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砂糖類の国内需給

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最終更新日:2020年1月10日

砂糖類の国内需給

2020年1月

調査情報部

1. 需給見通し

 農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、四半期ごとに砂糖および異性化糖の需給見通しを公表している。9月に「令和元砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第1回)」を公表した(詳細は2019年11月号参照)。

 

 

 

 

2. 輸入動向

【粗糖の輸入動向】
10月の輸入量は前年同月から大幅に減少

 財務省「貿易統計」によると、2019年10月の甘しゃ糖・分みつ糖(HSコード 1701.14-110)および甘しゃ糖・その他(同1701.14-200の豪州)の輸入量は、10万792トン(前年同月比37.2%減、前月比30.8%減)であった(図1)。

 輸入先国は豪州およびタイで、輸入量は次の通りであった(図2)。

豪州   9万9451トン  
 (前年同月比25.8%減、前月比26.3%減)
タイ      1341トン
 (同94.9%減、同87.5%減)

図1

図2

 2019年10月の甘しゃ糖・分みつ糖の1トン当たりの輸入価格は、3万2620円(前年同月比9.4%安、前月比1.7%安)であった(図3)。

タイ    3万2620円
 (前年同月比9.3%安、前月比1.7%安)  

 また、同月における甘しゃ糖・その他の豪州からの高糖度原料糖の1トン当たりの輸入価格は、3万4039円(前年同月比4.8%安、前月比5.2%安)であった。

図3

【含みつ糖の輸入動向】
10月の輸入量は前年同月から大幅に増加

 財務省「貿易統計」によると、2019年10月の含みつ糖(HSコード 1701.13-000、1701.14-190)の輸入量は、657トン(前年同月比31.9%増、前月比3.4倍)であった(図4)。

 輸入先国は中国、ボリビア、ブラジル、タイ、フィリピンおよび台湾で、国別の輸入量は次の通りであった(図5)。

中国   412トン
 (前年同月比39.7%増、前月比2.7倍)
ボリビア 103トン
 (同14.9%減、前月輸入実績なし)
ブラジル 94トン
 (前年同月輸入実績なし、前月輸入実績なし)
タイ    21トン
 (前年同月同、前月同)
フィリピン 21トン
 (前年同月比65.6%減、前月比61.5%増)
台湾    6トン
 (前年同月輸入実績なし、同14.3%減)

図4

図5

 2019年10月の1トン当たりの輸入価格は、13万5349円(前年同月比3.0%高、前月比8.9%高)であった(図6)。

 国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。

中国    12万1595円
 (前年同月比8.4%安、前月比3.4%高)
ボリビア  12万8748円
 (同4.7%安、前月輸入実績なし)
ブラジル   21万5170円
 (前年同月輸入実績なし、前月輸入実績なし)
タイ      9万1286円
 (前年同月比5.6%安、前月比65.3%高)
フィリピン  10万6524円
 (同17.3%安、同54.2%安)
台湾     19万7667円
 (前年同月実績なし、同28.0%安)

図6

【加糖調製品の輸入動向】
10月の加糖調製品の輸入量は前年同月からわずかに減少

 財務省「貿易統計」によると、2019年10月の加糖調製品の輸入量は、5万76トン(前年同月比0.6%減、前月比27.8%増)であった(図7)。

 品目別の輸入量は、表4の通りであった。

図7

表4

3. 異性化糖の移出動向

11月の移出量は前年同月からやや増加
 2019年11月の異性化糖の移出量は、6万6930トン(前年同月比4.0%増、前月比3.3%増)であった(図8)。

 同月の規格別の移出量は、次の通りであった(図9)。

果糖含有率40%未満    359トン
 (前年同月比21.7%減、前月比16.1%減)
同40%以上50%未満 1万7273トン
 (同0.9%減、同0.4%減)
同50%以上60%未満 4万8755トン
 (同6.5%増、同5.3%増)
同60%以上          543トン
 (同22.7%減、同21.2%減)

図7

図8

4. 価格動向

【市場価格】
砂糖、異性化糖ともに前月と同水準で推移

 11月の糖種別・地域別の砂糖価格(日経相場)は次の通りであった。

上白糖(大袋)
東京 1キログラム当たり  187〜188円
大阪              同187〜188円
名古屋               同191円
関門                 同191円

上白糖(小袋)
東京 1キログラム当たり  199〜202円
大阪                 同202円

本グラニュー糖(大袋)
東京 1キログラム当たり  192〜193円
大阪              同192〜193円
名古屋               同196円

ビート・グラニュー糖(大袋)
東京 1キログラム当たり  187〜188円
大阪              同187〜188円
名古屋               同189円

 11月の異性化糖の価格(日経相場、大口需要家向け価格、東京、タンクローリーもの、JAS規格品、水分25%)は、次の通りであった。

果糖分42%もの
     1キログラム当たり131〜132円
果糖分55%もの
                同137〜138円
【小売価格】
11月の上白糖小袋の地域間の価格差は最大で22.4円

 KSP−POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける11月の上白糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、192.3円(前年同月差1.1円安、前月差1.7円高)であった。

 同月の地域別(注)の平均小売価格は次の通りであった(表5)。

 最も高かったのは中国・四国で、最も安かった関東などとの価格差は22.4円であった。

(注)地域の内訳は次の通りである。以下、グラニュー糖および三温糖も同じである。
関東など:茨城県、栃木県、群馬県、長野県、山梨県、静岡県
首都圏:東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県
中 部:新潟県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、三重県、愛知県
関 西:大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、和歌山県、奈良県

表5

11月のグラニュー糖小袋の地域間の価格差は最大で72.9円
 KSP−POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける11月のグラニュー糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、243.6円(前年同月差0.2 円高、前月差0.2円高)であった。

 同月の地域別の平均小売価格は次の通りであった(表6)。

 最も高かったのは東北で、最も安かった北海道との価格差は72.9円であった。
 

表6

11月の三温糖小袋の地域間の価格差は最大で42.2円
 KSP−POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける11月の三温糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、233.3円(前年同月差2.4円安、前月差0.5円安)であった。

 同月の地域別の平均小売価格は次の通りであった(表7)。

 最も高かったのは東北で、最も安かった九州・沖縄との価格差は42.2円であった。

 

【購入金額および購入量】
10月の砂糖の支出金額は前年同月と比べかなりの程度減少

 総務省「家計調査」によると、2019年10月における100世帯当たりの砂糖の購入頻度は32、1世帯(2人以上)当たりの支出金額は75円(前年同月比10.7%安、前月比6.3%安)であった(図10)。また、同月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は、333グラム(同10.7%減、同8.3%減)であった(図11)。

図10

図11

このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-9272