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3. 国際価格の動向

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最終更新日:2019年7月10日

3. 国際価格の動向

2019年7月

ニューヨーク粗糖先物相場の動き(5/1〜6/14)
〜2019年4月以来の水準まで値を戻す〜
図2 ニューヨーク粗糖先物相場の働き
 ニューヨーク粗糖先物相場の2019年5月の推移を見ると(7月限(がつぎり))、1日に1ポンド当たり12.21セント(注1)の値を付け、3日まで同12セント台で推移したものの、週明けの6日は原油価格の下落に引きずられて同11.88セントまで値を下げた(注2)。8日は前日にブラジル国家食糧供給公社(CONAB)が砂糖増産の見通しを示したことを受け、同11.65セントまで値を下げた。その後は、目立った材料がない中、緩やかな回復基調を続け、14日は同11.94セントの値を付けた。17日は、レアル安に伴う輸出増への懸念から同11.55セントまで下落し、今年の最安値を更新した。20日に小幅に反発し、21日は続伸して同11.81セントまで値を戻したが、23日はブラジルの砂糖生産が想定を上回る数量で推移していることが相場の押し下げ要因となり、同11.57セントまで下落した。その後は、売られ過ぎの反動から買い戻され、29日は同11.87セントまで値を上げた。31日は、ブラジルでサトウキビをエタノール生産へ仕向ける動きが広がっていることを受け、同12.10セントの値を付け、約30日ぶりに12セント台を回復した。

 6月に入ると、4日はレアルの上昇が相場を下支えし、同12.42セントの値を付け、4月以来の水準まで回復した。5日は原油価格の下落から同12.21セントまで値を下げるも、すぐに値を戻し6日は同12.51セントまで反発した。その後は、インドの干ばつ被害が深刻なレベルとの報道や、トウモロコシ価格の上昇を背景に米国のバイオエタノール生産が抑制され、ブラジル産エタノールの需要が増えるとの観測などが相場を押し上げ、13日は同12.75セントまで値を上げた(図3)。

(注1)1ポンドは約453.6グラム、セントは1米ドルの100分の1。
(注2)一般に、原油価格が下落すると、代替燃料であるバイオエタノールの需要が低下する。バイオエタノールへの需要が低下すると、その原料作物(サトウキビ、てん菜、トウモロコシ、キャッサバなど)のバイオエタノール生産への仕向けが減るため、それらから生産される食品(サトウキビの場合は砂糖)の供給が増える方向に作用する。その結果、需給緩和の懸念が強まり、商品相場は下落する傾向にある。
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