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2. 主要国の砂糖需給(2019年3月時点予測)

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最終更新日:2019年4月10日

2. 主要国の砂糖需給(2019年3月時点予測)

2019年4月

図2 主要国の生産量、輸入量、消費量、輸出量(2018/19年度)
【生産量】
 2018/19年度の砂糖生産量を国別に見ると、インドは、砂糖生産量第1位のウッタル・プラデーシュ州でサトウキビが豪雨の被害を受けたほか、第2位のマハラシュトラ州と第3位のカルナータカ州で干ばつや害虫被害が発生した影響でサトウキビの生育が停滞したが、前年度と同程度のサトウキビ収穫量が見込まれることから、砂糖生産量は3450万トン(前年度比0.6%減)とほぼ横ばいで推移すると見込まれている(図2)。他の作物より収益性の高いサトウキビへの生産意欲の高まりを背景に、過去最大を記録した前年度に次ぐ生産量を維持すると見込まれるため、結果として、ブラジルを抜き世界第1位の砂糖生産国になるとみられる。

 ブラジルは6月から8月にかけ主産地の中南部を中心に乾燥した天候が続いたことでサトウキビの生育にマイナスの影響が出ているほか、砂糖の国際価格の低迷を受けてサトウキビのエタノール生産への仕向け割合が7割に達する勢いで推移していることなどから、3120万トン(同24.8%減)と大幅な減少が見込まれている。

 EUは、春先の寒波により、てん菜の()(しゅ)が遅れたことに加え、記録的な猛暑に見舞われ、収量が大幅に低下するとみられることから、1883万トン(同12.9%減)とかなりの減少が見込まれている。

 タイは、台風の勢力が弱まった熱帯低気圧が多く通過した影響でサトウキビの倒伏、茎葉の傷みなどが発生したことで、1490万トン(同4.4%減)とやや減少が見込まれている。

【輸入量】
 中国は、砂糖への追加関税措置を継続する見通しであることから、604万トン(前年同)と横ばいで推移すると見込まれている。

 他方、インドネシアは、昨今の景気動向や人口が右肩上がりで推移していることなどから、494万トン(前年度比15.9%増)とかなりの増加が見込まれている。

【消費量】
 昨今の景気動向や個人消費が堅調に推移していることを踏まえ、インドは2746万トン(前年度比2.0%増)、中国は1714万トン(同1.2%増)、インドネシアは711万トン(同2.9%増)と増加が見込まれている。

【輸出量】
 ブラジルは、砂糖の国際価格の低迷を背景に、砂糖の輸出に消極的でバイオエタノール生産を加速させる動きが見られることから、2048万トン(前年度比34.0%減)と大幅な減少が見込まれている。

 EUは、てん菜の減産により砂糖生産量が消費量を下回り、輸出余力が低下するとみられることから、前年度の半分以下の179万トン(同52.9%減)まで減少し、平年並みに戻ると見込まれている。

 他方、タイは、糖類を含む飲料に対する課税の本格的な運用が開始されることに伴い内需が縮小すると予想される反面、輸出意欲が高まるとみられることから、1257万トン(同24.7%増)と大幅な増加が見込まれている。

 インドは、砂糖の過剰在庫の解消に向け、補助金政策や最低輸出義務の設定など、輸出に対する政府介入の度合いが強まっているため、332万トン(同40.6%増)と大幅な増加が見込まれている。
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