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砂糖類の国内需給

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最終更新日:2018年3月9日

砂糖類の国内需給

2018年3月

調査情報部

1. 需給見通し

 農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、四半期ごとに砂糖および異性化糖の需給見通しを公表している。12月に「平成29砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第2回)」を公表した(詳細は2018年2月号参照)。

平成29砂糖年度(10月〜翌9月)の見通し

表1 平成29砂糖年度における砂糖の需給見通し

表2 平成29砂糖年度における異性化糖の需給見通し

2. 異性化糖の移出動向

1月の移出数量は前年同月からわずかに減少
 2018年1月の異性化糖の移出数量は、5万7693トン(前年同月比1.9%減、前月比7.7%減)であった(図1)。
 規格別の移出量は、次の通りであった(図2)。

果糖含有率40%未満     341トン  
 (前年同月比9.0%増、前月比27.0%減)
同40%以上50%未満  1万5882トン  
 (同3.2%減、同9.4%減)
同50%以上60%未満  4万729トン  
 (同1.3%減、同7.1%減)
同60%以上           740トン  
 (同6.4%減、同7.2%増)

図1 異性化糖の移出量の推移

図2 異性化糖の種類別移出量の推移

3. 輸入動向

【分みつ糖の輸入動向】
12月の輸入量は前年同月から大幅に減少

 財務省「貿易統計」によると、2017年12月の分みつ糖(HSコード 1701.14-110)の輸入量は、3万9119トン(前年同月比38.5%減、前月比95.8%増)であった(図3)。
 輸入先国は南アフリカ、豪州、フィリピンおよび米国の4カ国で、輸入量は次の通りであった(図4)。

 南アフリカ   2万6000トン  
 (前年同月および前月輸入実績なし)
豪州         9988トン  
 (前年同月および前月輸入実績なし)
フィリピン      3121トン  
 (前年同月輸入実績なし、前月比65.3%減)
米国          10トン  
 (前年同月比25.0%増、同2.0倍)

 また、同月における豪州からの高糖度原料糖(糖度98.5度以上99.3度未満、HSコード1701.14-200)の輸入量は、9万937トン(前年同月比55.5%増、前月比31.3%減)であった。

図3 分みつ糖の輸入量の推移

図4 分みつ糖の国別輸入量の推移

 2017年1〜12月の分みつ糖の輸入量は41万5142トン(前年比34.4%減)で、豪州からの高糖度原料糖80万1876トン(同33.5%増)と合わせた輸入量は121万7018トン(同1.4%減)であった(図5)。

 輸入先国は豪州、タイ、フィリピン、南アフリカおよび米国などの6カ国で、国別の輸入量は次の通りであった。

豪州    84万8349トン(注)  
 (前年比30.3%増)
タイ     30万1819トン  
 (同48.2%減)
フィリピン  4万737トン  
 (前年輸入実績なし)
南アフリカ  2万6000トン  
 (前年輸入実績なし)
米国        111トン  
 (前年比57.1%減)
英国         2トン  
 (前年同)

(注)高糖度原料糖の輸入量を含む。

図5 分みつ糖の年別国別輸入量の推移

 2017年12月の1トン当たりの輸入価格は、4万6601円(前年同月比21.0%安、前月比7.5%高)であった(図6)。

南アフリカ   4万8470円  
 (前年同月および前月輸入実績なし)
豪州      4万2274円  
 (前年同月および前月輸入実績なし)
フィリピン   4万4608円  
 (前年同月輸入実績なし、前月比4.9%高)
米国      13万1900円  
 (前年同月比40.8%安、同70.0%安)

 また、同月における豪州からの高糖度原料糖の1トン当たりの輸入価格は、4万5286円(前年同月比27.7%安、前月比6.3%高)であった。

図6 分みつ糖の輸入価格の推移

【含みつ糖の輸入動向】
12月の輸入量は前年同月から大幅に減少

 財務省「貿易統計」によると、2017年12月の含みつ糖(HSコード 1701.13-000、1701.14-190)の輸入量は、335トン(前年同月比36.3%減、前月比16.0%減)であった(図7)。
 輸入先国はボリビア、中国、フィリピンおよびブラジルの4カ国で、国別の輸入量は次の通りであった(図8)。

