糖生産量はやや増加、輸出量はわずかに増加の見込み
 2015/16砂糖年度(7月〜翌6月)は、特にアジアへの輸出需要の高まりから、サトウキビ収穫面積は39万ヘクタール(前年度比8.3%増)と、かなりの増加が見込まれるものの、主産地であるクイーンズランド(QLD)州が一時干ばつに見舞われたため、生産量は3310万トン(同2.3%増)とわずかな増加にとどまるものと見込まれる(表7)。
 また、砂糖生産量は495万トン(同3.6%増)、輸出量は375万トン(同1.7%増)と、ともに増加が見込まれる。

2016/17年度の砂糖生産量はやや増加、輸出量はかなり増加の見込み
 2016/17年度は、サトウキビ収穫面積が42万ヘクタール(前年度比5.8%増)、生産量が3443万トン(同4.0%増)と、ともにやや増加が見込まれている。現地報道によると、ニューサウスウェールズ州やQLD州の一部地域で降雨が続いたことから、5月下旬に開始されたサトウキビの圧搾作業は、一時遅れが生じたものの、その後の天候回復に伴い、各製糖企業により稼働率を上げて行われている。

 豪州砂糖製造業者協議会(ASMC)は、2016/17年度のサトウキビ生産予測(10月上旬時点)を当初予測の3503万トンから3626万トンへと上方修正した。ASMCが公表した生産実績によると、10月初旬までのサトウキビ圧搾量は、当初予測の約6割に当たる2111万トンに達している。

 サトウキビの増産に加え、製糖歩留まりの向上も見られることから、砂糖生産量は523万トン(同5.8%増)と、わずかに増加が見込まれている。これを受け、輸出量は401万トン(同6.8%増)と、かなりの増加が見込まれている。

 豪州農業資源経済科学局(ABARES)が9月中旬に公表した2016/17年度の生産予測によると、サトウキビ栽培面積は39万ヘクタール(同3.1%増)とやや増加し、単収の向上により、砂糖生産量は510万トン(同3.7%増)とやや増加が見込まれる。輸出量も405万トン(同2.7%増)と、わずかな増加が見込まれる。
 

表7 豪州の砂糖需給の推移

南アフリカ

2015/16年度の砂糖生産量、輸出量はともに大幅減の見込み
 2015/16砂糖年度(4月〜翌3月)のサトウキビの収穫面積は、30万ヘクタール(前年度比7.1%減)とかなり減少し、生産量は1707万トン(同1.0%減)と、わずかな減少が見込まれている(表8)。

 砂糖生産量は、100年に1度ともいわれる深刻な干ばつの影響により製糖歩留まりが低下していることから、173万トン(同22.8%減)と大幅な減少が見込まれている。これを受け、輸出量も31万トン(同60.1%減)と、大幅な減少が見込まれている。

 なお、南アフリカ砂糖協会(SASA)が先ごろ公表した2015/16年度の生産実績によると、サトウキビ生産量は1481万トン(同16.3%減)と大幅に減少した。

2016/17年度の砂糖生産量はわずかに減少、輸出量は大幅減の見込み
 2016/17年度のサトウキビの収穫面積は29万ヘクタール(前年度比4.2%減)、生産量は1623万トン(同4.9%減)と、ともにやや減少が見込まれている。

 砂糖生産量は、製糖歩留まりの改善がみられることから、170万トン(同1.6%減)とわずかな減少にとどまると見込まれている。2015/16年度から砂糖の消費量が生産量を上回る状況が続き在庫量が減少していることから、輸出量は16万トン(同47.5%減)と、大幅な減少が見込まれている。

表8 南アフリカの砂糖需給の推移

このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713