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2. 主要国の砂糖需給(2019年6月時点予測)

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最終更新日:2019年7月10日

2. 主要国の砂糖需給(2019年6月時点予測)

2019年7月

図2 主要国の生産量、輸入量、消費量、輸出量(2018/19年度)
【生産量】
 2018/19年度の砂糖生産量を国別に見ると、インドは、干ばつなどの気象災害や害虫被害が発生したものの、他の作物より収益性の高いサトウキビへの生産意欲の高まりを背景に収穫面積の増加が単収の落ち込みをカバーするとみられることから、3558万トン(前年度比2.5%増)とわずかに増加すると見込まれている(図2)。過去最大を記録した前年度を超える生産量が予想されるため、結果として、ブラジルを抜き世界第1位の砂糖生産国になるとみられる。

 ブラジルは、前年6月から8月にかけ主産地の中南部を中心に乾燥した天候が続いたことでサトウキビの生育にマイナスの影響が出ているほか、砂糖の国際価格の低迷を受けてサトウキビのエタノール生産への仕向け割合が7割に達する勢いで推移していることなどから、3130万トン(同24.6%減)と大幅な減少が見込まれている。

 EUは、春先の天候不順でてん菜の()(しゅが遅れたことに加え、6月以降に記録的な猛暑に見舞われ、収量が大幅に低下するとみられることから、1833万トン(同15.0%減)とかなり大きく減少すると見込まれている。

【輸入量】
 中国は、砂糖への追加関税措置を継続することを前提とすれば、604万トン(前年度比0.4%増)と横ばいで推移すると見込まれている。

 他方、インドネシアは、昨今の景気動向や人口が右肩上がりで推移していることなどから、541万トン(同14.1%増)とかなり大きく増加すると見込まれている。

【消費量】
 昨今の景気動向や個人消費が堅調に推移していることを踏まえ、インドネシアは718万トン(前年度比2.3%増)、インドは2746万トン(同2.0%増)、中国は1714万トン(同1.2%増)と増加が見込まれている。

 他方、EUは健康志向の高まりなどを背景に、1895万トン(同1.7%減)とわずかに減少すると見込まれている。

【輸出量】
 ブラジルでは、砂糖の国際価格の低迷を背景に、砂糖の輸出に消極的でバイオエタノール生産を加速させる動きが見られることから、2057万トン(前年度比33.7%減)と大幅な輸出量の減少が見込まれている。

 EUは、てん菜の減産により砂糖生産量が消費量を下回り、輸出余力が低下するとみられることから、前年度の約半分となる196万トン(同48.6%減)と大幅な減少が見込まれている。

 他方、タイは砂糖の国内消費の落ち込みをカバーするため、輸出意欲が高まるとみられることから、1218万トン(同20.9%増)と大幅に増加すると見込まれている。

 インドは、砂糖の過剰在庫の解消に向け、補助金政策や最低輸出義務の設定など輸出に対する政府介入の度合いが強まっているため、370万トン(同56.6%増)と大幅な増加が見込まれている。
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