ボリビア   197トン  
 (前月同月比27.1%増、前月比2.6%増)
中国      74トン  
 (同66.1%減、同25.4%増)
フィリピン   45トン  
 (同38.4%減、同49.4%減)
ブラジル   19トン  
 (同74.7%減、同50.0%減)

図7 含みつ糖の輸入量の推移

図8 含みつ糖の国別輸入量の推移

 2017年1〜12月の含みつ糖の輸入量は、1万115トン(前年比7.1%減)であった(図9)。
 輸入先国はタイ、中国、ボリビア、フィリピンおよびブラジルなど7カ国で、国別の輸入量は次の通りであった(図9)。

タイ       4485トン  
 (前年比8.1%減)
中国      4065トン  
 (同2.1%増)
ボリビア    720トン  
 (同33.3%減)
フィリピン   690トン  
 (同71.2%増)
ブラジル    95トン  
 (同79.9%減)
モーリシャス  40トン  
 (同2.0倍)
コスタリカ   20トン  
 (同50.0%減)

図9 含みつ糖の年別国別輸入量の推移

 2017年12月の1トン当たりの輸入価格は、15万4152円(前年同月比8.6%高、前月比5.3%高)であった(図10)。
 国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。

ボリビア   13万7827円  
 (前年同月比0.2%安、前月比0.7%高)
中国     15万2892円  
 (同33.6%高、同15.5%高)
フィリピン  19万2667円  
 (同30.4%高、同29.7%高)
ブラジル  23万7105円  
 (同5.9%高、同1.0%安)

図10 含みつ糖の輸入価格の推移

【加糖調製品の輸入動向】
12月の加糖調製品の輸入量は前年同月からやや増加

 財務省「貿易統計」によると、2017年12月の加糖調製品の輸入量は、5万3054トン(前年同月比4.4%増、前月比8.5%増)であった(図11)。
 品目別の輸入量は、次の通りであった。

ミルク調製品      1万5743トン  
 (前年同月比19.7%増、前月比13.5%増)
ソルビトール調製品 1万1236トン  
 (同6.9%増、同18.8%増)
ココア調製品        9020トン  
 (同17.5%減、同0.9%増)
調製した豆(加糖あん) 5591トン  
 (同0.3%増、同3.1%増)
穀粉調製品        4364トン  
 (同3.5%増、同12.4%増)
コーヒー調製品       30トン  
 (同1.8%減、同40.0%増)
その他調製品       7069トン  
 (同10.5%増、同3.2%減)

図11 加糖調製品の品目別輸入数量の推移

 2017年1〜12月の加糖調製品の輸入量は、57万6219トン(前年比2.8%増)となった(図12)。
 品目別の輸入量は、次の通りであった。

ミルク調製品     17万3850トン  
 (前年比8.6%増)
ソルビトール調製品 11万6163トン  
 (同2.3%減)
ココア調製品     10万4720トン  
 (同10.6%増)
調製した豆(加糖あん) 6万11トン  
 (同4.2%減)
穀粉調製品      4万2768トン  
 (同0.5%減)
コーヒー調製品       314トン  
 (同15.8%減)
その他調製品     7万8393トン  
 (同3.3%減)

図12 加糖調製品の年別品目別輸入数量の推移

4. 価格動向

【市場価格】
砂糖、異性化糖ともに前月と同水準で推移

 1月の糖種別・地域別の砂糖価格(日経相場)は次の通りであった。

上白糖(大袋)
東京 1キログラム当たり189〜190円
大阪               同190円
名古屋             同193円
関門               同193円

上白糖(小袋)
東京 1キログラム当たり202〜203円
大阪               同204円

本グラニュー糖(大袋)
東京 1キログラム当たり194〜195円
大阪               同195円
名古屋             同198円

ビート・グラニュー糖(大袋)
東京 1キログラム当たり189〜190円
大阪               同190円
名古屋             同191円

 1月の異性化糖の価格(日経相場、大口需要家向け価格、東京、タンクローリーもの、JAS規格品、水分25%)は、次の通りであった。

果糖分42%もの  
1キログラム当たり131〜132円

果糖分55%もの          
          同137〜138円

【小売価格】
1月の上白糖小袋の地域間の価格差は最大で26.1円

 KSP−POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける1月の上白糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、194.1円(前年同月差2.8円高、前月差3.2円高)であった。
 地域別(注)の平均小売価格は次の通りであった。

北海道     196.9円
 (前年同月差7.3円高、前月差1.0円安)
東北      196.0円  
 (同0.7円高、同4.6円安)
関東など   181.3円  
 (同3.7円高、同0.4円安)
首都圏    196.7円  
 (同5.3円高、同7.8円高)
中部      182.3円  
 (同2.6円高、同2.7円高)
関西      193.2円  
 (同0.6円高、同2.4円高)
中国・四国  207.4円  
 (同4.2円安、同5.7円高)
九州・沖縄  198.5円  
 (同7.7円高、同6.3円高)

 最も高かったのは中国・四国で、最も安かった関東などとの価格差は26.1円であった。

(注)地域の内訳は次の通りである。以下、グラニュー糖および三温糖も同じである。
関東など:茨城県、栃木県、群馬県、長野県、山梨県、静岡県
首都圏:東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県
中 部:新潟県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、三重県、愛知県
関 西:大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、和歌山県、奈良県


1月のグラニュー糖小袋の地域間の価格差は最大で74.5円
 KSP−POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける1月のグラニュー糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、243.2円(前年同月差2.9円高、前月差1.7円高)であった。
 地域別の平均小売価格は次の通りであった。

北海道    201.8円  
 (前年同月差5.5円高、前月同)
東北      276.3円  
 (同4.3円高、前月差0.3円安)
関東など    248.7円  
 (同3.5円高、同1.1円安)
首都圏    246.3円  
 (同0.9円高、同1.4円高)
中部      248.3円  
 (同0.5円安、前月同)
関西      230.1円  
 (同2.6円高、前月差0.1円高)
中国・四国  262.2円  
 (同4.6円高、同11.0円高)
九州・沖縄  224.1円  
 (同7.8円高、同1.5円高)

 最も高かったのは東北で、最も安かった北海道との価格差は74.5円であった。

1月の三温糖小袋の地域間の価格差は最大で44.2円
 KSP−POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける1月の三温糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、236.5円(前年同月差3.5円高、前月差2.3円高)であった。
 地域別の平均小売価格は次の通りであった。

北海道    251.2円  
 (前年同月差11.4円高、前月差5.9円高)
東北     258.4円  
 (同3.1円高、同0.8円安)
関東など   241.4円  
 (同1.1円高、同1.6円安)
首都圏    230.1円  
 (同3.0円高、同2.0円高)
中部     228.4円  
 (同2.1円高、同1.7円高)
関西     226.2円  
 (同1.7円高、同2.8円高)
中国・四国 253.7円  
 (同1.8円高、同6.6円高)
九州・沖縄 214.2円  
 (同6.1円高、同0.9円高)

 最も高かったのは東北で、最も安かった九州・沖縄との価格差は44.2円であった。

【購入金額および購入量】
12月の砂糖の支出金額は前年同月からかなりの程度下落

 総務省「家計調査」によると、2017年12月における100世帯当たりの砂糖の購入頻度は56で、1世帯(2人以上)当たりの支出金額は、138円(前年同月比7.4%安、前月比39.4%高)であった(図13)。また、同月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は、640グラム(同6.0%減、同53.1%増)であった(図14)。

図13 1世帯当たりの砂糖に係る支出額の推移

図14 1世帯当たりの砂糖の購入数量の推移

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Tel:03-3583-9272